表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

ep.8


 8


 実家の長屋門を通ると、家政婦と糟良城警部が談笑していた。警部の方が先に気がつき、会釈してきた。航も会釈を返す。


「航さん、おかえりなさいませ」家政婦が航に近づいてきて言った。


「ハツさん、ただいま」航が言った。


「先程、刑事の方がお見えになって話し込んでしまいました」ハツさんはお茶目な笑顔を見せた後に警部の方へ振り返った。


「おもてなしもしませんで、すみません」


「お構い無く」糟良城が笑顔で応えた。


「それでは、失礼します」家政婦のハツさんは屋敷の方へ消えていった。


 糟良城警部は、ハツさんがいなくなったことを確認し、航のほうへ体を向けた。


「事件の方、なにか進展はありましたか?」航が聞いた。


「ハツさん、ここに家政婦として勤めてどれくらい?」糟良城から笑顔が消えていた。


「来年で10年位だったと思いますけど」


 庭の木が風で揺れる音がした。これまで警部から感じていた、温和な雰囲気が綺麗さっぱり消えていた。


「ここへ来る前、人と会ってきた。芝幸典。知ってるな」


「知りません」


 糟良城は眉間に皺を寄せた。


「部下に調べさせた。芝幸典の親族について。さっき電話があった。お宅で家政婦として働いているそうだ。ハツさん──芝初枝(しばはつえ)さん」


「どうして、そんなこと調べるんです?」


「10年前、君が出来なかったことやるんだ。そうすればこれ以上、誰も罪を重ねることなく事件を解決することが出来る。いいか?君のお父さんを殺した犯人は……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ