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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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どんなフォローしたら正解なんだよ

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

ー別邸2階 朝5時30分頃ー


おそらく寝たのは深夜3時近くだったと思うけど正確な時間は覚えていない。

ただ疲れていて仮睡眠でもとらないと朝から疲れた表情になってるのは

間違いなかったので、短時間でも眠らなければとても初日からもたない。


”そう思って寝て、意識がふっと覚めると朝5時半だった”


寝坊したかっと一瞬思ったが時計を見て安心して、床に引いていた布を

畳んでベッドの上に置いたあと、ジーンの部屋へ行くともう起きていて

どうやら俺と同じく、短時間の仮睡眠で今日を乗り切る腹積もりだ。


「おはよう、リシュ。ジェフリーはまだ寝てるのか?」


「うーん、どうだろう、先にこっちへ来たから」


俺の部屋の2個隣がジーンなんだけど、ジェフリーは居間に近いので

先にジーンの所へ来たけど、そういえばあのモヒカン野郎。


”深夜に起きた事なんて全く知らないで寝てやがるんだよな”


そう思ったらだんだん腹立ってきたぞ。1人だけ熟睡しやがってっ

もしまだ寝てたらジーンと一緒にツープラトンの技を仕掛けてやる。

いきなり放り投げられて起こされた気分を分からせてやるぜっ!


「確か6時って言ってたよな、ジェフリーを起こしにいくか(ジーン」


「そうだな、寝てたら2人で技かけてやろうぜ(俺」


俺と同じ事を思っていたのかジーンは無言で頷いて少しニヤけていた。

そういえばあの時、誰に起こされたんだろう。アリッサ達だよな・・・。


”怖ぇー、どうやって起こされたのか聞くのがっ”


ジーンの部屋を出て居間近くのジェフリーの部屋をノックすると

残念ながら起きていて、軽くベッドメイクしている最中だった。


「おはようございます。2人とも早いですね」


「ま、まあ、あまり眠れなくてさ。少し早いけど居間へ向かおうか」


子供達の事はティアナ達に言う時でいいかと思って伏せておいて

ローレンスさんが指示した居間へ3人で向かって行くと、

おっさんと言われて凹んで泣いていた人とは思えない執事がそこに居た。


「おはよう、諸君。昨日は取り乱してすまなかった」


「い、いえ、かなりショックを受けてた様でしたけど、大丈夫ですか?」


「えーと、昨日、何かあったんですか?(ジェフリー」


こういう居間というのは日当たりが良い部屋を使用するらしく、

本来は主がくつろいだり、読書や手芸、お茶会が開かれる場所だと

ティアナが言っていたが屋敷内の間取りにも気を使ってるんだな。


「ヘルミナ様の精神が不安定と聞いたが、

 まるで別人の様だったのでな、記憶さえもなくなっているとは」


「ま、まあ、ララの不安定さは一時的なものですよ

 昨日ちょっと問題あってね、たぶん朝食の時に説明あるよ、ジェフリー」


ヴァレンシアに居た頃の姿がどんな人だったのか

想像できないけど大人で落ち着いた女性だったのかな、

マスターに対する態度からはそうは見えないけど10代くらいの

時ってかなりのやんちゃ者だったとはマリアさんが言ってたな。


「とりあえず、これが着用する一揃いだ

 ジェフリーはシェフ用と2種あるが採寸は問題あるまい」


ローレンスさんから手渡されたのは執事として着用する一式で

本来はフィッターと呼ばれるオーダーのプロが傍にいて合わせるもので

本低でサイズ測ってた人たちだと思うけど、テーラーがあると言っていたし。


「こんなにあるんですかっ、思ってた以上に細かい」


上着に長いズボンにワイシャツ、上着の上に着るコートっぽいの

ネクタイ、ポケットチーフ、ネクタイ2種、手袋、靴、帽子・・・。


「まあ、来客の予定もないし着こなしは崩れてていても構わないが

 装飾品などは着けない様に、基本的には主より目立ってはいかん」


どうやら本来というか執事は主人よりも格下なので、

着用する素材なども古めかしいものを使用して、主人を立てるのが

習わしであり、ゴテゴテ好きなジーンと派手好みのジェフリーを牽制したな。


「わかりました、ティアナさんが主ですものね

 とりあえず着替えましょうか、女性達も起きている事でしょうし」


人の家だし雇われ契約だから、自己主張が強すぎると面倒になりそう

というのはジーンとジェフリーも理解しているのかローレンスさんの

言葉に頷いて、俺達は用意された執事服に着替え始めた。



”なんていうか、動きにくい!慣れてないからか”


シーフは基本的に動き易さを重視した装備になるので、それに慣れていると

腕や膝を曲げた時の違和感が凄い。これで機敏に動けってムリだ。

AGIの値、かなり下がってるんじゃないか、戦闘になると回避できなそう。


「おー、よく似合っておるぞ、ジェフリーはシェフ用だが問題あるまい」


ジェフリーだけコック長みたいな帽子になってるんだが、

体格と相まって”本職のひと”でも通用しそう。

ジーンは普段が硬い装備なので俺みたいな違和感を感じてない様だ。


「さて、1階の広間へ移動するぞ。女性達はもう着替えておるからな」


え?そうだったのか、まあ、俺達より大変そうだしな

ローレンスさんに従って、1階へ行くと広間にはドレスっぽい

格好をした女子組が集まっていて、ティアナから何か指示を受けている。


”先輩っ、先輩を探さなければっ!あの人がドレスを着るなんて

 マスターですら想像できない事だろうしっ”


「おっ、おはよー、3人とも似合ってるじゃん(アリッサ」

「おはようございます、普段と違って新鮮ですね(シンシア姐さん」

「おはよう、昨日は手間をかけさせてすまなかったわね(ララ」

「おはようございます、支度するの俺達より早かったんですね」


アリッサ、シンシア姐さん、ララはあまり違った感じはしないというか

普段からスカートを履いたりしてるからドレス風でも違和感ないのだけど


”肝心のアイツはどこへ行った!しかと目に焼き付けてくれるわっ”


「ほらっ、リッちゃん、隠れてないで出て来なさい」


シンシア姐さんがそう言うと、わざわざ俺達が来た時にステルスを

使って隠れていた先輩が姿を現した。わざわざそのスキルを使うかっ!


「や、やあ、おはよう。これやからスカート好かんねん

 スースーしてるし、まあ足技使う時だけはいいかもしれんけど」


「そ、そうですか、とても似合って、ごふっっ(ジェフリー」


「なんで半笑いやねんっっ!」


先輩のハイキックで、あのジェフリーが浮いたーーーーーーっ

これはヤバい、妙なフォローすると間違いなく攻撃される・・・。


「い、いや、リティアはほら、アスリート体系だから

 何を着ても似合、ふはっっ(ジーン」


「何着てもってどういう事やねんっっ!」


先輩の飛び後ろ回し蹴りで、あのジーンが飛んだーーーーーーーっ


「で?リシュくんは?(指ポキしてる先輩」


「似合ってませんね(キッパリいう僕、ぐはっっ」


ここは無駄にフォローするより言い切った方がいいと思った俺

先輩の右ストレートで、逝ったーーーーーーーーーっっ


「まあ、大方予想してたけど、最近の男の子は気遣いが足りないわね(ララ」


”ムチャいうなっ、この人にどんなフォローしたら正解なんだよ!”


「いえいえ、リティア殿も立派なレディー

 とてもエレガントですよ(泣きのローレンスさん)


「そ、そうかの、まあ、たまにはこういう格好もええかの」


さすが、あのスイカ割りティアナの執事。只者じゃないぜっ

”エレガント”という魔法の言葉で先輩を鎮めやがった。

というかティアナが呆れてるんだけど、まだまだだぜっ

あの子供達の事があるからなっ!隠し玉に驚くのはこれからだ。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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