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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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2人だけの秘密

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

アデル  スイーツ系悪魔

アンベル スイーツ系小悪魔

ローレンス 泣きの元騎士

ウォーレン・ジーク 紫オーラ

アリッサから魔力を得たアデルちゃんは急いで秘法を行おうと考えていたが、

トイレへ向かう途中で足りないモノがある事を思い出してキッチンへ向かった。


”着ているのが長袖で助かったが、傷はブツけた事にせねば”


ジェフリーからタオルとマドラーを1つずつ貰うとトイレに行って中に入り

誰も来れない様に鍵を掛け、洗面台の上に聖水と露のビンを並べて置くと

深呼吸をして証の解放を行う為に、目を閉じて瞑想する準備を始める。


砂丘の奥で復活した直後のアデルちゃんは悪魔としての証があったが

リシュ達が見たタトゥーがそれで、ララとの交渉によりアデルちゃんは

悪魔として魔力を使った悪さなどをしないと誓い、証を自分で封じた事で

現在のララとの”魂の同居生活”の様な事を許されたのだ。


それを破る行為ではないにしろ、あの姿をシンシアやアリッサに

見せる事に抵抗があった。ララは就寝中であるので気付かれても

その時はその時、ララだってまた病魔に侵される事は嫌がるだろう。


”シュゥゥゥゥゥーーーーーーー”


宝箱が開いた時、冷たいドライアイスの様な霧状の靄が現れてきた様に

紫色の煙となってアデルちゃんを包んでゆくと、身体中にアラベスクに

似た模様とルーン文字が現れ、悪魔としての力を解放させた。


「さて、え・・・これがワシかっ!」


聖水やらを置いてあるビンを手にしようとしたアデルちゃんは

洗面台の鏡に映った自分を見て、口の端から申し訳なさそうに

少しだけでてる牙と頭から生えた小さい角を見てショックを隠せない。


「これは、絶対にアンベルには見せれんな。風邪で苦しんでるのに

 この姿がトドメの笑い死にとか呪われかねん」


風邪をひいて頭が痛いと言っていたアンベルは話しかけないでと

そっけなかったが、アデルの本来の姿を知っているからアリッサの妹と

聞いた時に腹を抱えて爆笑していた事を思い出した。


「いかんいかん、あまり時間はないのだ。さて」


左腕の袖を肘まで巻くったアデルちゃんは”ガブッ”と前腕部を噛んで、

指を伝って血が聖水に水滴の様に落ちると、次第に聖水の色が緑色に変化し

念のために多めにと血を3滴ほど聖水に落とすと、素早くタオルで傷口を

拭いて巻き付け、次にシンシアが集めてきた瓶の中の露を全て聖水へ流し込むと

淡い緑、元は透明だった聖水の色が鮮やかで透き通る様な青色に変わり始める。


「よし、これぐらいで良いだろう

 透き通るような青い海の様な色となれば問題ない」


持ってきたマドラーを聖水の瓶に入れたあと軽く混ぜて、取り出した

マドラーに付着している超薬部分を舐めると、あれだけ苦しかった症状が

すーっと消えていき、全く身体に熱っぽさ等の違和感を感じなくなった。


「ようやく出来たか・・・この傷はシンシアに治してもらうとして

 他の子供たちにも舐めさせねば」


どこから感染したのか分らない以上、症状のある子供たちにも

超薬を舐めさせるべく、元気になったアデルちゃんは部屋へと戻り

シンシアへ説明しようと近づいたら腕に巻いたタオルの事をツッコまれ


「これは、あれだ。熱でボーッとしてて派手に転んだだけだ

 シンシア、治癒魔法で治してくれ」


「どう転んだら、こんな穴が開いた跡みたいになるんだろうね

 アデルちゃん、何か隠してるでしょ?さっきより元気そうだし」


どう説明しようか迷っていたアデルちゃんだったが、シンシアが何故

隠している聖水瓶の事を分ったのか不思議で、そう言いながらも治癒魔法を

行使している姿を見て”聖魔の秘法”の事を話してもよいかと思った。


「く、薬があるのだ。これは人間界には伝わらぬ

 憑依した者が病に陥った時に使う悪魔側の秘法。

 これを子供達に舐めさせるのだ、それだけで病は消える」


そう言ってアデルちゃんは聖水瓶とマドラーをシンシアに手渡すと


「わあ、綺麗な色。これ聖水だよね、だから露を集めてって言ってたんだ

 こんな薬が人間の間に知れたら大変な事になるよ。

 あ、今は私だけか、ありがとう、内緒にするからね。2人だけの秘密」


「・・・そう言ってくれると助かるのだ。

 さ、あのティアナという者が氷を取りにいっておる内に」


アデルちゃんにとってこの秘法の事をシンシアが

秘密にしてくれた事がさらなる信頼を寄せる事となった。

病を治せるとなれば人間界で争いの種となるだろう。


シンシアが子供たちに超薬を舐めさせている姿を見ながら、

そういえばララのヤツは方法を考えてなかったのだろうか?という

疑問が湧いてきた、わざわざバークレイルへ移すくらいなのだし


”妙・・・ではあるな、死にかけの子供を前にしたら

 さすがに手を打つヤツだと思うが、どうしようもない病だからなのか”


◇ -その頃のリシュ達は馬車の中だったー


先輩達、全然風邪になってる事を話さないけど忘れてるんじゃ・・・。

いま屋敷へ行ってもティアナが子供部屋に入れてくれるかどうか


「あの、先輩。屋敷にいる子たちって風邪でダウン中ですよね?」


「あーーーっ、そういえばそうやったな」


「どうしよう、プラムちゃんにうつる可能性あるし会わせてくれるかな」


やはり、忘れてたんかいっ、今の子供部屋は病原菌の宝石箱と化してるぜ。

プラムの見た目は3歳くらいだし、間違いなく免疫力と生気がなさそうで

部屋に入った瞬間に風邪になりそうなんだけど”元”の可能性あったわ。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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