モグラって肉食だったんですかっ
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの元騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
ララが先回りしてモグラちゃんを捕まえた理由は分かったけど、
先輩は何で居たんだろ?1階の居間で寛いでるとばかり思ってた。
外へ出るララの事をアデルだと思って後をつけていたのかも知れない。
ララが目覚めたら自動的にアデルと交代するのか、不思議なので聞いてみると
「まあ、だいたい代わってって言えば渋々代わってくれるわよ
あとアデルもそう長く起きてないみたいね、ちょくちょく寝てるし」
悪魔が寝るんかっ、憑依したのが子供の身体だからなのか
その辺はよくワカランが夜に活動するのはどうにかしないとなあ。
「そういえば先輩、1階に居たならジーンと会いませんでした?
アリッサの部屋を探してて、聞いてみようとしてたのですが」
「あー、会ったで。今頃は居間におるんとちゃうか
うちはほら、いちおー警備任されてるし」
船でティアナが言ってたな。雑そうだから警備でもしておけって
さすがに1人で24時間はムリで、あの時にローテーション制にしてくれ
って言い返してたけど、どーなったんだろ?子供達来てから変わったのかな。
「そういえば船の時に警備担当って言われてましたね
ローレンスさんと交代制になったんですか?」
「いや、昼はローレンスさんやけど深夜はアンベルに頼んでるで
それよりそのモグラを反対側へ持って行くならはよせんと
アリッサ達が罠を仕掛けにやって来るかもや」
そうだった!ララに女神の祝福の事とか聞きたいけど、俺、中立なんだわ。
フィリアって女神が司ってるけど、どんな人なんだろ。
さすがに会う為に消滅するのはなあ。その後に蘇生魔法受けないといけないし
「そうね、急ぎましょう。リティア、悪いけど先行して様子みて頂戴」
「りょーかいや、手で合図するからの」
「さあ、行きましょう。大丈夫だからね、よいしょっ」
先輩が先行して玄関前を確認して誰もいないなら、手でOKと合図するから
その隙に反対側へ行こうと、ララはモグラちゃんに優しく話しかけて背中に
背負う様におんぶした。全然暴れないなんて、これも女神からの能力なのか
◇ -その頃のアリッサ達はー
1階の居間でジーンやリリィ、ジェフリー達と罠を作る為の
説明を受けてモグラを捕獲するくくり罠の作成に励んでいた。
「じゃあ、木のしなりを利用するって事はその近くじゃないとダメだよね」
「うーん、利用しない方法もあるけど、すごい手間かかるぞ」
「そっかー、じゃぁ木の近くにしようー」
ジーンが説明したのは木を利用して踏むと木のしなりが外れ吊るされる罠
狩猟ではスネアトラップと呼ばれていて、具体的には以下の道具を作っている。
2本の棒を削って噛み合わせを作り、
木をしならせて先っぽに紐を結ぶ
2本のうちの一本をしならせた先にぶらさげて
その先っぽにも紐を結びつける。
1本を地面に突き刺して固定し、ぶらさげた棒と噛み合わせる。
踏むと木のしなりが外れ吊るされる罠だが
誘き出す為に匂いの強いご飯を罠の中心に置いて
モグラの体重で棒のかみ合いが外れて作動する様に作る。
「うまくいくんですかね、これで(ジェフリー」
「相手は動物だ、美味しいご飯さえあれば釣られてくるさ」
「そもそもモグラって普段土の中で何を食べてるんだろう?(リリィ」
リリィの疑問にみんなの頭の上に”はてな”がついた様な表情になった。
土の中に居るという事は分かっているが、好物とかを知らない。
ジェフリーは野菜を食べるんじゃないかと言って人参を持ってきていたが
”この男はウサギと勘違いしているのかも知れない”
「うーん、葉っぱとか?でもそれじゃ匂いないかー
落ちた花の蜜とかならありそうだけど(アリッサ」
「じゃ、人参に蜂蜜塗っておきますか(ジェフリー」
「それなら甘い匂いに釣られてきそうだね、あとは場所だなあ(リリィ」
アリッサ以外は庭園の中をよく見ていないので、罠が出来たら木の近くに
誘き出す様に人参を撒いてゆけばいいんじゃないかというジーンの提案で
モグラがいそうな穴から罠を設置する木まで誘導する作戦を行う事になった。
◇ -モグラちゃん反対側の庭園へ到達ー
ララ達がたどり着いた庭園は奥が山になっていてリシュ達が伐採していた
所に近く、地面には向日葵とサトウキビなどの長い植物が植えられている。
リティアが先導して畑の中に入って、土の柔らかい場所を探して立ち止まり
「ここなら奥が山になっとるし、食べ物に困りそうにないな」
「確かにそうね、山の方へ縄張りを広げてくれれば
あ、あれ、離れない・・・」
背負っていたモグラちゃんがガッシリと組みついた感じになっていて
ララが屈んでも離れようとしないので先輩が無理やり剥がす様に引っ張ると
地面に落ちてもすぐにララの方へ行き離れようとしない。
「どうしよう、離れようとしない。早く土の中に帰さないと」
「一体どんな魔法かけたんや、虜にする魅了みたいに離れないの」
「どうも懐いてると思ったら、魔法使ったんですか?(俺」
「使ってないわよ、私はただ来なさいと呼んだだけなんだけど・・・」
どうやらララにとっても懐かれてしまうとは思っていなかった様だ。
不思議な能力のある人だから動物と会話できる力や従わせる力が異常なほど
強くてもおかしくないけど、アリッサ達が迫っている状況だしなー。
「しゃあない、ちょっとそのまま待っといて」
「先輩、何をする気ですか」
「土を掘るんや、ご飯を前にしたらさすがに本能には勝てんやろ」
”え?モグラって土の中で何を食べてるんだ?食える土があるのかと”
確か金鉱山で働いている人の本を読んでいた時に食べれる石の事が
書いてあって、オドワと呼ばれている食用石でミネラルや鉄分が豊富って
あったな。そんな感じで食べれる土があるのかと思っていたら・・・
「あ、あの、その妙にウネウネしてるの何ですか、不気味過ぎるんですが」
先輩が掘っている穴から細長いウネウネしてる生物が一杯出てきたので
淡水にいる超危険生物カンディルを思い出して引き気味になっている俺。
土の中にもあんなのがいたら腕突っ込んだだけで傷だらけになってしまう。
※カンディル 熱帯地方に生息するナマズの仲間で現地に住んでいる人たちは
「人喰いナマズ」と呼びピラニア以上に恐れられている。
「何って、ミミズやん。見た事ないんか?モグラの好物なんやで」
「えっ、モグラって肉食だったんですかっ」
「そうよ、ミミズや幼虫などを好むの、モコモコして可愛いのにね」
見た目と違って凶悪なヤツなのか、いやまあ野生の世界だとそうなるか
子猫だってあんなにキュートなのに生魚が好物だし、ギャップあるわー。
船乗りの間では3万分の1の確立で生まれる三毛猫のオスは守り神になると
言われていて、うちの漁港でも様々な猫がいるので子猫をよく見かける。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。