状態異常で対抗するねん
登場人物
リシュ・レミルトン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン パワー系プリースト
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら
ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ ヒヨコ
ジーン・トアロ 盾なしウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ー始まりの魔法陣ー
蛇に睨まれたカエルってこんな気分なのかな?と思わず頭を過ぎって
しまった。液状だったスライムが固体っぽくなり、俺の3倍は体長がある。
見た感じ丸呑みタイプのモンスターに見える。俺たち食べごろ食材かっ
”何か足が遅そう。だとすれば、そうだ。デコイ「おとり」だっ
先輩なら囮を出して敵のヘイトをそこに向ける”
チュートリアルや戦闘イメージ、手合わせを思い出しながら考えてみたら
デコイが最もベター。先輩なら初手でヘイトを動かした後に、背面から叩く。
「あの壁の下にデコイ(囮)出すからっ、アイツが向かったら叩こう」
何かを察知してこちらの方へ向かって来ようとしているスライムの後方左奥
にある壁下へ向けて、煙状の範囲指定スキル:レベル1デコイを出現させた。
※デコイにはHPがありスキルレベルが上がるとデコイのHPも上がる。
10段階のスキルレベルがあり、Lv.1デコイだと1000程度のHPで
効果時間は30秒程。物理と魔法防御力。耐性等は皆無だが回復魔法を
受ける事で効果時間終了まで持たせる事が可能。使用者と同じ体温を持つ
デコイの出現でスライムは囮の存在に気付き、壁下の方へ向かってゆく。
ジーンはチャンスとばかり斧を振りかざして突進してゆくが、
シンシアとアリッサは見た目が嫌悪感を示すのか戸惑っていた。
海の生物で例えるとタコが移動するのに似ていて妙にウネウネしてるし。
「あれさー、目とか口とかあるのかな。見た目的になさそう」
「たぶん、丸っと呑み込むタイプじゃないかしら。消化器系が謎ですね」
「それってひと口ってこと?大きいんだねー。顎どうなってるんだろ」
後ろにいたアリッサとシンシアの会話から、アリッサが先導すれば
誰でも夏模様になるかも知れないと思った僕。
確かにスライムさんって目と鼻と口がない様に見えるから熱を感知して
行動しているのかも。顎はさすがにないっしょ、どーみてもっ
”顎があるなら歯もあるよな。魚の卵塊、いやカエルの卵塊っぽいわ”
そんな事を考えていたらデコイへの誘導が上手くいって幾ばくか
安堵しつつも、Lv.1なので余り間がもたない事も分かっていた。
持ってきた弓を構え、デコイに頭突きの様な攻撃をしてる
スライムの背面を狙ったが、接近しているジーンの斧攻撃が効いていない。
いやなんというか”ボヨンボヨン”していてまるで天然緩衝材。
頭っぽい所に弓を射るがやはりボヨンと返されてしまう。
”俺達のLVが低すぎて攻撃が通じてないかも知れない”
そんな最悪な考えが頭に浮かんだ。俺はまだしも、筋力のあるジーンが
全くダメージを与えれてない。
「くそぉ、いくら攻撃しても跳ね返される。一体何なんだこいつはっ」
斧を振り下ろして当たる度にポヨポヨいってるぽよウォリアー
そのあまりの滑稽さにシンシアとアリッサは噴出しそうになっている。
ポヨ音まで出るなんてピコピコハンマーで殴ってる感じに近い。
「もしかしたら、こいつは物理が無効なのかも知れない。デコイがもう
消えるからヘイトをとった後、距離をとって魔法で攻撃してもらおう」
「わかった、アリッサ達に説明頼む。その間にヘイトを取る」
言われた通り、俺はアリッサにジーンが離れたら魔法攻撃をする様に説明を
して、軽く頷いたアリッサが距離をとるスライムに攻撃しようと杖で構えたが
”え?あれ?何か魔法出るの遅いぞ。カニの時はそうでもなかった様な”
表情からアリッサが集中しているのは分かったけど、呪文ってないのか
子供の時、大道芸人風の旅一座が街へ来て、見にいったら何か言ってた記憶。
もしかしたら”演出”だったのかもだけど札みたいの使ってたんだよなー
「ふふふふ、充填完了。いっくよー!あったれーーっ」
よくワカランけど充填ってどゆこと?当たれって、外れるモノなの?
アリッサさんの言葉にツッコまずにはいられなかったがサッパリでやんス。
杖から炎の矢みたいなのが一直線に飛んでいって、スライムの背後に
直撃したが、飲み込むというより吸収されるように魔法の矢は消えていった。
※フレイムアロー メイジの初級クラスのスキル。杖又は掌から矢を放ち、
当たった敵にダメージを与える。スキルレベルに応じて数と威力が上昇。
「えーっ、消えちゃった。全然効いてないっぽいよー」
魔法を放ったアリッサは全く手ごたえを感じていない。というか俺も魔法が
どんなか興味があったので、弓を構えながら見ていたけど効いてなさそう。
「もしかしたらこの魔物。物理も魔法も無効なのかも知れないですね」
「ほんとー、それじゃ倒せる方法ないじゃん。どうしよう」
シンシアとアリッサの言葉を聞いた俺は、ふとチュートリアルで先輩が
嫌というほど口にしていた言葉を思い出した。
”いいか、リシュくん。無効のスキル持つモンスターにはな
状態異常で対抗するねん”
「状態異常・・・毒であれば内部から侵食するはず」
そう思った俺はモンスターでも空気は吸うはずと、毒の霧を起こす罠を
設置するために風の向きを調べ始め、位置取りに考えを巡らせた。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。




