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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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聖魔の秘法

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

アデル  スイーツ系悪魔

アンベル スイーツ系小悪魔

ローレンス 泣きの元騎士

ウォーレン・ジーク 紫オーラ

ローレンスさんにレニーからもう1人女の子が居た事や

吸血鬼の可能性があって疫病の元になっているのかも知れない等を

伝えると馬車を出すのを承諾してくれたが、本人はティアナから薬剤を

調合する様に命じられていてジェフリーと共に子供達用の塗り薬を作っていた。


咳きの酷い子が双子の姉妹とアデルの様で医者から必要なモノをメモった

ティアナがローレンスさん達に頼んでいて、ローレンスさんはペバーミント

をすり鉢で液状になるまで潰していて、ジェフリーはテレビン油、ユーカリ油

ナツメグ精油、杉葉油の分量を量り、医者から指示された分量に分けていた。

なんでも身体をリラックスさせ呼吸が深くゆっくりになり、鎮静させる作用に

優れているという。※ヴィックスヴェポラップ的な効能のある薬を作成中※


”アリッサも食事時にいなかったのだけど、リリィと交代で屋敷裏で

 氷製造に励んでいるという。一体どんだけ作るつもり何だ・・・。

 部屋ごと冷房というか涼しくなる様にしてるとか、ありえるわー”


「リシュくん、準備ええか?シーフ装備にしたんやろな?」


あの洋館にまだ無法者達がいるかも知れない事を考えて戦闘系の装備で

行く事に決めた俺たち4人(先輩、ジーン、リリィ、俺)はそれぞれ部屋に

戻って着替えた後、玄関前で待ち合わせをしていたのだが、先輩が一番早くて、

もう待っていた。着替えるスピードが異常だよな、このお方。


「ええ、俺は大丈夫です。それよりランタンとか

 持っていった方がいいですよね。灯りないと・・・」


「そやなー、どうなっとるかワカランし、持っていこか」


砂丘でマスターが使った様なスキルを持っていれば問題ない事なのだけど

もう日も暮れているし、あれはどのジョブのスキルなのかも分からない。

灯すと人目に付くけどあの時は満月だったのもあって明るかったんだよな。


「悪い、遅くなった(ジーン」「私も、装備品選んでて(リリィ」


先輩とランタンの話しをしているとジーンとリリィも装備を整えて

来たので、満月の時の様な明るさじゃないから灯りを持っていこうと伝えた。


「確かにそうだな、俺は馬車を動かしてくるから灯りは頼んだ。

 リティア、場所を覚えているか?」


「オッケーやで、高原の上辺りまで行ければ場所は分かる」


「そういえば、アンベルは何してるんですか?

 あの蝶娘。いや、アンベルさんがいれば心強いんですが(俺」


そう言った俺の顔を見て”真顔”になるジーンのアニキ

アンベルの魔法のヤバさを一緒に経験してるから、連れて行ったら

頼もしいけどヤバい事にもなりそうという表情だ。


「アンベルならシンシアの部屋で寝てるんちゃうか

 専用の寝床を作ってもらった様で気に入っておったで」


「そ、そうなんですか、眠る事があるんスね」


「それに屋敷に居てもらった方がええで

 ローレンスさんも子供達に付きっきりやし、警備が手薄になってまう」


あー、そうか。無法者達がいなくなった子供を探してるとしたら

この辺まで来るのは確実。ティアナの屋敷内だから様子見してるのだろう。


「なるほど、分かりました。俺、ランタン取ってきますね」


備品として蓄えられているランタンは屋敷内1階の奥に

倉庫みたいに使っている部屋が2つあって、その中にあるので

俺はそこから人数分を手に取ってジーン達のもとへ向かった。


「じゃ、行くぞ。まずは高原辺りだな」


林道から外れた所にある高原まで、馬車なら10分もあれば着くだろう。

問題はそこから山の上になる事だけど、とりあえず高原を目指して

俺たちは馬車に乗り込んだ、レニーの言う女の子を見つける為に。


◇ -リシュ達が出発した直後 子供部屋ー


風邪とはどういう病気なのかララに聞いていたアデルちゃんだけど

”いま苦しんでるのがその状態”としか答えてもらえず、

聞き方を変えて、大人は感染しないのかとか、子供だから風邪を

ひきやすいのかとか、あの手この手で情報を聞き出そうとしていた。


”まあ、子供の内は体内の免疫力が低いからしょうがないんじゃないの”

”免疫力?それは病に抗う力の事か?”

”そうなるわね、もう私眠いから、ちゃんとシンシア達の言う事を聞くのよ”


自分の身体の事なのに寝てれば治ると言った感じのララの言葉に

ムカついていたが、免疫力が低いからというのがアデルちゃんにとって

秘法を使うトリガーになってしまった、子供の内は免疫力が低い。


”という事は、またこんな辛い目にあう、それは絶対に嫌だっ”


人間界には伝わらぬ悪魔のみが使える聖魔の秘法。

憑依した人間が病に侵された場合、大悪魔クラスが使う秘法である。

聖水と露と悪魔の血を混ぜる事によって、どんな病も回復する超薬となり

子供であれば小さめのスプーンに浸して舐めるだけでも効果があるだろう。


”聖水はシンシアが持っているとして、露はアンベルに頼むか”


リバーガーデン行きの船内でシンシアと一緒だった時に

どんな本があるのかシンシアの鞄を調べていたら聖水があるのを見つけた

アデルちゃんは何故持っているのか聞いたのだが、シンシアがプリーストで

念の為に入れてある事を知ったら、幾つか質問して聖水の事は放っておいた。


”クッ、アヤツめ、反応せんという事は眠っておるのか”


使い魔であるアンベルとはテレパシーを通じて意思疎通が可能だが

呼びかけても反応がない。起きていれば文句1つくらい言ってくる奴である。


「ほら、アデルちゃん。これ塗るから胸元開けるよ(シンシア」


「なんだそれは?先ほどの医者が言っておったモノか」


「そうだよ、呼吸が楽になる薬だよ。アデルちゃん熱より咳きが酷いから」


ローレンスとジェフリーが作った塗り薬をシンシアが手に取って

アデルちゃんの胸辺りに優しく塗っていると、アデルちゃんはシンシアの手が

妙に傷ついている事に気づいて氷ばかり触っていたからだと悟った。


”病気になるという事は色々、迷惑をかけてしまうものなのだな

 ワシだけではなく、感染源が解らぬなら多めに作っておかねば”


  -その頃、リシュ達は高原近くまで進んでいたー


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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