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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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フォルマの祝福

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

アデル  スイーツ系悪魔

アンベル スイーツ系小悪魔

ローレンス 泣きの元騎士

ウォーレン・ジーク 紫オーラ

夕食の手伝いを片付けついでに、ジェフリーへアンベルへの手土産を

頼んだら丁度材料があるので明日用にタルトを作っていたらしく、

それを甘く仕上げてもらってアンベルへ手渡したら、至福の表情をしていた。


”昔ってこういうお菓子とかなかったんかな、あっても良さげなのに”


アデルから教えてもらったとか、あの悪魔っ子も甘いモノ大好きだし。

しかも最近はあらゆる街の食べ物を本で読んでるらしく、シンシア姐さんが

ここリバーガーデンの名物とか食べ歩きマップとか見てるって言ってたな。


「そのうちジェフリーみたいに自分で作り始めたりして」


「は?何か言った?これ甘くて美味しいっ、また魔法が必要なら言ってよね」


思わず呟いた事がアンベルに聞こえてた様だけど、

蝶娘はイチゴとブルーベリーで綺麗にデコられたタルトにご満悦で

魔法が必要なら言ってくれって事だけど、それはお菓子と引き換えっすよね。


「いや、何でもないよ。気に入ってくれたなら良かった」


「おーい、浴場の湯釜へ先に行ってるぞ(ジーン」


後ろからジーンの声がして、先に風呂焚きをしていると言ったので

アンベルに”魔法助かったよ”と言うとしたら前からローレンスさんが

やって来て、大浴場とは別にあと1つ浴場の風呂を焚いてくれと言っている。


”俺たちは別なんかな、女の子の方が多いし、まあしょうがないか”


◇ -2時間後ー


昨日と同じように俺とジーンが先に風呂へ入ったが大浴場ではなかった。

ジェフリー達は、あのレニーという少年も一緒だった様で風呂上りに

見かけた時には寝巻き姿で眠そうだったので子供部屋へ戻る途中だった様だ。


「しかし、アリッサは何処にいるんだ。3階っていっても部屋ワカランぞ」


「先輩を探して聞いてみようか?まだ1階に居ると思うし」


先に風呂から上がっているのだし、子供部屋に行ってるのかもと思ったが

ジェフリー達が風呂入ってる時の湯釜当番なのかも、だとしたらまだ外か

1階の居間に居るんじゃとジーンに説明して、俺は外を確認しに向かった。


”ありゃ、いないや。って事はもう屋敷の中か”


湯釜には残り火があったが人の気配はなく、先輩ともう1人いた足跡が

あったのでリリィかアリッサのはず、シンシアはもう保母さんだし。

そういや近くの庭園にモグラがいるんだよな、そんな巨大なら見て行くかと

思って庭園へ歩いていると人の気配がした。


”誰だ、シーフではない。だとしたら迂闊過ぎる”


ステルスはスキルレベルが低いと気配に敏感な人には気付かれる。

俺がリリィに勘付かれたのも、まだステルスのレベルが3だからだ。

足跡や匂いも消せないから熱探知されると一発で居場所が知られてしまう。


”え?ララ?なんでココに”


驚いたー、まさかララが居るとはっ、髪を降ろした後ろ姿だけど

髪の色と背格好は間違いなくララだ。いや・・・時間的にアデルに代わって

いても不思議じゃないんだが、あの悪魔め何かしようとしてるのか


「安心なさい。アデルじゃないわよ、アリッサが妙な事をする前に

 この子を反対側の庭園に移そうと思ってね」


「おわっ、デカい!そ、その抱えてるのが巨大モグラ?」


俺の方を振り向いたララが両手に抱えていたのは大きくてモコモコした

ぬいぐるみの様な生物?で暴れる事もなく、むしろララに甘えている感じで

猫がするみたいに頭をこすりつけてリラックスしてる。


”どうしてそんな簡単に、しかも懐いてるぞっ”


「罠にかかってしまったら、野生のこの子には”死”と同じ

 戒律の加護を受けてない以上、復活も出来ないし

 アリッサに罠で捕まえさせるワケにはいかないの」


なるほど、確かにそうだ。野生の生き物にとって罠や相手に捕まる事は

死を意味するだろう。弱肉強食の世界なのだし、ララにとって

アリッサがその世界に自分の我を通すべく横槍を差すのが許せないんだ。

だけど何故それを本人に言わないんだろう?何か考えがあっての事なのか


「言ってる意味は分かるよ、野生は弱肉強食の世界だし

 アリッサは自分が捕まえて別の場所へ逃がす事が正しいと思ってる

 だけど捕まえること自体がその子には死と同じって事だよね」


「まあ、いまこうして捕まえてる私が言う事じゃないけどね」


そこ言うかっ!自分でツッコんでどーするっ


「でもどうして、直にアリッサにその事を言わないんです?」


「言うつもりだったわよ、あの子が私の目の前で捕まえたらね」


「なるほどのー、さすがララちゃん、簡単に捕まえるとは」


不意に背後から声が聞こえ、空間が揺らいだかと思ったら先輩が姿を現した。

ホント心臓に悪い人だっ、ステルスレベルが高いだけに厄介過ぎる。


「あなたが居るのは知っていたわ、屋敷から着いてきてたわね」


「あははは、バレてたんか、しかし何で罠の事を知ってたんや?」


「そういえば、ジーンがこの話しをした時ってララはいなかったよね」


思い返してみてもあの場にいたのはジーン、リリィ、アリッサ、先輩

ジェフリー、俺、シンシアとララは子供部屋。ティアナは3階に居たはず。


「まあ、あまり知られて欲しくないのだけど

 秩序の女神フォルマの祝福を受けた者は様々な能力を与えられるの

 私は聴覚、ウォーレンは視覚が飛びぬけているわね」


「つまりあれか、地獄耳がさらに進化した感じなんか」


なんてこったいっ!あー、だから砂丘でマスターが夜目がどうっていって

灯りの魔法を使ったのか、本人だけなら余裕で見えていた事をそういう

スキルがあるのかと思っていたけど違った、女神からの祝福なんだ。


「普段なら、あの屋敷内くらいの会話は聞こえるから気をつけなさい(微笑」


ララの笑い所がまったくワカランのだが・・・。つまりジーン達との会話は

筒抜けだったと、でもあれか秩序の女神の祝福でその能力って事は戒律ごとに

違うのかな、そもそも戒律を司る女神の祝福ってどう受けるんだ?

異常に耳がいいっていう事を知られなくない様だけど、気をつけないとなー。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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