この時期の風邪ですか
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの元騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
俺とアニキと先輩がその異変に気付いたのは、
ローレンスさんが慌てた表情で玄関を駆けて行き馬をひいた所だった。
聞けば、レニー以外の子供たちが風邪でダウンしてしまったという。
レニーはローレンスさんと一緒の部屋で過ごしていたので感染しなかったのかも
「この時期の風邪ですか、夏風邪だと長引くんですよね」
「子供は免疫低いからの、深夜に外出てもーた。あの時やろな」
雨も降ってない満月の日だったんだけど、そのぐらいの日でも
子供は風邪をひいてしまうモノなのか・・・。
俺もあの子くらいの時に酷いのを患ったけど、どこからか記憶ないんだよなー
気づいたら体調が変で、しかも近くの家の子とかも同じ症状だった。
”いま思うと謎過ぎるぞ、どこから感染したんだ”
「私は急ぎ、町医者のもとへと行ってくる
お前達も子供部屋へは近づく時は気をつけるのだぞ」
そう言ってローレンスさんは町へ馬を走らせて行ったが
病気ってそういえば治癒魔法じゃどうしようもないんだよな。
体を中から蝕む病原菌には効果がなく、毒は外部から食らうので内部ではない。
「これは俺たちも急いで、シンシア達に加勢した方がいいな(ジーン」
「そやな、診てる方にうつってもーたら、さらに大変になるで」
よく知らない街で病気とか怖すぎるわっ、これがバークレイルなら
医者行ったあと錬金術を修練した者がやってる薬剤屋で何とかなるんだけど
そういや薬剤屋も増えたよな、うちの街。戦闘系の薬屋とは別になってて
分かりやすく、まず看板が違う。あと店の雰囲気、妙にメルヘンチック。
”どうにか夕飯どきまでには片付けようと荷を運ぶスピードを上げて、
看護に当たっているシンシアを手助けしようと3人で考えていた”
◇ -屋敷内 子供部屋ー
風邪をひいた子供達はベッド1つ分、離されていてアデルちゃんから
他の子供は見えにくかったがどうやら双子姉妹のルピタの方っぽかった。
”しかしこの氷枕というのは気持ちが良いな、ボーッとするが”
シンシアが用意してくれたのは長方形のゴム製でその中に水と氷を入れて
ある様で、後頭部にひいているがヒンヤリして気持ち良かった。
どうやらリリィが屋敷の外で氷魔法で発生させた塊をティアナが砕いて持って
きているみたいで部屋の中のタライには氷が一杯ある。
”何故、病になったのか解せんがララのヤツはまだ寝ておるのか”
アデルちゃんはこのシンドサから抜けようとララと代わりたかったが
元の人はシエスタ中で意識が寝ているので話しかけてもムダだった。
”この病はこれ以上酷くなるのか、治癒魔法で可能ならシンシアが
治しているはず・・・。だんだん呼吸もキツくなってきたぞ”
数百年、外界とは無縁だったアデルちゃんにとって憑依した者が
病に陥るのは初めての事で、しかも子供の身体なので分からない事
ばかりだったが、このままではマズいのでは?と思い始めている。
「ほら、アデルちゃん。これを額に置くと気持ちいいよ(シンシア」
タオルを氷水に濡らして絞ったモノを額に乗せられると
ボーッとした感じが楽になってきたが、今度は咳きが出て喋ろうにも
呼吸がキツくてシンシアに風邪とは何なのか聞きたいがムリだった。
”どうしたのよ、アデル。何か妙に体が熱っぽいんだけど”
”おおっ、目覚めたか、では早速代わってくれ、耐えるのに疲れたぞ”
ちょうど夕方17時前になろうとしていた時、シエスタから目覚めたララは
体が熱っぽい事を感じていたが、アデルがまた何かしたのかと勘ぐった。
いつもならララの方から代わってくれと言うのに、アデルから言った事に
違和感を感じて、耐える?とか何の事なのかアデルに聞き返した。
”ワシもよく分からないのだが、アリッサは花粉症やらアレルギーだと
言うし、シンシアは風邪だと言う、何の事だ?病なのか?”
”え?あなたいま風邪をひいているの?私が眠る前は大丈夫だったのに”
アデルちゃんはララが眠った数時間あとくらいから体が妙に疲れやすくなり
鼻もムズムズするのでアリッサに聞いたら花が多いから花粉症だと言われ、
シンシアに治癒魔法で治るのか聞きにきたら風邪だと言われた事を告げた。
”なるほどね、子供部屋で寝泊りしてたから他の子から感染したのね”
”そんな事はどうでも良い。早く代わるのだ、元々はお前の身体じゃろ”
アデルちゃんがそんなに代わりたいと言うのは”かなり辛い”と判断した
ララは人間の子供に憑依してしまった、いい経験だと言って拒否したのだが
”おまえ・・・分かっておるのか、病には戒律の女神は干渉出来んのだぞ”
”知ってるわよ、病と運命に紐付けられた事はどうしようもない事くらい”
”ならそんな事を言っておる場合ではなかろうて”
”本当にそうかしら?この病を治さないと街でお菓子を食べれないわよ”
ララの物言いに何かしら妙な感じがしたアデルちゃんだったが街へ
お菓子を食べに行くのが楽しみで仕方も無かった。そこをララは突いてきたの
だが、もしかしてこの小娘。秘法の事を知っておるのかという疑念が湧いた。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。