成功率50%
登場人物
リシュ・レミルトン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン パワー系プリースト
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら
ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ ヒヨコ
ジーン・トアロ 盾なしウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ー始まりの魔法陣ー
宝箱を前にした俺はピッキングツールを使い識別を行おうと屈んで確認を
始めた。感覚だと魔職のみに沈黙と麻痺を与える罠「マジカルブラスター」
※マジカルブラスター メイジやプリースト等の魔法職、または継承して
魔法を会得した者に麻痺と沈黙のデバフを数分間与える罠。耐性があれば
回避出来る。高レベル帯だとプリーストは特に沈黙耐性が重要になる。
チュートリアルではポピュラーな罠の仕掛けしか体験出来ないのだけど
この罠をミスると、魔法を継承した近接者もデバフを食らってしまう。
つまり、失敗すると俺以外の3人に被害が及んでしまう。ジーンが魔法を
扱うのを見ていないけど、アルケミストを経験してるし。魔法を使えそうだ。
「やっぱり、わたしが開けたーーーいっ、のっ!」
ずっとこっちを見て駄々をこねていたアリッサが声を荒げてきたので魔法を
使う者にダメージのある、こういった罠もあると説明したけど、本人は解錠に
自信があるのか、どこ吹く風状態。痛い目にあえば迂闊な事を言い出さなくな
るのかも知れない。と思った俺は底意地の悪い考えが浮かんできた。
「そんなに開けたいのかー、じゃぁやってみる?」
「うんっ 開けるー!」
すぐに解錠の事に食い付いたアリッサが宝箱へ向かって行使したスキルは
トラップリリースと呼ばれるメイジの補助系魔法。
魔職のみ使用可能な成功率が50%で宝箱の開錠を行う魔法で罠の識別を
しない為に運まかせ要素が強いと言っていたのだが・・・。
”プシューーーーーーーッ”
「へっ!?」
アリッサが吃驚した様な声を上げると同時に、魔法で開錠された宝箱から
緑色のガスが吹き出し、近く居た俺たちの方へ瞬く間に広がり視界が曇る。
辺り一面に充満していくのに気付いた時には、すでに手遅れ状態だった。
「こ、これはっっ」
※ガス爆弾 毒のガスを周囲に発生させる宝箱に仕掛けられた罠
”しかも風向きはこちら”
「だ、大丈夫かっ、あまり息を吸うとマズいぞ」
「よ、良かったよ。皆一緒で」
「あのさ、せめて巻き添えを食わせない様にしないと」
ジーンがパーティー全員に向かって確認を取っている中、アリッサさん
だけは別の様で、一緒に食らったのを良かったとか言いやがるっ
俺達は顔色を変えて顔色の悪いプリーストの解毒魔法を待つのであった。
”もはやネームドの呪いとしか思えねぇ”
◇
ーその頃のララ達ー
ローグの隠れ家から彼らが言っていた”閉ざされた扉”へ向かっている。
ララ達が細い道を歩んでいると、先導していた若いローグが何かに気づいた
様に声を上げ、リティア達を制する様に手を出して合図を送って足を止めた。
「うっそだろ。アイツら、もうここまで進んでいるのか」
ララ達が前方をみるとシャベルで掘られた土と大きな穴があって、
通り抜けるのに邪魔な位置取りになった残土を大雑把にどかして奥へ進んで
行った事が伺える状況だった。かなり急いでいる突貫工事に近い状況。
「ほー、あいつらってどこのヤツらや?」
「城のやつらだよ。爆破して崩れた後、掘ってココを調べてやがるんだ」
「へー、ってことはあの土砂崩れは近衛兵達がやったんかいな。
そこまでするとなると、なーんか有りそうや」
後ろで残土を眺めていたリティアがローグの男と話している。
洞窟内部に爆薬を仕掛けて、積み上げられた土を処理せずに進むという事は
近衛兵達に”何か理由”がある。魔力で閉ざされた扉に向かっているとすれば
調査の可能性があるけど、洞窟内にいる冒険者へ通知すらなかった。
「それだけ、此処には何か秘密がありそうね」
「とりあえず進みやしょう。目的が同じじゃなければいいのですが」
「どうかのー。ギルドに通知すらないって、かなり急な事情みたいやし」
先頭に先程からのローグ、次にリティアとララ、その後ろにもう1人の
ローグと細い道の奥を歩いていると、なにかしらの違和感を感じているのか
へるぴを抱っこしたままのララも慎重に辺りを見渡した。
すると、風に乗ってシャベルの音とガヤガヤとした人の声が聞こえてくる。
「やっぱり城のやつらですぜ。あの奥にあるのが扉だったんですが、
これじゃぁ見つからずに進めるかどうか」
目的とする場所の近くまで辿り着いたのは良かったが、今この場所は
兵士や集められた作業員で溢れ、広くしようと拡張されている最中の様だ。
ローグの言う様に、人目に付かずこの中を抜けるのはほぼ不可能だろう。
「と、とりあえず現場の人間に紛れて近づいてみますか?」
「そうやな。それが一番、不審者と思われへん」
男とリティアは休憩している作業員の道具等を手に入れた後、現場で
働いている風に紛れて接近しようという計画を立て、リティアがステルスで
盗んできた”ヘルメット等”を被り、奥にある閉ざされた扉を目指した。
「あっ、あれはマリア。どうしてこんな所に」
扉の近くにどうみても現場作業装備ではない聖職者の様な法衣姿の女性が
いて、色々と指揮を出している。その様子を見ていた4人の中でララだけは
その女性がこちら側へ振り向いた瞬間に顔を確認して驚きの声を上げた。
「なんやララちゃん知ってるのけ?しっかし凄い髪型やな
まるで何とか階段や、ナンやっけグルグルしとるヤツ」
「もしかして螺旋階段・・・いえ、スミマセン。ツッコむつもりは」
ララが驚いた人物はロングの髪をカールしまくりで束ね方が雑なのか
螺旋状みたいな仕上がりになってる女だった。どちらかというとララに
ツッコんで欲しかったリティアはローグの男にお前じゃないとジト目に
なったいた。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。




