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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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アンベルさん、ヤバい

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

アデル  スイーツ系悪魔

アンベル スイーツ系小悪魔

ローレンス 泣きの元騎士

ウォーレン・ジーク 紫オーラ

ー屋敷外 山の中ー


獣道の様な以前に人が踏み入れた後を追っていたら、ジーンが木を

見上げながら何かを探しているので、何をしているのか聞いてみると


「こう、ちょうどカリフラワーの様な形の木を探してるんだ」


まったくワカランっ、そもそもカリフラワーって何だ?花か?

お前は”お花摘み”にでも行く気かコノヤローっ、とだんだん俺も理性が

ヤバくなりそうなくらい蚊と虫が多いのでイラついていた。


”よく平気だよな、どこからともなく毒蛇とか出そうなんだが”


昔、オヤジから海蛇と山にいる蛇の違いを聞いた事があったのだが

毒に関しては地上にいる蛇が強いが毒の種類が多いのは海だという。

中でもコブラ科は危険なヤツが多いので気をつけろと言っていたが

見通しの悪い藪の中に入る時、蛇は3番目に歩く人が最も危険で、


1人目で蛇は人の気配に気付き

2人目で戦闘態勢に入り

3人目に噛み付いてくる


という事を語っていたが、本当なのだろうか・・・。酒飲んでたしなー

蛇以外にもヒルやら蜘蛛やらアリやら危険の宝箱だぜっ、山はよぉーっ


そんな事を考えたりして進んでいたら、妙に広い場所へ出て

明らかに人が伐採を行ったような切り株だらけの所へ来たようで

ジーンが見渡すと、言っていたカリフラワー様な木が沢山あった。


「どうやらココで伐採を行っていたようだな

 ちょうどいい場所だし、俺たちも薪用の木を集めようぜ」


「そ、そうなんだ。でもこれだけ「片手斧」だけでやるの?」


”あのカリフラワーめっちゃ太いんだけど、斧の方がギブするんじゃないか”


とても片手斧だけでは相手が悪い気がするんだが、俺とは対照的に

ジーンは何の問題もないといった感じでカリフラワーへ向かって行く。


「スキルを使えば楽さ、まあ本来はこんな使い方じゃないのだが」


そう言ってカリフラワーにウォリアーの攻撃スキルをブチ込むジーン。

テメーッ、俺が盗賊ってこと忘れてねーかっ!


”シーフには正面向いた相手へのスキルがほぼないんだよ”


あ、そうか、カリフラワーが背を向けていると思えば・・・。

っていうか、まだバックアタックすら取得できないんだぜ。

俺のLVは16でアリッサとほぼ同じだけどステルスやデコイの

スキルレベル上げを優先していて、バックアタックも20からだし。


「くそーっ、チリ積もダメージの如く攻撃してくれるわっっ!」


スキルによって豪快な音を立てているジーンの近くで軽快な音を立てる俺。

サイドアタックとサイドブレイクしかないのは辛いな、やっぱ。



ー伐採中 お昼頃ー


時間は分からなかったが、どうにかカリフラワーを倒そうと半分くらい

削っていると、ジーンはもう2本目を倒せそうなくらいになっていて

どんぐらいカリフラワーを倒せばいいのか聞こうとしたら、


「おーい、2人ともー、これご飯だってー」


どこからともなくアンベルの声が聞こえてきて、空を見ると

蝶娘が手に何か持って、こっちへやってくる姿が見えた。


「おお、もう昼時か、リシュ、休憩しようぜ」


「オッケー、もうヘトヘトだったからちょうど良かった」


何故アンベルが昼ご飯を持って来てくれたのか謎だったけど、

ここから屋敷まで戻るのか、とも思っていたから有難かった。

俺とジーンは斧を置いて前の人が倒した切り株に座ってアンベルから

手渡されたジェフリーお手製のサンドイッチを手に取って食べ始める。


「しっかし、こんな所で何してるのー、あんた達?」


「風呂焚き用の薪になる木材を調達してるんだよ

 あの屋敷には大浴場というのがあって薪が足りないんだと」


「ふーん、それで木を切ってるのか、もしかしてそれで?」


俺たちが使っていた片手斧を見ながら、馬鹿にした表情のアンベルさん。

そういえば先輩が風の精霊とか言ってたけど、魔法が使えるのなら

かなり楽になるんじゃ・・・でもアデルの手下っぽいからなー。


「まあ、斧でやるのがデフォというか慣わしみたいな?(俺」


「不便なしきたりねー、効率悪過ぎじゃん」


「もしかして、アンベルなら魔法でこの辺の木を倒せる?」


昔ながらの習慣かどうか分からないけど、木こりというと斧っていう

イメージが強いのでそう答えたが、ジーンが黙ってるって事は間違いでは

なさそう。しかし確かに魔法に比べたら効率が悪いので聞いてみたが、


「やってもいいけど、お菓子くれるならね」


「ほんとっ!ジーン、アンベルに頼もうぜ

 屋敷へ戻ったらお菓子を渡すからさ」


「そうだなー、確かに魔法で倒せれば後は持っていくだけか」


2人でこのペースだとかなり時間がかかってしまうと判断した

俺とジーンはアンベルに魔法で木を倒してくれと頼んだが・・・。


”ハッキリ言ってヤバかった。この蝶娘、加減ってもんを知らない”


お菓子の約束をしたアンベルは私の近くに居てっ、と言って両手を妙な

クロスさせる感じにしたと思ったら、俺たちのいる周りの大気が振るえ始め

バチバチ音をさせて風が次第に強くなり、天気すらも曇ってきた。


※ジオストーム メイジの最上級魔法スキルの1つ。

電磁嵐と呼ばれ、スキルレベル10になると大災害クラスの威力を持つ。

元ネタは映画ジオストームと2000年の映画パーフェクトストーム


「ちょ、ちょっとストーーーープッ!アンベル!これヤバいっ」


「何よ、面倒だから全部片付けようとしてるのに(アンベル」


「いや、これじゃなくてもう少し軽い魔法で頼む(ジーン」


お前は山ごと吹き飛ばす気かっ!そんぐらい、船に乗っていて巨大な嵐と

台風が合体したヤツに遭遇してしまった絶望感。小さい身体をしてるから

こんな魔力を持っているなんて思いもしなかったが、さすが悪魔の手下。


”これからは、さん付けで呼ばないと機嫌悪くなったらどうなる事か”


「わかったわよ、じゃぁその辺の木を適当に切り倒す程度しとくわ」


風の強さが収まってきて、やっと顔を上げるのに苦労しないと思ってたら

今度はアンベルが片腕づつ木の方へ振りかぶり、その度に巨大な刃が空間に

発生してカリフラワー達をバッタバッタと薙ぎ倒してゆく。


※ジオスラッシャー メイジの風属性上級スキル

広範囲を切り裂く磁気刃を発生させる、スキルレベルによって威力が変わる。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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