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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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花粉症じゃない?

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

アデル  スイーツ系悪魔

アンベル スイーツ系小悪魔

ローレンス 泣きの元騎士

ウォーレン・ジーク 紫オーラ

俺たちが屋敷に戻って来たのは丁度、昼前になる頃だったろうか

荷馬車を資材置き場前に留めてローレンスさんが調達してきたものを

確認していると、これが何で必要なのか分からないモノまである。


”食材や日用品とか分かるけど調度品って、どこ置くんだよっ”


アンティークな物なら玄関から一杯飾られているのに、まだ足りないか!

飾り用の花も多いけど、種って・・・。いまから植えるんか、これ。

そんな事を考えながら荷物を運ぶ準備をしていたら先輩が手伝いにやって来た。


「どうしたん?ジーン、15R戦った後のボクサーみたいになってんで」


※世界タイトルマッチは1983年から12Rに変更になった様です。

映画ロッキー(1976年)の最終が15Rだったので15Rにしました。


「いやそれが、まあ、色々あって魂抜けてる状態なんですが」


パチモンというのに完全に打ちひしがれているアニキを見るに忍びないので

先輩に成り行きを説明すると、納得したような表情だったが


「元気だしーな、マスターが来たらうちらも一緒に話してみるけ」


”ん?うち・・・ら?俺も入ってたのか、まあ一緒に話すつもりだったけど”


「・・・ああ、いや悪いな。気を使わせて

 何ていうか高価なモノだけに見る目を養ってなかった事で落ち込んでてな」


「まあ、気持ちは分かるけど相手によっちゃ目利きの人でもムリやで

 バレたら犯罪やし、細工するのに人生賭けてるからの」


「そうなのか、そう考えると怖いな。貴金属の世界」


先輩の言ってる事はあくまでもバークレイル、いやうちのマスターが

管轄してる場所だからエストリア全般といえるか

イミテーションやらは認めてるけど、問題はそれの使い方だ。

例えキックバックがあったとしても騙す様なマネをしていると判断したら


”捕まえて王都の刑務所送りだ、被害が多いと戒律とスキル剥奪

 戒律が剥奪されるって事は復活不可能、霊体になれず魂の消失”ロスト”

紛い物ならその事を示した上で買い手が承知していれば問題ないだろうけど”


「一番は信用のおける店を見つける事だよ、なんなら紹介してもうとか」


「まあ、紹介してくれるんちゃうか迷惑料込みで」


荷物を運ぼうとしている先輩がそう言った時、俺の頭にある事が浮かんだ。

そういえば俺たち、砂丘に行ったメンバーってマスターからお金をもらって

いるよな、1人3千ゴールド。しかしそれ使う様な状況になってない・・・。


”どうするつもりなんだっ、ティアナの所でタダってバレたらヤバいぞ”


これはみんなで裏を合わせていた方が、いや1人だけ絶対ダメな人がいた。

ローレンスさんだ、うちのマスターとかなりの仲で尊敬してる様だし

ララもマズそうだけどマスターが苦しむのを嬉しそうにしてたからイケる。


”そう考えるとワケのワカラン人達だよなー、昔パーティーを組んでたって

 マリアさんが言ってたけど誰がリーダーだったんだ?”


「なあリシュくん、この調度品とか肥料とか何処に運ぶんや」


「肥料は資材置き場でいいと思うのですが、調度品は玄関の中にって

 言ってましたよ、場所はティアナが決めるんじゃないですか」


「あんなに沢山あるのに、まだ飾るんか。見栄っ張りやなー」


そりゃ、あれ見たら俺と同じ意見になるわな。

玄関内だけでどれだけ花を飾るつもり何だ。フラワーショップか!


◇ ー昼食後 庭園 ララ、シエスタ中ー


午後15時くらいになるとアデルちゃんは自分の体が妙に

疲れやすい事に気付いた、あと鼻水が止まらなくて呼吸がしにくい。


”なんだこれは、人間の体というものは成長時にこうなるのか”


ララは何も言ってなかったので妙だな?と思いつつも、動く度にしんどい。

アリッサは少し離れた所で種を撒いたりしてるので、人間だとこういうもの

なのか聞いてみようと重い足取りで向かうと、


「あれ?アデルちゃん、何か顔が赤くない?」


「そうなのだ、妙に体が疲れやすい。あと鼻がムズムズする」


「あー、もしかしたら花粉症じゃない?花ばっかりだし、ここ」


花粉症?聞いた事もない単語に何の事か全く分からないアデルちゃんは

どういう意味なのかアリッサに尋ねたが、何故花が関係あるのか謎だった。


「あれだよー、花粉が鼻の中に入ってアレルギーになるんだっけかな」


「まったく解せんが、それを鼻から吸い込んだからこうなってるのか?」


「・・・たぶん、目がかゆくなったり、くしゃみ出たりしてない?

 シンシアの所へ行って魔法で治せるか聞いてみた方がいいよ」


アレルギーとはなんぞや、と聞きたかったがアリッサでは分からない様で

アデルちゃんは赤ら顔のまま、屋敷内の子供部屋へと向かった。


”治癒魔法で治るものなのか、それだったら問題ないが”


子供部屋へ行くと妙な感じがした、いつもなら騒がしいのに静かだ。

シンシアとティアナが2人でベッドにいる子供を看護しているし


「おい、シンシア。体が変なのだ、アリッサが言うには

 花粉症というものらしいが魔法で治るのか?」


「えー、アデルちゃんもなのっ、顔が赤いよ、熱があるでしょう」


「これは困ったわね、ローレンスに医者を呼んでもらわないと」


何だかよく分からないが、どうやら体調が悪いのは自分だけじゃないらしい。

部屋を見るとレニー以外の子供達はダウンしてベッドで寝ている。


「花粉症とかいうヤツじゃないのか?

 外にいなかった子供まで病に伏しているのは妙だと思うが」


「いいから来なさい、やっぱり熱があるわね

 シンシア、この子にもうつっているわ。氷枕を作って頂戴」


「深夜に外にいたりしたから風邪をひいていたのよ

 症状が出るまでは個人差があるからアデルちゃんにも熱が出てきたの」


何だっ、花粉症とかアレルギーとか風邪とか色々名前が変わったぞと

思いながらも、おでこに手を当ててきたティアナに強引にベッドへ

連れて行かれ、そのまま動き取れない様に寝かされたアデルちゃんだった。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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