古石の番兵
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの元騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
ふと、疑問になったことがあるのだけど、
さっき先輩はこの罠の仕掛けを「エヴリーヌの溜息」と言っていた。
なんでそんな名前なんだ?バフが付くからもっと別の名称でもいい様な。
このミッションを再受注するのに往復2時間くらいかかるので
昼にご飯がてら街へ戻ると言っていたからその時に先輩に聞いてみようかと
”エヴリーヌって人が最初に引っ掛かったから付けたとか”
「どう聞いても人の名前だしな、有り得そうだわー」
「あーあ、こんなバフがもらえるのなら装備ちゃんとしてくるんだったー」
「え?何で急にそんなことを?」
先輩とアニキは魔力回復の薬を作るのに勤しんでいるので
俺とアリッサとリリィは”アンベルさんを見てるだけ”なのも
何なのでアリッサと城の中を探索していたら急にそんな事を言い出した。
「だってさー、何か2階に強そうなの居るって言ってたじゃん
このバフあれば戦えそうじゃない?」
「う、うーん・・・どうだろう。アンベルが注意するくらいだからね
アデルって魔法を使えるの?それなら戦えそうではあるけど」
このところあの悪魔っ子の動向を聞いてなかったので探りを入れてみたが
アリッサだけはララとアデルの違いが分かるのも不思議でしょーがない。
「さあ、どうだろー。少し前にわたしに魔力をくれーって言いに来たけど」
「へ?魔力を?あ、あげたの?アデルに?」
どうやらアリッサさんの言い分では子供達が風邪をひいた時に
アデルも体調を悪くしてしまっていて、急いでる様子だったので
”姉”として困ってる妹の為に力を貸さないワケにはいかない、と
”ってゆうか悪魔が風邪ひくのかっ、本体がララの身体だしなー”
「そういえばララにも言われてたけど妙に姉妹関係にこだわってない?」
「あれだよー、アデルちゃんは妹だからね
アンベルちゃんとプラムちゃんも、だからわたしが一番偉いのだっ」
「えーと、その理屈でいうと俺も妹より偉いって事になるんだけど」
うっかり、そう全く何も考えずに口走ってしまった。妹のことを!
やべーーっ、そういやアリッサと仲良い友達だったんだぜっ
「へー、リシュくんに妹いたんだ。そういえば雰囲気が似てるなー」
「ま、まあね。あまり仲良くないけど、って、誰と似てるって?」
「パムちゃんだよ、砂丘の奥で戦ってた刀持った女の子、見てない?」
”見てました!女神像の裏に隠れながらだけどなっ”
「あの時は他のパーティーの人達も一杯いたからね。敵の魔法も凄かったし」
「そうだったね、でもあれだよー
ティアナさんのユニオンに誘うつもりだから逢えると思うよ」
「そ、そうなの・・・それはまた余計なこ・・・良かった」
えー、あいつもティアナのユニオンに入るのか、もうどっか別の所に
加入してそうだけど、あのムキムキの筋肉女がリーダーだっけ。
気の強さがティアナの数倍はありそうなんだけど、よくPT崩壊しないな。
「ねーねー、ちょこっと2階見てみない?ちょこっとだけっ」
クッ、油断ならねえっ、迂闊過ぎたわ。妹の事に気をとられていて
俺を階段の方へ誘導していたアリッサの歩み方を見逃していたのだ。
”さては最初からこれが目的だったな、こやつ”
「シーフには囮とか消えれるヤツあるじゃん、見てみようよー」
「ほんと怖いもの知らずだね。その好奇心はシーフ向きかも
と言いつつ、俺も怖いもの見たさがあるんだけど」
アンベルさんには近づかない方がいいと言われたのだけど
そう聞いたら余計に気になってしまうというタイプの人間がここに2人。
俺とアリッサは2階へ向かい、慎重に瓦礫が散らばっている廊下を進んでいた。
やがて1階への階段が見えなくなってきた頃、前方に妙な石像が並んでいる。
「大きい石像だねー。こういうのって城の前とかに置きそうなのに」
「それは彫像じゃないかな、庭とかに芸術品として飾ってそ・・・」
そう言い掛けた時、俺の目は確かに捉えた。石像が動いたのをっ
かなり大きい、俺の身長の2倍半はあるから3メートルは越えていて
甲冑を着た騎士の様な石像だけど両手剣を地面に突き刺す形で立っている。
「ちょ、ちょ、あ、アリッサ、あれ、動いてるっ」
「へ?どこ?」
アリッサには念の為に背後の様子を見てもらっていたのだが、
前方の石像騎士の握っている指がジワジワと動いて、剣の柄部分から
ボロボロと落ちる石屑は歳月を経て変色している。動いているのを伝えると
「おおっ、これ動くんだ!ゴーレムとは違うよね。どうなってるんだろー」
「いやそこじゃなくてっ、俺たち何の装備もしてないんだ、逃げなきゃ」
やはりこの娘の着眼点は軽く予想を超えてきやがるぜっ
ゴーレムさんなのかが問題じゃなく、こんなの相手に戦える状況じゃない。
急いで1階に戻らなければ、ここで女神送りとか街までいくことにっ
「デコイを出すからその間に1階へ向かおう」
「あのワニさんが食いついた囮だねー、りょーかいっ!」
どうもあのワニさんの一人芝居的な回転が気にいった様で
あれからやってーって言われたけど、さすがに拒否していたのだけど
石像の近くにデコイを出すと、驚いた事に他にも数体の石像が動き出した。
「えーーっ、マジか、こいつら他のも同じヤツなのか」
「んー、ちょっとヤバい?アンベルちゃんの所まで逃げようっ」
一体だけと思っていた。それが数体とは、この廊下酷い造りだ。
さすがのアリッサさんも巨大な石像が多数いるのに危機を感じて、
ダッシュで2人して来た道を戻り、階段の所で後ろを振り返ると
「ありゃー、あんなにいたんだ。何か怒ってるのかな?」
「う、うーん、どうだろ、不法侵入には違いないけど
あんなに居たとは、先輩達の所まで走るよっ」
”アンベルさんは魔力が強いと言っていたが、アレは違う、物理っぽい”
それにあの巨体だと動きはそう素早くないはず、そう思いつつ
俺はホケっとしてるアリッサの手を取って急いで階段を降り始めた。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。




