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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
201/345

灰銀の騎士

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

アデル  スイーツ系悪魔

アンベル スイーツ系小悪魔

ローレンス 泣きの元騎士

ウォーレン・ジーク 紫オーラ

あまりに衝撃的な事があると、人というのは息を呑んでしまい

思考が巡らなくなり、愕然としてしまうという事を知りました。

おそらくそんな体験をしても”声が出たり”するというのは

その人の持つ精神的強さか、何事にも動じないという仙人みたいな人だろう。


”いや、仙人でもいきなり天女がスパイダーウォークで現れたら驚くか”

※スパイダー・ウォーク

映画エクソシスト(1973年)での階段をブリッジしながら下りるシーン


◇ -屋敷内 午後 玄関前ー


昨日はあれから少し雑談した後に部屋に戻り、朝の掃除を終えて

午後からジーンと買出しに向かって戻ってくると、


「おい、あれ・・・シーフのマスターの人だよな」


帰りはジーンが御者だったので俺は風景を見ていたので屋敷内に入っても

玄関の前に人がいる事に気づかなかったのだけど、よく見ると


”うちのネームドマスターがティアナの前で片膝を折って跪いている”


「何か妙な感じだな、あの砂丘での人とは思えない。格好も違うし」


それを見た時の衝撃たるや、筆舌に尽くしがたいというレベルじゃない。

来る事は分っていた。金庫番の人達が来たから、いずれ来ると

しかしまさかティアナにあーいう風に接するというか挨拶?するとは・・・。

ジーンに話しかけられて我に返ってマスターの格好を見てみると

確かにシーフというより流れの吟遊詩人っぽい、帽子は手にしてるが


”ギルドではもの凄く気位の高い人なので、ギャップあり過ぎで

 何で?ティアナの前で跪いてるのって聞きたいくらいだ”


玄関前のティアナの隣にローレンスさん、ララ、リリィと先輩もいるけど

ローレンスさんは緊張してるのか表情が硬くなっていて

リリィと先輩は俺と同じで何て顔したらいいのか、ララだけは変わりない。


「初めてお目にかかります、私の名はウォーレン

 ここでお世話になっているシーフ2人のマスターであります」


「初めましてウォーレン、噂はローレンスから聞いていてわ」


「それは光栄で御座います。私がこの地へ訪れたのは

 掟を破ったギルドメンバーを戒める為、目が届かなかったとはいえ

 リバーガーデンで侵した行為の責任は私が必ず取らせますので」


マスターとティアナが何の話してるのか、俺たちの位置からは

聞こえなかったけど、会話をした後にティアナが右手を差し出すと、

マスターが同じく右手で軽く包み込む様にしたあと

口元付近を近づけ、優雅にさりげなくティアナの手を離したのは見えた。


”もうシーフじゃなくて、まるで本物の騎士の様な振る舞いだ”


「有難う御座います。それにしても大きくなられましたね

 私がラングフォード家で見かけた時の貴女様はまだ4歳くらいでしたか」


「えっ?」


な、何だ。急にティアナが驚いてマスターを見てるぞ。

あの状況から妙な事を言うとは思えないのだけど、どーしたんだ。


「あなた、私の家に来た事が・・・あっ

 ま、まさか、灰銀の鎧を着てた騎士団の」


「仰る通りです、その当時はロードナイトでしたので」


「じゃ、じゃあ、その隣にいた杖を持った女性って、もしかして」


”あれ、今度は信じられないといった表情でララの方を見てるけど”


「それが私なんだけどね。今はこーだけど」


おおよそ15年前。大魔司教として騎士団を率いて、各国の貴族達と

交流の場を持つ為に遠征していたララ達はラングフォード家を訪れていた。

当時のティアナはまだ幼く、交流の場には呼ばれなかったが騎士達と

それを率いている女性の姿を窓越しから見てはいた。それが目の前のちびっこ。


「しょーがないじゃないの、そんな顔しなくてもいいでしょっ」


「いや、なんていうかギャップ?よ。当時の記憶との・・・(ティアナ」


その女性は威厳さと高貴さを兼ね備えた若く美しいイメージだったが

ティアナの頭の中にあるのと、目の前の事でそれが一瞬で崩れてゆく。


「まあ、十数年前の事だったから驚いただけよ

 ウォーレン、あなた達の滞在を歓迎するわ。さあ、膝を上げなさい」


「あ、ちょっと待って、ついでに私にも(悪戯っ子っぽく笑うララ」


何だかワカランが今度はララが右手を差し出してるんだが

マスターはしょうがないというか観念した様にさっきと同じ仕草をした。


「懐かしいわね、こうしてもらうのも」


「ついでにって、まあ仲が良いって事かしら(ティアナ」


「まあまあ、何にしろウォーレン様が来られて良かったですぞ(泣きの騎士」


これは絶対、”後でララと揉めるな”と実感した僕でした。

しかしマスターの礼儀に対する姿勢は凄い。おそらくエストリアから離れて

レーヴェンベルクという国にいるワケだからだと思うけど・・・。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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