別邸への道中
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ 螺旋階段
ジェフリー アロハマシュマロ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
ーラングフォード家 本低 午後ー
サイズを測ってもらっていた時に何故かジェフリーだけは2種類あるらしく
といってもあの体格だから、屋敷内に服のストックがあっても
オーダーメイドになると思うが、フルアーマーだってそうだったはず。
”女子達と別の部屋で測ってたけど、メイド服ってどんなだろ?
あと、先輩が女の子っぽい格好をするなんて思いもつかない”
女子組で唯一、鳶職のおっさんみたいな服装を好む人だからなー。
色んなアイテムを収納できて動き易く、素材が軽いハードレザーの装備と
普段着はダボッとしてるのが多くてズボンが好みの様だ。
”実家が職人系のガテン仕事なんじゃないだろうか”
それだとやたら身が軽くて手先が器用というのも納得がいくのだけど・・・。
「おい、リシュ、荷馬車が来たみたいだぞ」
屋敷前で荷馬車の到着を待っていろ、とローレンスに言われてジーンと
待っていたが、やって来たのは俺達が乗った辻馬車の倍はあるヤツだった。
”どんだけ荷物持って行くつもりだよっ!引越しレベルじぇねーかっ”
ティアナめっ、別邸に自分の荷物の全てを移すつもりなんじゃないかと
思えるほどデカい荷馬車。これに積み込めと?別邸って何もないのか
いや、さすがに家具くらいは置いてるんじゃ。
「しかしデカい馬車だな、そんなに持っていくモノがあるのか
俺とは身の丈の違うお嬢様ってのはワカランもんだ」
「ま、まあね。俺もそう思うけど何か理由があるのかも」
「理由?こんだけ大きい屋敷だし、別邸とやらに家具やら
置いていても良いものだが」
ジーンも俺と同じ疑問を感じていた様だが、
ティアナに兄弟がいて親とも仲が悪いんじゃないかと憶測を説明した。
でないとバークレイルに1人でいて盛り髪修道士になった説明がつかない。
「あー、確かにそうだな。だからバークレイルに居るのか」
「だろ?悪までもそうじゃないかっていう話しだけど」
「ほらっ、お前達。荷物が運ばれて来たぞ
早く馬車へ積み込むのだ」
本低に着たのに次の日に別邸へ行く事の疑問をジーンと話していると
使用人が運んでくる荷物を馬車へ積めとローレンスが俺達に言ってきた。
「一体どんだけあるんだ・・・」
ほとんどが木箱に入っているので中身が分からないけど
重さはそうでもない。ワインやら酒類もあったけど重いのはそれぐらいだ。
”もしかして、ほとんど洋服とか装飾品なんじゃ
いや、食器類とかもあるか”
◇
荷馬車へ別邸に持っていく荷物を積み込んだ後、
女子組はティアナと一緒に辻馬車に乗って、
男子組はローレンスと荷馬車で辻馬車の後を追う様に走っていた。
「ところで、何で皆さんはお嬢様と一緒に
リバーガーデンへ来られたのだ?しかもヘルミナ様まで」
荷馬車に乗っているとローレンスが俺達に問い掛けてきたが、
ティアナのヤツ、一切説明していなかったんかっ
正直、どう答えようか迷った。このローレンスって人にとって
うちのマスターは特別な人みたいだ。でなければ負けていられないという
言葉は出てこない。現在のシーフの事を知っているのだろうか?
”そんな人に実はウォーレンさんからイケメン探せって言われてましてね
あははっとか、冗談じゃ済まなくなるぞ、絶対っ”
俺はジーンとジェフリーに目配せをして、先輩がした様に
ここは俺にまかせてくれと合図した。こんな時に先輩がいればっ
「いやあ、コロッセオに有名な剣闘士が居ると聞いて
ティアナさんに是非見てみたいと相談したのですよー」
「おおっ、そういえば、闘剣の貴公子と呼ばれる
青年がいると聞いておるが、コロッセオの試合を見に来たのか」
「ええ・・・かなり腕も立つ、美青年と聞いているので
その人物の実際の剣捌きを見てみたいなーと」
”我ながらナイスな答えのはずっ、マスターの事には触れてない!”
「なるほど、それは良い気構えだ
彼のものは幾度となく闘技会で優勝しておると聞いておるしな」
噂話しだから半信半疑だったけど、本当の事だったのか闘技会で優勝している
って、そうなると札束で頬を叩いて動く人なのかって事が大問題だ。
優勝者に賞金が送られて、それが目当てならなんとかなりそうだが・・・
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。