情報屋は靴磨き
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの元騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
現シーフギルドのマスター
初めて会ったのは金脈を探すのに莫大なお金が掛かるから
シーフになって様々な高額アイテムをトレハンして資金を貯めようと
シーフギルドへ加入した時だ。初めてジョブにつくので緊張していたが
手続きは簡単に進んで、ギルドの掟については威圧感満載で語ってくれたっけ。
”モノを盗むこともあるが、うちでは奪還のみだ”
マスターの言葉で、そう言われた事が記憶にこびりついている。
盗賊とは本来盗みを生業にする職である。
だけどこの世界では宝箱を解錠するのに必要な技術職であり、
奪われたモノを取り戻す依頼があった時だけ盗賊として奪う、いや奪い返す。
他人の金銭や財産を欲望の為だけに奪う盗人や泥棒を嫌い
過剰な暴力や脅迫の手段を行う者に対しては容赦なく懲らしめる。
盗賊なのにそういった行為を許せないというのが疑問だったけど、
マリアさんが言っていた育ての親にあたるシーフの人が
いわゆる”義賊”に近い信念の人だったのだろうか
「しかし何でリティアはそんな事を知ってるんだ?(ジーン」
「そういえばマリアさんが王都の守護者になるのを
断ったって言ってましたね。それと関係あるのですか(俺」
アニキの疑問は確かに、なぜ先輩はマスターが王都へ行ってるのを
知っているんだ。リーゼロッテさんが来たからだとしても
そういう状況を経験してないと分からない事だよな。
「マリアさんの話しはうちも知らんかったで、
まあ、犯罪者を捕まえるのに協力した事があるんや
その時に許しがいる事を話してくれてん」
「ならララちゃんなら色々知ってるんじゃない?
シーフのマスターの人と仲良さそうだったし(アリッサ」
「・・・あれが(楽しそうに杖で殴っているララを思い出すアニキ」
何度かシーフギルドに出戻ってるとは聞いたけど、
そんな事もあったんだと思っていたら、ジーンの表情がひきつっている。
”そういえば砂丘で睡眠ガスの罠に失敗した時にやたら後頭部が痛くて
目の前に出血したマスターいたけど、あれララがやったんだよな”
何というかマスターと一緒だと普段の落ち着いた感じじゃなくて
意地悪っぽい子供の様な。付き合いが長いからかもだけど・・・。
と思っていると、先輩が急に口元を抑えて俺にジェスチャーしてる。
「あっ!そういえばっ」
「へ?(アリッサ」「何だ?(ジーン」「どうしたのよ(アンベル」
しまったっ、声に出してしまったのでアリッサ達に聞こえてしまったけど
先輩が言いたいのはモグラちゃんの時に話したララの聴力が異常って事だ。
確かこの屋敷内なら全て聞こえるから気をつけろと微笑してたわ。
”その事をアリッサ達にも話した方がいいのか、いやマズいよな
ララの立場からしたら、知ってるのはごく一部の人の方がいい”
「え、あ、いや。子供たちって転移できるはずなのにしてないから
何でなのか気になってさ、バークレイル側に問題あるのかなって」
強引にアリッサの話しのブッタ切って舵をきった事になるけど、
みんなの後ろに座っていた先輩はセーフというジェスチャーをしてる。
やっぱりララの聴力の事だったんだ、聞こえてたよな多分。
「あー、その事か、確かに子供部屋にいるみたいだな」
「転移できる人だっけ、あれメイジのスキルだったらいいなー」
「・・・(お菓子を食べているアンベルさん」
良かった。話しの流れが変わった事に違和感を感じてない様だ。
アルテミシアさんが来たのに転移してない事は何で?と思ってたのか
「それなら知ってるで、問題の孤児院にまだ子供がおるかも知れんから
リーゼさんが調べてるって、まだおるなら全員の方がええやろ」
「なるほど、そういえばそうですね。
あの子達以外にも孤児院に残ってる子がいるかも知れない」
それに、すでに何処かへか連れていかれた子供達もいるはず、
そういった事もリーゼロッテさんは調べているのだろう。
「しかしあの小柄な人は一体どこから情報を得るつもりなんだ」
ジーンが考え込む様に話し出したが、調べるといっても
情報源は必要だよな。こういった場合、直に孤児院に忍び込んで
確かめるのは確実になってからだと思うけど、どうやって調べてるんだろう。
「それはあれや、”コレ”で情報を流してくれる人を探すんや
だいたい靴磨きしてる人が多いで、色んな人と接するから」
コレっていわゆるマネーの事だよな。お金で情報を買うのか
でも靴磨きって意外だ。革靴やブーツを磨いてる人というか職人?
のイメージでバークレイルでも見た事あるけどエチケット的な感じで、
戦闘系の装備だとあまり関係ないからスルーしてたけど情報屋だったんだ。
※参考元 フライング・コップ 知能指数0分署(1982年)
「そういえば有力な情報は”コレ”がつくって前に言ってましたね(俺」
武器強化の事を聞こうとしたら先輩にそう言われた事を思い出した。
情報は買うモノだって事かっ、それが有力かどうかは別にして
「それはあれやん、ヒントは教えたやんかー」
「ん?ヒントってなんだ?シーフ関係の話しなのか?(ジーン」
んー、話しの流れを間違ってしまった感。
でも隠す事ではないと思うので物理攻撃でジーンを超える方法として
武器を強化する手段があると聞いてそのやり方は有料になるけど、
武器が光っている人がヒントになる事をジーン達に説明した。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。