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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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使い魔アンベル

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

<悪魔が召喚する使い魔で性格に難がある>

これだけで”もうダメそう”と思っていたララだったが、


”まさか、砂丘に居た山羊頭さんことバフォメット系の悪魔じゃないわよね”


あれが一番賢いとかだったら・・・この館の全員が女神送りになるは確実。

いや召喚主だけは残るか、アデルだけど


”安心しろ、あんな下位のヤツではない。知能は高いと言ったであろう”


ララの疑念を晴らすかの様に思考を読んでいたアデルは

念を押す様に言ってくるが、何故か逆にそれが怪しいと感じ始め


”あなた、本当にこの子供達を置いて逃げないでしょうね?”

”う・・・そ、そんなに疑うのなら、こ、交渉しようではないか”


どうにもアデルちゃんが逃げそうな予感のするララは改めて聞き直したが

アデルはそんなに疑うのなら交渉をしようではないかと勧めてくる。


”交渉って、何を?あなたとは私が力を取り戻す事で合意してるはずでしょ”

”それはそれだ、実はの・・・ララ、ワシはどうしてもこの地のお菓子が食べたい

 エクレアとミルフィーユとかいう甘いお菓子が名物だそうじゃ”

”で?そのお菓子が食べたいから、町へ行く時に代わってくれって?”


まるで母親か姉にモノを頼む時の様なしおらしい言葉で頼み事をする

暴れ者と呼ばれていた悪魔アデルちゃん、どうしてもリバーガーデンの

名物お菓子が食べたい様で町へ行く時に代わってくれれば約束を守り、

契約として使い魔をシンシアの所へ送り、子供達と一緒にいるとララに誓った。


”どうかのお、ちょこっと代わるだけの良心的な交渉だと思うのがのお”


悪魔が良心的とか言うなっとツッコんでたララだったけど

あまりに未練がましいアデルちゃんの言い方に折れてしまったが

ちゃんと意識中で監視してるからと交渉に付け加えると、

アデルとスイッチして使い魔を召喚する準備をしようとレニーに声をかける。


「のお、この中に何か尖ったモノはないか?フォークかスプーンでも良いぞ」


「そんなものあるわけないだろ、もう食事は終わってしまったし

 っていうか何に使うんだ?」


「そういえばロザリオを持っておったな、それで良い、貸せ」


サモナーと呼ばれる召喚士と違ってアデルちゃんの召喚には

儀式的なモノが必要らしく、魔法陣を描ける様な硬く尖ったものを

レニーに要求したがこの場にはないようで、出会った時にロザリオを

付けていた事を思い出したアデルはそれを貸せと手を差し出した。


「な、何でだよっ、これ銅製とはいえ高かったんだぞ」


「お前、協力しろと言ったからにはこっちにも協力するのが筋ではないか?」


「くっ・・・わかったよっ、ほら」


レニーからロザリオを受け取ったアデルは座敷牢の中で月の光が

差し込んでいる地面に向かうとしゃがみ込んで奇妙な魔法陣を描き始め


「なあ、何だそれ?魔法陣っぽいけど、何かやるのか?」


アデルちゃんの奇妙な行動に座敷牢に居た子供達は見た事もない

魔法陣と何をするのか興味津々でアデルちゃんの周りに集まっている。


「さて、お前達は少し下がっておれ、なーにワシの仲間を呼ぶのだ」


「こんなので呼べるのー?」


「こんなのではないっ、これはれっきとした召喚魔法陣なのだぞ」


傍にいた女の子にバカにされた感じだったのでムキになるアデルちゃん。

子供達に下がっている様に言うと、魔法陣に向かって呪文らしき言葉を

唱え始め、言葉と共に魔法陣が紫に光り、言い終えると同時に

黒いアゲハチョウの様な羽を持つ、小さな悪魔っぽい少女が現れた。


「あーっ、ひっさしぶりー、アデルでしょ?

 っていうか何でそんな小さい女の子になってるの、うけるーっ」


”こ、これがアデルの使い魔?なんでタメ口でバカにしてるのっ”

”だから言ったじゃろ、性格に難があると・・・”


「ひ、久しぶりだな、アンベル。この姿はまあ色々あってな」


「おい・・・この小さいのがお前の仲間なのか?(呆れ顔のレニー」


アンベルと呼ばれる使い魔は見た目が蝶の羽を持つ人間っぽいが

体長が20cm程と小さく、とても力になりそうな仲間とは思えない風貌だ。


「色々あってねー、まあそりゃ4百年ぶりくらいだっけ

 私に何か用なの?めんどくさい事なら他のヤツにしてよね」


”な、何なのよ、この使い魔はっ!これ本当に使えるの?”

”いや、元々は精霊シルフだったんだが、

 ワシと長くいすぎたせいか暗黒面に闇堕ちしてな、こーなってしまったのだ”


「ア、アンベル、実は頼みがあってな

 この持ち主をお前ならワシが通ってきた跡を追って探せるじゃろ」


「なに?これ?」


「それはキャラメルという甘いお菓子でな

 それをワシにくれたシンシアという女の所へ行ってララという少女が

 無法者達に捕まって軟禁されておると伝えて連れて来て欲しいのだ」


闇堕ち精霊シルフと聞いて、その姿にララは絶句して言葉がなく

アンデルの奔放さに何故かアリッサのシルエットが見え隠れしていた。


「へー、キャラメルねー、ぽいっ(口へ放り込むアンデル」


「お前っ、食べてどうするっっ!持ち主が分からなくな」


「もう、うるさいなー、大丈夫だってば、もう場所は分かってるから」


”!?(アデル」「!?(ララ」”


アンベルの言葉に驚いた2人だが、飄々としているこの使い魔に

不安の色を隠せずにいた、しかし風の精霊なら本当なのかも?

と、淡い期待を込めてアンベルにシンシアの元へ行く様にお願いしたのだった。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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