子供部屋
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー モヒカンロード
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
子供達の名は男の子が「レニーとアール」
女の子が「ルピタ、アニタ、ナンシー」といってルピタとアニタは
双子で髪型以外でほぼ見分けがつかない。レニーが一番年上で10歳。
他の子たちも5、6歳と幼いのだが10歳くらいまでという
決まりでもあったのだろうか、その事が妙に引っ掛かる。
子達の安全を優先させると聞いた時に、場所が分かっているのなら
懲らしめる為に特攻した方がいいんじゃないかと思っていたけど、
高原を歩きながら”おんぶ”されて眠っている子供達を見ていると
やはり優先させて良かったと実感した。おんぶ振り分けは
シンシアがアールを先輩はレニー、ジーンが双子、俺がナンシー担当に。
アデルはアンベルと何か話しながら歩いているけど、悪魔語?の様な
人間では理解不能そうな言葉で喋っている。この2人も侮れんよなあ
”悪魔と使い魔なんだから妙な計画企んでたりして”
注:この時のアデルとアンベルは美味しいかったお菓子の話しをしています。
◇
30分くらい経ってティアナの別邸が見えてくると、気配から悟ったのか
半泣き顔のローレンスがダッシュで向かってきて、アデルの前で膝を折り
「ご無事で何よりで御座いますヘルミナ様。
このローレンス、貴方様を救出に向かえなかったことが」
「よくワカランが、誰だ?このオッサンは?(アデルちゃん」
”あなたっ!何てこと言うのっ!この人は私の知り合いよ”
「誰?だれ?ダレ?(デクレッシェンド)だんだん弱く
おっさん?おっさん?オッサン?(クレッシェンド)だんだん強く」
本心から心配していたローレンスはララの突き放した様な言葉が
あまりに衝撃だったのか”ヘルミナ様の意地悪ーっ”と言って
泣きながら屋敷内の奥へと走って消えていった。
”あーあ、やっぱ思った通り、精神が耐え切れなかったか”
「あ、アデルちゃん、あの人の事をララちゃんから聞いてなかったの?」
「知らん、ララが起きておる時はだいたい寝てるからの」
俺はアデルとローレンスが出会ったら間違いなくイメージが壊れると
思っていたけど泣くほどかっ、シンシア姐さんの質問に興味なしと
いった感じで答えてるアデルだけど、寝てる事があるんだな。
「なあ、お前、もしかしてお嬢様なのか?あんな人が跪くなんて」
「ち、違うわっ、ワシは悪、ふごっっ」
レニーの質問におそらく悪魔と言おうとした所を
シンシア姐さんに口を塞がれてしまったアデルちゃん。
「あははは、私達はこの屋敷でお世話になってるの、アデルちゃんも」
「ともかく、この子らの部屋の中に入れんとな(先輩」
「それなら1階の奥にナーサリーと呼ばれる子供部屋があるって
ローレンスさんが言っていたから、その部屋に行きましょうか」
向かっている最中にシンシア姐さんが調べた事を話してくれたが、
上流階級では子供と大人の世界が完全に別れており、食事から遊び、勉強、
寝る時間をすべて子供部屋で過ごし、お世話は使用人がするそうである。
”両親があれかな、社交で忙しいから任せているとか
ある意味、コネ社会だよなー、そう考えると”
奥にある子供部屋に着いた俺が見たのは想像と遥かに違っていた。
子供だと余裕で30人以上は入れる大きさに2段ベッドが10個。
遊び道具や絵本も豊富でコケても大丈夫な様にふかふかな絨毯。
”至れり尽くせりとは、さすが”お子様”だぜっ!”
「さて、ここは安全だろうし、これからどうする?
俺としては攫った奴らは懲らしめておいた方がいいと思うが」
「だよねー、ここまで来れる距離だし、探しにきそうだよ」
眠っている子供達をとりあえずベッドで寝かせた後、ジーンとアリッサは
無法者が来るかも知れないし、懲らしめておいた方がいいと提案したが
先輩とシンシアはその意見には反対の様で、ここに居る方が安全で
レニーの証言からシーフが絡んでいる事をジーンやアリッサに告げた。
「シーフ崩れの無法者という事か、だけど同じシーフなら
むしろ懲らしめておいた方がいいんじゃないのか?」
「まあ、うちも本心はそうしたいで、だけど4つほど不安な点があるねん」
「4つ?先輩、それってどういう事ですか?」
ジーンは同じシーフ同士ならむしろ懲らしめに行った方がいいと言っているが
先輩は不安な点という4つの事をみんなに説明した。
1.相手の数が5人という事は分かっているが経験や戦闘での実力が未知数。
2.もしこちらが女神送りになったら街まで戻らないとダメで復活まで遠い。
3.無法者は捕まえて裁きを受けさせないといけないので捕まえたいが
相手の実力の方が上な場合、こちらが不利になる。
4.もしかしたら組織的な犯行であり、拠点が他にもあるのかも知れない。
「な、なるほど・・・確かにそう言われれば組織的な事かも知れないな」
「でも、ここで匿っていてもバレたらどうします?」
「うーん、とりあえずアンベルに足跡消す様に頼んだ後、
この子らに話し聞いて手に負えなそうならマスターに連絡やなー」
確かに相手がシーフ崩れならメンツと掟に厳しいあの人なら
動いてくれそうではあるけど、犯罪に手を染めるシーフってエストリア
から離れて悪さをしているのかな、マスターの目が届きにくいし・・・。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。




