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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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満月とアデルちゃん

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ アデルちゃん

ジーン・トアロ 輩ウォリアー

マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段

ジェフリー モヒカンロード

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

食事も終わり、食器などを片付けているとローレンスから

俺とジーンで先へ風呂へ入って、その後自分とジェフリーが入るので

交代してくれと頼まれた。湯釜の様子を見なければならないからだろう。


”女子は、ねぇ女子は?薪割りから経験させろやっと問い詰めたかったが

 余計な事を聞いて険悪になるのも嫌だったので”


分かりましたーと答えたけど、この人と一ヶ月近くも居るのか俺達。



やはり風呂はサウナ造りの蒸し風呂でジーンと話していたが、

ここから街への行き方が分からないと情報収集も出来ないし

そもそもリバーガーデンのどこら辺りに居るんだ、それすらワカラン。


「まあ、食材の買出しやらで出る事になるから

 そんな急いで考えなくてもいいんじゃないか、一月くらいあるのだし」


「それはそうだけど・・・」


ジーンって思っていたより順応性が高いのかも、いや俺がすでに

ホームシックなのか、早すぎの様な気もするが海の近くで育ってきたから

周りを森林に囲まれて木ばっかりというのに嫌悪感を抱いているのか


”森林の香りってリラックス効果あるって聞いたんだがなー”



ローレンスとジェフリーが風呂に入ってる間、湯釜の様子を確認し

2人が出た後にローレンスから明日の朝6時に2階の居間に来るように

指示をされた。使用人としての執事服の着用を教えるという事だ。

どうやら本低の中にテーラーという仕立て屋があって採寸を計っていたのは

そのテーラーにサイズを合わせてもらっていたのだと言う。


”家の中に仕立て屋がいるのかっ、というか店ごと何軒かありそう”


ティアナが2階ならどこの部屋でも使っていいと言っていたので

俺はなるべく絨毯が硬い部屋を探していたが、”ないんだなーこれがっ”

ジーンとジェフリーが何処へ行ったのか分からなくなってしまったけど

もうソファーが大きい部屋でいいやと屋敷の正面にあたる部屋に決めた。



ーラングフォード家 別邸3階 夜21時頃ー


アリッサと一緒にお風呂へ入った後、昨日の事を思い出したララは

シンシアに一緒の部屋にしてアデルを監視する様に頼んだ。


昨日は気づいたら本低の使用人が休憩する様な部屋に居て

何故か数人の使用人に取り囲まれていたので、

状況からアデルが夜中に物色をしている最中に捕まった事を悟ったが

ティアナにお腹が空いてと説明するハメになったのは恥ずべきこと。


”さすがに一人にしておくと、また屋敷内を物色するはず”


いちおー、アデルとは意識内で話す事が出来るのだが

都合が悪い事があるとアデルちゃんはシカトして何も話さないので、

ララはシンシアにベッドに縛り付けておく様に言ったが、

船の上でのアデルちゃんは比較的おとなしい子だったのもあって

シンシアはそこまでする必要はないと船での事を説明し、

自分の右足首とララの左足首を長紐で結ぶ程度に留める事にした。


ー別邸3階 夜22時前 ララ就寝ー


屋敷3階の一番左端の部屋で窓を開けてベッドの上で本を読んでいた

シンシアはララの寝息が聞こえ始めたと思ったら、ガバッと起きたので

アデルの意識と入れ代わった事が分かり、読んでいた本に栞を挟んで


「アデルちゃん?ララちゃんに昨日の事、謝ったの?」


「ふんっ、何処だここは?また昨日と違う部屋の様だが

 ここの所、よく移動するよーじゃの、お前達は」


謝ったの?という問い掛けに余計なお世話といった感じで

悪びれた様子を一切見せないアデルは昨日と部屋が違っているので

見渡しながらシンシアの方を向くと部屋の窓から月が満ちているのが見えた。


”ククク・・・そうか、満月だったのかどうりであの力があるはずだ”


窓から月をみてほくそ笑むアデルちゃんの姿がこれまでと違う

小悪魔の様に見えたシンシアは嫌な予感が走って、アデルちゃんの手を取ると


「ど、どうしたの、アデルちゃん。何かいい事あった?」


「まあな、今宵。月が満ちておるとは思わなかったんでな」


「お月見のこと?昔もそういう風習あったんだね」


どうしたのだろうか、これまでと違うアデルちゃんの態度に

シンシアはお菓子が食べたいのかなとか、お月見したいのかなと思ったが


「シンシア、お前は何故、狼男が満月のみに変身するのか知っておるか?」


「狼男?ライカンスロープの事かな?うーん、どうしてだろう???」


「月の満ち欠けには不思議な力があると言われておる

 まあ月の光によって奴らは変身するのだがな、満月の夜は特別という事だ」


狼男と聞いてシンシアは昔に読んだ本の知識でしか知らなかったが

確か変身すると理性とか記憶もなくなるから吸血鬼の手下として

働いているんじゃなかったっけ、働いてるというのも何だけど・・・。


「分かった!アデルちゃん、お月見しようっ

 お菓子いっぱい用意するから、ちょっと待っててね」


「ホントか!さすがシンシアだ。うんと甘いヤツが良いぞっ」


何だかアデルちゃんの様子がヘンに思えたけど

船の時もお菓子で手懐けていたシンシアは四次元ポッケの裾から

様々なお菓子をテーブルに取り出すと。嬉しそうにそれを眺める

アデルちゃんが普通に戻っていたので安心したのだった。


※アデルちゃんの”あの力”とは

 理力と呼ばれる超能力の様な力。フォースともいう。

 満月の時のみこの力を宿す事が出来るが、朝には無くなる時間制限付き。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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