木こりの道は奥深い
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの元騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
ジーンと薪割りの原木を採りに山道を歩いている時に分かった事だけど、
俺は山林生活に向いてない、生理的嫌悪感はないのだけど落ち着かない。
例えばサバイバル生活をするとして山と海を選べるなら、確実に海を選ぶ。
”なんていうか、山の中って油断ならない事が多いんだよな
蚊とか虫多いし、海だと海中にいない限り危険生物とは出会わない”
「薪の元になる木って言ってもさ、どんなモノなんだろ?
適当に伐採してってわけじゃないよな」
「そうだな、薪にするとしたら広葉樹と呼ばれる系統が適してるか」
広葉樹?聞いた事がない単語だ。ジーンのアニキは実家が伐採屋なので
詳しいだろうけど、系統とかあるのかっ、奥深いな木こり道。
「広葉樹って一体どんな木なんだ?この辺りにあるのかそもそも」
「いわゆる堅木というヤツだ、ケヤキ、ミズナラ、クヌギとかだな」
つまり堅い木って事か、それを片手斧だけでやれと?
渓流竿でマグロに立ち向かうイメージなんだが、疲れが半端なさそう。
「おい見ろよっ、アカマツがあるぞ」
「アカマツ?それってさっきの堅木に入るのか?」
「いや違うが、アカマツの松脂はたいまつに最適でな
火付きがよく火力も強いからついでにもって帰ろうぜ」
まったくアニキといると山の事に関して勉強になるわー。
たしかにタイマツ用の脂なら長く持ちそうだし、薪が少なくても済むかも。
問題は薪用の木材か、使ってたという事は採れる場所があるんだよな。
屋敷を出て30分くらいは山の中を歩いていると思うが、
一向に目的の木材になる木が見つからず、俺とジーンはさらに先へ進んだ。
◇
ー屋敷内 庭園ー
休憩前とは違ってガーデニング用の道具の場所をティアナから聞いて
園芸用ハサミ、水やり道具、ハンドスコップ、土入れ用道具などを
手にしてモグラちゃんの居た場所とは違う所で作業をしているララと
アリッサだけど、アリッサはモグラちゃんが気になってしょうがない様だ。
「そんなに気にしなくても、すぐに居なくなったりしないわよ」
「でも、気になるんだよねー。空飛ぶ魔法でいけると思ったら
取得条件に達してなくてダメだったし」
アリッサの言葉を聞いてララは少し驚いて”えっ”とアリッサの方を
向いた。まさか休憩中に魔導書を読むなんて、この子がっ!
「きゅ、休憩中に調べたの?確かにフロウウィングは
INT値だけでは取得できない魔法だけど」
「そうなんだよー、リリィから教えてもらったんだけど
LVも足りてないなんて考えてもなかったー」
いや普通はLVが上がったら使用可能なのか判断するものだけど、
アリッサにはそういう概念がない様で、覚えたいと思ったら使えるだろう
くらいなスナック感覚で魔法というモノを考えていたのかも知れない。
「使用LVに関してはどうしようもないわね
他には探してみたの?土属性はいまのアリッサでは難しいと思うけど」
「それがね、リリィ達から匂いでおびき出して罠で捕まれるかもって
ジーンが戻ってきたら紐?を使った罠を教えてもらうんだ」
「狩猟用の罠か、なるほどね。でもあなたサモナーなのだから
召喚の魔導書を見たらヒントはあるのよ」
”へ?”という表情のアリッサ。自分がサモナーだという事すら
忘れているっぽいというか自覚なしといった感じでララの言葉に驚いた。
「召喚って、そういえば”へるぴ”のこと忘れてたーーーーーっ」
「だと思ってたわ、あの子はいまシーフギルドでお世話になってるわよ」
「え?なんで?ララちゃん、その事知ってるの?」
※ヘルハウンドのへるぴ アリッサが最初に召喚した召喚獣で
子犬の様な姿をしており、召喚主に似て自由奔放な性格である。
「噂で聞いたのよ、あなたがちゃんと帰還させないから」
「んー、そうなのかー。でもまあいいや、シーフギルドに居るなら」
ララが耳にしたのは、実はアルテミシアからでウォーレン様が
妙な子犬に懐かれてしまって困っていたけどけどウォーレン様から
”これ、あのヘルミナの使い魔だってよっ、笑かすだろーっ”と
バカにした言い方をしたので確認の為に伝えたらアリッサのだったという。
ウォーレンはいまだにララの使い魔だと思っていて連れまわしているらしい。
「召喚の魔導書かー、そういえば見てなかったなー
アンベルちゃんも召喚されてきたんだよね、うーん」
アデルによってアンベルは召喚されたのだけどララには不可解な事があった。
あの時は理力を魔力に変えて召喚できたけどあれ以降、アンベルはごく普通に
昼間も屋敷の中にいる。召喚中は常に魔力を消費するはずなのに・・・
アデルはその事にはシカトして話さないので何か企んでいるのかも知れない。
「まあ、ジーン達の作戦で捕らえられなかったら
他にも精霊は数多くいる事だし、使役できる使い魔を探してみなさい」
「そうだねー、罠で捕まえて動けなくさせるのが一番いいけど
召喚の魔導書も見てみるよー」
この時のララはアリッサが土の精マノンの事を調べてくれたらと思っていた。
樹木があればドライアド、蔦ならアイビー、食人草ヤ=テ=ベオなど
土周りには色んな精霊がいるがマノンは大人しく従順なのでサモナー経験の
浅いアリッサ向きだとララは考えていたのだ。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。