役割を決めなさい
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ アデルちゃん
ジーン・トアロ 輩ウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー アロハマシュマロ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
ー航海2日目の夕方ー
ティアナに呼び出された俺達は船内にある洒落た雰囲気のお店の様な所で
テーブルに座っていた。先輩に聞くと上客専用のメインダイニングキッチンで
”つまり、ワンランク上のお食事をお楽しみください”
少し大きめの椅子に座っているティアナはあの異様な盛り髪じゃなくて
髪を下ろして両側にリボンを付けているけど飾りの無い所を見た事がない。
”こういう所、初めてなんだがっ!マナーとかあるんじゃないのか”
そう思って周りを見てみるとジーンと先輩も挙動不審になっている。
「あの、ティアナさん。俺こういう所で食事した事が
ないのですけど、マナーとかあるのですか?」
俺の質問にジーン、先輩、シンシア、リリィも手を挙げて
”同じく”みたいな表情になっていた。良かったー、他にもいてっ
「気にしなくても大丈夫よ、そういう礼儀は
使用人として仕える様になったら仕込むから」
「えっ?あははは、そうですか、有難う御座います」
”忘れているワケじゃなかったけど、仕込むって・・・”
「ティアナさん、僕達に話しがあるって聞いたのですが
一体どんな事なのですか?」
さっき手を挙げなかったという事はジェフリーはマナーを知っているのか
分らないけどティアナの話す内容が気になっている様だ。
「そうね、どうやら予定より早く到着できそうとの事なので
これからの予定を話しておこうと思ってね」
「ほんとっ!やったぁー、他に方法ないかと考えて、あっ」
予定より早くリバーガーデンへ着きそうだという
ティアナの言葉を聞いてアリッサは嬉しそうな声を上げたが
隣にいるララを見て、焦る様に口を手で隠した。
”やっぱり・・・また何か企もうとしてたのか、この問題児はっ”
「これからの予定ってどんな事なのですか?」
「具体的には、到着したらまず私の本邸へ向かうわ
別邸の鍵が必要だし、荷物も色々とあるから」
なるほど、まあそれは当然っちゃ当然か鍵がないと入れないだろうし
別邸へ移す荷物とかもあるんだろうな。
「あと、あなた達は役割分担を決めておきなさい」
「役割?分担?それってどういう事です?」
「使用人としての分担でしょ、本来は執事長やメイド長が居て
その人達が新入りの面倒を見ながら専属分野へと振り分けるのよ
フォーマルな場合、主人に対して話せるのは上級使用人のみだからね」
何の事だか分らなくてティアナに質問したけど、ララが説明してくれた。
「あら、詳しいのね。この子の言う通り別邸へ着いてからの
それぞれの役割を決めなさいって事よ、やるべき事はこの表に
書いておいたから、後はあなた達で話し合いなさい」
全員に手渡された表を見てみると一覧の様に次の事が書かれてあった。
洗濯、掃除担当、料理担当 食材調達係り、給仕係り、衣類の管理
食器や酒、灯火、鍵の管理、家の警備や設備の点検、花の手入れ、草むしり
お嬢様の護衛、送り迎え、予定の確認、書類整理、骨董品の手入れ、風呂焚き
”多すぎじゃねーのっ、と思ったが、この他にもあった”
紅茶の淹れ方や朝起こしにいくのも俺達がやる仕事みたい・・・。
淹れ方とかあるのか、全然知らないんだけどっ!
「えらい多いの、いつもこんなんしてるとメンタル削れそうや」
”それに護衛って、このツノ娘にそんなんいらんやろ”
「あんたは警備担当とか食材調達が合ってそうね、雑そうだし」
先輩がメンタル削れそうって言うの初めて聞いたんだが、
それに追い撃ちをかける様な事をいうティアナさん。雑だからというより
”性格的に几帳面な事に向いていないって事だろうな”
「そういえばというか、リティアさん達に聞いてみたい事があったのですが」
「うちらに?どーしたん?別に構わないで」
「いえ、何となくいつも6人で一緒に居る事が多いですよね
もしかして、同じユニオンのメンバーとかなのですか?」
ジェフリーが先輩に聞いた事は、まあ砂丘に2度も行くとか
普段関わりが多いから聞いてみたのだろうけど、ユニオンって何だ?
そんな単語、チュートリアル時代にも聞いた事がなかったのだが・・・。
※ユニオン 色んなジョブの冒険者が集まって結束している組織。
他の呼び名ではギルド、クランと同じだがこの世界ではユニオンと呼ぶ。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。