待ち合わせ
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 姉御 背後からの刺客
シンシア・ルフィン パワー系プリースト 姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら
ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ トゲ 魔法少女 倍返し
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
帰宅して寝床についていたが精神的に疲れているとはいえ、
砂丘に再び向かう事を考えていると中々寝付けず、
ふと目を覚ますとまだ早朝で外は次第に明るさを増している。
朝日を浴びながら軽い準備体操をして、
前回の反省を考えながら装備品を確認し、ポーションや毒消し、
麻痺薬などを多少大目に購入しておこうと決めた。
オヤジは漁師なので朝早く出掛けて行くが、
階下に降りると母が朝食の準備をしていたので挨拶をして
食卓に座ると、昨日の昼頃から妹はパーティの人達と出かけてるという。
”あちゃー 砂丘の山羊頭のところかー”
PTリーダーが根に持つタイプって言っていた事を
パンを齧りながら思い出していたが、正直あいつらのPTと
ダンジョンで出会うと色々面倒くさそうだ。
”出来るだけ戦闘に集中しなきゃ
頼み込んだマスターに失礼だしなぁ”
食事をしながら母にこれまでの経緯と砂丘へ行く事を説明し、
いくつかの果物をカバンに入れて、
街中の道具屋へと向かう為に家を出た。
朝日の差す街道を歩きながら、あいつ暗闇のデバブにしたら
距離感分らなくなって魔法撃ってこないんじゃとか考えて、
道具屋の主人に解毒薬やらと一緒にデバブを与えるアイテムも購入して
皆との待ち合い場所、盗賊ギルド前へ向かった。
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歩いていてギルドが見えて来るとすでに何人か先に待っていて、
挨拶をして確認すると、来てないのはアリッサとララの様で
この2人、どうやら一緒に寝泊りしてるとシンシアが言っていた。
”なるほど、まあ同じギルドなんだし
蒼の事が片付くまでは一緒なのだろう”
俺と先輩もたぶんというか蒼の件までは一緒だろうし、
そう思ってマスターの方を見ると、明らかに二日酔いで
うな垂れてグロッキー状態でマリアが傍で介抱していた。
「あの・・・大丈夫ですかマスター」
いつも威勢のいい姿しか見た事がなかったのもあって
酒で弱っているのが意外だった。
「あー、心配しないで大丈夫よ、身体から酒が抜けてる最中だから
ホント、見かけから酒に弱いとは思えないわよね」
微笑しながら話すマリアの言葉から察するに、
昨日、飲み会でもしたんだろう、酒が弱点なのは予想外だけど体質だしなー
「おっはよーっ みんなはやいねー」
唐突に声が聞こえたと思ったらアリッサ達が
こちらへ向かってくるのが見えた。なぜかリリィの姿もあるのだけど、
3人とも砂丘での暑さ対策の為か装備が変わっていた。
「おはよう、3人とも一緒だったの?」
「まーねー、アリッサちゃんから話しきいて
ヒマだし手伝っちゃおーって」
リリィは淡々と話しているが、ララに聞くと
昨日はアリッサの家でお泊り会をしていたという。
そこでアリッサの親父さんの話しを聞いてお手伝い組に加入と
「それより、あなた昨日お酒飲んだの?」
二日酔いで頭痛が酷いのか頭を抑えているマスターを問い詰めるララ
「ちょ、ちょっと待て、あと少しで酒抜けるから・・・」
見た目は完全に酔っ払いで呂律も怪しいが
今日、砂丘へ行かないといけない事は理解している様だ。
そのやりとりでララは呆れた表情でマリアにも事情を聞いていた。
「なーんか、頼りなさそうー」
人んところのマスターに辛辣な呟きをするリリィ
紫蜘蛛アレニェとの戦いを見ていたら印象は違っただろうけど
現状、ただの酒に酔った人にしか見えないだろう。
「というか、もう全員揃ってんのか?」
「居るみたいね、あんたの酒が抜けるの待ってるのよ」
片手で頭を抑えながらマリアに問いかけたマスターは
パーティ全員が揃っている事を確認すると、
顔を洗ってくると言ってギルドの中へ入って行った。
「あっそうだ、先輩。砂丘で戒律別になったじゃないですか、
地図にその場所書き込みました?」
確か初めて砂丘へ行った時に道具屋で購入した地図には
載ってなかったので中立の所を書き足していたのだが、
先輩のところ、混沌はどうなっていたのだろう。
「おー、回廊みたいな場所やろ、一応書き足したけど、
あの場所の完全版はまだないのとちゃうか」
そうか、秩序側で地図を持っていたのか分らないし、
ギルド内にもあるのかどうか・・・。と考えていると
マスターが勢いよくドアを開けて出てきた。
「くっそー、砂丘の奥の場所分らないから
座標飛び出来ないってよ、面倒くせぇー」
多分、この場にいる全員に向かって言ったのだろうけど
何の事なのか俺には分らなかった。
「そりゃあんた、未踏の場所の出来事なんだから
地図ないのは当然でしょ」
「もしかして、その場所までテレポートしようと考えてたの?」
マリアとララの言葉で理解できた。
あの蒼の洞窟の時に使った魔法だ、一瞬で目的地へ転移できる。
確かアルテミシアさんが使えるとか言ってたやつ。
「こんだけ大勢なんだぜ、そりゃそう思うだろ
あー、暑さの事考えたら余計に頭痛くなってきた」
2人に向かって言い返してるマスター
大勢っていう事はおそらく行軍になるのが嫌だったのだろうか、
あと暑苦しくなるっていうのもあるな。
「まあしょーがない、おい、盾とヒーラーはどいつだ?」
マスターの心の中で意を決したのか、
つい先程の発言から急に切り替わり俺達に問い掛けてきた。
「あ、はい、盾役は俺です、ジーンといいます
で、こっちが回復担当のシンシア」
「ジーンとシンシアか、あとそっちの魔法少女2人は?」
「アリッサだよ、で、こっちがリリィ」
まあ俺と先輩の事は知ってるだろうから、
ジーン達が軽く自己紹介した後、マスターは名前と
ロール(役割)をメモして戦闘経験などをいくつか質問していた。
「なるほどなー、盾1ヒーラー3近接3遠隔2か」
聞こえるか聞こえないか微妙な呟きだったけど、
マスターの口からヒーラー3?と聞こえたのに耳を疑ったが、
まだ酔ってるのだろうか・・・この人は
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。




