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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第一章 ー蒼の洞窟ー
4/345

ご安心くださいヒーラーさんは遅刻です

 蒼の洞窟:上層:推奨Lv3 下層:推奨Lv10 深層:推奨Lv25

碧水晶という鉱石が採掘できる洞窟でここの中層から山脈へ抜ける事ができ

下層に炭住街があり採掘人たちの休息場になっている。さらに下の深層には

かつて栄えたルアースの遺跡と呼ばれる古代の住民達が居た廃墟がある。



 午前中、パーティへの加入を承諾した俺と先輩は夕方からPT「パーティー」

リーダー達と面会する事になった。「達」というのはギルドの調整役も入る

ので各ギルドから今回の蒼の洞窟下層到達へ出向くPTメンバーとの顔合わせ

があるからだ。俺は先輩と町ブラや喫茶店で暇を潰した後、アルテミシアさん

と落ち合い場所で合流して、指定のレストランへと向かう事となった。


”丁度、日の傾く逢魔ヶ時と呼ばれる夕刻”


 店内の指定席でアルテミシアさんが他のギルドの方々と挨拶をしていると

赤色の髪に精悍な顔立ちにゴツい体格をした冒険者風の男が目に入って、

印象は俺より歳上で体を鍛えたり、動かすのが好きな真面目そうな感じ

嘘をつくと顔に出るタイプ、髪も短めで清潔感もあるからイメージは良い。


「で、こちらが今回同行するリティアさん

 蒼の洞窟の下層には到達経験があります。それと今回が初めてですが

 シーフとしての成長を期待されているリシュさんです」


 紹介され、先輩の隣で”借りてきた猫”状態の俺だったが、もしかしたら

コイツがリーダーなのでは?という予感が走り、顔合わせって経験の浅い者に

経験者が同行して、どんなサポートをすべきか考えを巡らせた。


「リティアさんはリシュさんの先輩にあたるので

 今回のPT参加で何かしら得るものがあるのではとお願いした次第です」


 恙無く俺たちの紹介が終わるとあのゴツい奴が握手を求めてくるので、

席を立って手を差し出すと”握手に力を込めてきやがる”

 相手は俺より身長が高く、180近くあるんじゃないだろうか。

向こうは軽く力を入れたつもりだったのだろうけど、体格差を考えてくれっ


「よく来てくれた歓迎するよ。俺はジーン、実のところ

 ウォリアーに転職して間もなくてね。経験者は有難いよ」


 体格のいい爽やか戦士風のジーンは先輩と握手をしながら妙に笑顔だ。

まあ先輩の性格を知ったら”その笑顔にはならんだろうけどな”

しかし、自分から転職して間もないって言ったのは予防線なのだろうか


「ふーん、あなたも経験者なんだ。まあどっちでもいいかー」


 そんな事を考えていると、奥の方から不意に聞こえてきた声の主は

薄い桃色髪をした小生意気そうな雰囲気で素肌の露出度が高い服を着た

10代前半の少女ともう1人”子供?”と目を疑うほど背の小さいローブ姿の

幼い女の子が隣同士で座っていて、少女の方が俺たちへ話し掛けていた。


「ダメよ、アリッサ。こういう場で失礼な事を口にしては」


 とても風体からは想像できないほど落ち着いた声で 言い聞かす様に言う

ローブのお子様。一体何者なんだ?ローブ姿なので魔法使いっぽいけど

年上に見えるアリッサに対する口調が子供ではなく、大人の様な物言いだ。


「あ、御免なさい。悪気はないのです。私はララ、こっちがアリッサ

 2人ともメイジギルドから参加しました。

 下層経験者がおられるのは嬉しい限りです。私も経験者ですが、

 アリッサが初めてなのでお手柔らかにお願いしますね」


 にっこりと微笑むお子様メイジにリティア先輩のツッコみが決まるかと

思ったけど、さすが先輩ギャップがあっても微動だにしてないぜっ

俺にはむしろ、メイジギルドって子供も入れるの?って聞きかけたのに


「まぁ、子供でも行けるほど安全ってことやで」


 言葉の節々に突き刺さるものがある先輩の意図を感じとったのか、メイジの

お子様経験者は表情がキッと変わり、立ち上がったけど身長が低いっ

俺が160センチなので130か、それ以下だ。とても経験者には見えない。


「子供じゃないですっ この姿はメイジの習得魔法の影響で弊害というか

 会得した者がいない未知の領域、だから解決法を探している最中で・・・あ」


 魔法に通じる者じゃないと理解しがたい事を早口で説明しまくってるが

少なくとも俺と先輩の表情はジト目になり、さすがに理解できない。


「あのー、1人足りなくないですか?」


 リティア先輩を含めた女子達がやんや言ってるのを尻目に

申し訳なさそうに言ってくるジーンの姿に悲哀を感じた僕。


サブタイトルへ

お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。


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