蘇生率と女神
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ マジカルクラッシャー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
アデル スイーツ系悪魔
アンベル スイーツ系小悪魔
ローレンス 泣きの騎士
ウォーレン・ジーク 紫オーラ
1階の広間にいた俺達だけど、よく見ると1人足りない事に気づいた。
リリィだ、確かティアナの専属世話人ヴァレットだよな。
主がココに居るのに傍にいないのには理由があるのか、と考えていると
「すみません、遅れましたっ、ティアナさんやっぱり洋服足りませんよ」
ん?あれ?リリィが子供部屋のある方向から駆け寄って来たんだが
もしかして、ティアナにもう話しを通してるのか?
「そう、確か男の子が2人、女の子が3人だったわね
ローレンス、あなた手が空いたら本低に行って必要な物を調達して頂戴」
「かしこまりました、午前中に行って参ります」
「あ、あの、ちょっと待って下さい。ティアナさん
昨日の事件や子供達を匿っているのを知っているのですか?」
今の口ぶりからしてもう知ってる内容だよな、男の子2人と女の子3人
俺達が深夜に子供部屋へ運んだ人数と一緒だし、もうそれしかねぇー。
「実は朝にティアナさんから子供の泣き声が聞こえると言っていたので
私とララちゃんで昨日の事を説明したのですよ」
あー、なるほど。シンシア姐さんが1人で子供部屋で見守ってたけど
色々不安になった子供たちをあやしてるのがティアナに聞こえたのか
「まあ、事情が事情だけに迎えが来るまで客人としてもてなすわ」
「そうだったのですか、え?でも迎えって?それってどういう事です」
「リティアにアルテミシアを呼んでもらったのよ
子供たちをバークレイルの児童保育院へ移送する為にね」
保育院?聞いたことがないけどバークレイルにそんな施設があったのか、
そういえば初めて蒼に向かう時に子供たちが遠足の様な感じで
大勢歩いてたけど、もしかしてその施設のイベントだったんじゃ。
「バークレイルの保育院は凄く大きいのですよ
あそこで働きたいけど条件が凄く厳しくて中々採用されないのですが」
「まあ、リシュくんはギルド入って間もないからの
あそこは各ギルドからの寄付で運営されておるんやで」
「そ、そうだったんですか、なるほど・・・でも採用条件って
ギルドに属してたり、何らかの賞罰があるとダメって事ですか?」
シンシア姐さんと先輩の言葉から、少し前にマリアさんが話してくれた事を
思い出した。うちのマスターは孤児院で育っていたって、
もしバークレイルが故郷なら自分が育った施設だけに思い入れが強いのかも
「あれや、シーフに解錠率ってあるやろ?あれに似た様な感じで
蘇生率っていうのがあんねん、それが95%以上じゃないとムリやな」
「小さい子たちの場合、目を離すと何が起こるのか分からないですし
女神像まで迷ってしまう事もあるでしょうから、その場で蘇生魔法を
使用するとしたら95というのはほぼ確実な数字なのです」
「えー、それは知らなかった。解錠率95と考えたら厳し過ぎとしか
でも蘇生に失敗した場合ってどうなるのです?」
シーフで宝箱の解錠率95%っていったら高レベル帯の人らしかいない。
そのぐらいの人材しか採用されないって事だよな。
蘇生魔法を受けた事がないから分からないけど失敗するとヤバいのでは
「魔力を消費するだけですよ、蘇生失敗自体にペナルティはありません」
「まあでも、おもろいでー。なんせ戒律の女神さんに会えるからの
うちの戒律のフォルテさんはアリッサみたいな性格しとるで」
「な、なにーーーっ、本当にいたんですかっ戒律の女神様。会うために
女神送りされて蘇生魔法使わないとダメっていうのも何だか複雑だけど」
「ねー、おねーちゃーん、お腹空いたー」「わたしもー」
リリィの後をつけて来たのか、いつの間にかシンシア姐さんの周りに
双子の女の子ルピタとアニタ、男の子のアールが袖を引っ張っていた。
「あら、かわいいヒナたちがお腹を空かせてるわね
ジェフリー、先にこの子達の朝食を作りなさい」
「わかりましたー、少し待っててね。急いで作るから」
ティアナって意外というか子供好きなのかな、自分と違う境遇の子達とはいえ
子供の事を優先で考えられるのは、普段からそうじゃないと出来ない心遣い
リリィとローレンスに指示していたのもその為だろうし。
”とても、あのクマさんと戦った盛り髪修道士とは思えんわー”
しかし魔法で蘇生されると戒律の女神様に会えるのか
先輩って混沌だからフォルテという女神なのは聞いた事があるけど
アリッサみたいな性格・・・めっちゃいい加減って事?
いや気分次第で蘇生オッケーとか言いそうで怖いんだけど末っ子だからか。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。