悪魔の占い師
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの元騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
先輩が本能には勝てんやろって言ったのは”食欲”の事だったんか、
そういえば12時間くらい食べてないと餓死するんだっけ・・・。
普段どんだけ動いてるんだモグラちゃん、アクティブ過ぎるだろ。
水が補給できなければ、人間は3日で死亡するって言われてるけど
それよりはるかにハードな生き様だよな、12時間しかないなんて
「おっ、ほら、ミミズに気付いたで」
本当にあのウネウネが好きなのか、モグラちゃんは匂いを嗅ぐ様な仕草を
して探しながらララから離れてミミズの方へ向かって行く・・・と
「ララちゃん、今や、うちの背中に捕まりーな」
「ちょ、何するのっ」
「何って、あのモグラ匂いに敏感なんやろ
ララちゃんの後を辿って来られると困るから匂い消す為やんけ」
うわぁー、あれ食べるんかと見ていた俺の横で先輩が屈んで背中に捕まれと
言っているが、ララからしたら意味不明な行為だった様で先輩の意図を聞いて
おんぶされる様に背中に掴まって、俺たちはこの場から立ち去った。
「気を使わせちゃったわね(ララ」
「ええねん、野生の子やしな。だけどあの辺行く時は気をつけーや」
「しかしフードファイター並みにガッツいてましたね。あのモグラ・・・」
ミミズをバクバクしてた姿に山の生物怖ぇーと思いながら庭園から離れて
屋敷の裏手を知っているという先輩と一緒に裏口から中に入った俺たちは
いちおー口裏を合わせておいて、明日の事もあるので部屋へと戻った。
◇ -次の日 早朝ー
5時半くらいに目覚めて執事服に着替えたあと、6時少し前に2階の居間へ
行くとローレンスさんやジーン、ジェフリーがもう来ていて、
俺とジーンは昨日と同じコースでアプローチと呼ばれる道の掃除から
「では、頼んだぞ。あと今日は街へ買出しへ出るので
馬車も準備しておいてくれ」
おおっ、着いてから風景しか見てなかったけどついに街を歩けるのか
しかし馬車ってどう準備するんだ。アニキが知ってればいいのだけど、
そんな事を考えながら玄関から門までのアプローチ道の掃除に取り掛かった。
「そういや顔がすごく疲れてるけど、よく眠れなかったの?(俺」
ジーンのアニキは何ていうか顔がむくんでいる感じがして、
昨日より疲れている様な、まだ起きて間もないから頭が回ってないのかも
「いや、実は昨日、アリッサ達とモグラを捕獲する罠を
仕掛けていたんだが、思ったより時間が掛かってな、寝たの3時近くだよ」
「へ、へえー、そうだったんだ。そういえば罠で捕まえると言ってたね」
実はあの後、先輩に呼び出されてステルスを駆使して見張っていたんだが
ララ達とモグラちゃんを運び終わって裏口から屋敷に入ったあと、
30分くらいして1階の居間からアリッサ達が出て来て庭園へ向かうのを
気配を殺して観察していて、木を使って罠を作ったりしてるのが分った後
人参で誘き出そうとしてるのを見た俺達は、これは大丈夫だなと部屋に戻った。
「何というか、思ったより罠に使えそうな木がなくてな
選んだりするのにも迷っていたから、あれだ、女がモノ買う時に似てる」
「あー、あれか、ウィンドウショッピングしてる感じか?」
なんとなく言わんとしてる事は分かった。ジーンも俺も買いたいモノって
ある程度決めてから行動を起こすタイプだ。
歩いて流し見買いというか用もない店に行く事はまずない。
”アリッサとリリィがいたからなー、ジェフリーはマイペースだろうし”
「まあ、罠は仕掛けたから、後はアリッサに任せるよ(ジーン」
◇ -その頃の庭園組 ララとアリッサー
昨日と同じガーデニング道具を持って歩いている2人はアリッサ達が
仕掛けた罠を見てみようと木がある庭園の奥の方へ向かっていた。
「ありゃりゃ、なーんもなってないやー」
「ジーン達と仕掛けたんでしょう?そんなにすぐには掛からないものよ
魚釣りだって忍耐が必要なのだし」
「それはそうだけど、うーん。人参が悪かったとか」
モグラちゃんが居た穴の近くから罠の所まで人参が散りばめられているが
一切の食べた形跡がなく、昨日は顔を出していたモグラちゃんの姿もない。
「どーしたんだろ、昨日は穴から覗いてたりしてたのに(アリッサ」
居るのか確かめ様と穴だらけの場所の近くで姿を探し始めるが
昨日と違って気配さえない事にアリッサは心配そうな表情になってきた。
「安心しなさい。動物というかあのモグラには縄張りというのがあるのよ」
「縄張り?ララちゃん、なんなのそれー」
アリッサの質問に対して、アリッサだって部屋の中にいてお腹が空いたら
食べ物を探して家の中を見てみたり、さらには街へ行くでしょう?と
話しかけ、最初のアリッサの縄張りが部屋だとしたら食べ物を探して
家の中、さらに外へと広げていく事を縄張りと説明したが、
「なるほどー、確かにそうだねーでも、あのモグラちゃん
他のモグラと出会ったらどうなるの?」
「まあ、相手のモグラ次第でしょうね。
縄張りを巡って喧嘩になるかもだし、お互いに逃げて別の場所を探したり
人間だってお隣同士仲悪い事があるのだから」
「ほへー、あーーーーーっ!今のでわかったーーーーー!
アデルちゃんと仲悪い悪魔って縄張り争いしてたからだったんだ」
まさかアリッサから、その意外な言葉を聞くとは思っていなかったララは
表情が変わりアデルと一緒にいる時に”何を聞いたのか”問い詰めた。
「え、えーと、何だったかな。昔、仲が超悪いってだけだよー」
「名前は聞いたの?その相手の?言いなさいっ、アリッサ」
普段は大人しいが、一旦怒ると威圧感の凄いララにアリッサは
何故怒っているのかワケもわからずに、ただ気圧されている。
「ヘルなんとか?あれ?違ったかも、メル?だったかな」
「なるほど、メルヴェーオね。その相手、隠す事でもないのに」
「あー、その名前だ。でも何で?知ってるの?」
座敷牢の中でアデルに聞こうとしたらシカトされたのだが、
アリッサにその話しをしているとは迂闊なアデルちゃんである。
ララがその相手の名前を知っている事にアリッサは驚いたが
「なら、心配ないわよ。メルヴェーオはいま占い師をやってるわ」
「へ?う、占い師?悪魔が・・・?」
アデルから自分より弱い者は認めない頑固者って聞いてたけど
何故に占い師に?ララが知っていた事とそんな疑問が頭を駆け巡って
ワケがわからなくなってきたアリッサであった。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。