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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
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ララの苦難

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ お子様メイジ

ジーン・トアロ 盾ありウォリアー

マリア・ヴェルナーデ ドリル

ジェフリー マシュマロボディ

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 盛り髪修道士

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

ー2日後の夕方、アリッサ宅ー


モダンな雰囲気のダイニングルームで両親やララと夕飯を食べながら

リバーガーデンへ行く事を両親に話してるアリッサは荷物の事を考えたいた。


「そういえば、十数年前にコロッセオは

 戦いで消滅したと聞いたけど今は再建してるんだね」


アリッサの父の言葉を聞いた途端、スプーンを口へ

持っていこうとしたララの手が止まり、表情を固まらせてしまう。


「ふーん、そんな事があったんだ。大変だねー」


「当時は一大ニュースになったものだよ

 なんせ闘技場に居た人達全員が女神送りになったんだから」


「そ、そうなの、よくそこから立ち直らせたものね

 まああの界隈じゃ闘技会がなくなると国の収支に関わるからだろうけど」


平静を装おうとしているのか微妙にぎこちないララだが

あの界隈という言葉からアリッサの母は妙な違和感を拭えず


「ララちゃん、随分と詳しそうだけど

 レーヴェンベルクへ行った事があるの?」


「ヴァレンシアに居た頃に何度かね

 主に視察だったから各地の貴族との交流が中心だったけど」


「あら、そういえば宮廷に仕えていたのだから詳しくて当然ね

 ララちゃんも一緒に行ってくれたら安心なんだけどねぇ」


アリッサの母が案じている通り、アリッサはララに一緒に行こうーと

声を掛けたが、目的地がリバーガーデンと聞いたララは嫌だと言って

聞く耳をもたず、アリッサが駄々をこねても頑なに拒否して無駄だった。


「よーし、じゃあ私、上いって準備してくるねー、ごちそうさま」


ララ達より先に夕飯を終えたアリッサは部屋へ戻って

準備をしてくると言い、席を立って階段に向かって行く。


「ララちゃん、おかわりは?」


「大丈夫よ、少し食べ過ぎたかしら・・・眠気が」


「そうなの、眠たいのだったらちゃんとベッドへ行くのですよ」


ーアリッサが部屋へ戻って数分後ー


眠気が凄かったララはテーブルに腕を組んで顔を乗せたまま

寝てしまっていたが、アリッサの母がベッドまで運ぼうとして近づくと


「ようやく寝おったか、おい、アリッサは何処へ行った?」


「ア、アデルちゃん、アリッサならお部屋に居ると思うけど」


「そうか、メシを食ってたのか、どうりでララが寝たわけだ

 ところで、デザートはないのか?うんと甘いモノが良いぞ」


※アデルちゃん かつては暴君と恐れられていた悪魔

数百年間、宝箱の中に居た為に現代に興味津々で甘いモノが大好き。

アリッサの両親には憑依してると説明しておらず、二重人格設定にしている。


「えっと、確かマロンクリームのケーキがあったから

 紅茶と一緒に持ってくるわね」


その頃、アリッサは旅行カバンに詰める物で悩んでいた。

最初はメイジの装備品も持って行こうと思っていたが、人探しなら

別にいいんじゃないかと、他の人はどうするんだろうとか。

使用人って何をする人なのか全然分らないし、面倒になってきていた。


「アリッサ、そんなに部屋を散らかして何をしておるのだ?」


「あー、アデルちゃん、うーんとねー、旅行の準備だよ」


「旅行?旅をするのか?どこへ行くのだ」


デザートを食べ終わったアデルはアリッサが部屋の中であれこれ

服を選んではカバンから出し入れするのを見て奇妙な事をしていると思い、

声を掛けたが旅の支度をしているとは予想外の事だった様だ。


「何だっけ・・・リバーガーデンって所だよ、船で行くんだって」


「本当かっ、ワシも行きたいぞ!他の国の食べ物も見ていたいからなっ」


「うーん、でも、ララちゃんは絶対に嫌って言ってたよ」


ララと話した時のあの拒絶の仕方では絶対にリバーガーデンへ

行かないと思ったアリッサはアデルにその経緯を説明した。


「なーに、良い方法がある。ワシは行きたいのだからな」


「え?どうするの?」


そういうとアデルはアリッサに耳打ちして小声でその方法を伝えた。


ー出発当日の朝ー


アリッサ宅にある庭のテーブルで紅茶を飲みながら

読書をしていたララは人が近づいてくる気配を感じて後ろを振り返った。


「お、おはよー、ララちゃん、いい朝だねー」


「おはよう、あなた今日出発でしょ、時間大丈夫なの?」


「えへへ、出発前に挨拶しようと思って」


旅行に出掛けるにしては両手を後ろにして手ブラな事が気になったが

アリッサの性格からして面倒になって現地調達してもおかしくないと

思ったララはその事には触れず、紅茶を手に取った。


「それは感心な事ね、私の日頃の」


「ごめん!ララちゃんっ」


”ゴッッ、ぶはっっ”


ララが言いかけて紅茶を一口飲んだ所を後ろから

後頭部めがけてブ厚い古文書でアリッサがぶっ叩くと

ララは口に含んだ紅茶を噴出してテーブルに突っ伏してしまい

気を失っているか恐る恐る近づいて確認する放し飼いサモナー


「おまえな、ちょっとは加減しろ、目覚めたらキレるぞ、こやつ」


「だって、魔法だとララちゃん勘が凄いから気づかれるし

 気絶させるのなら思いっきりいかないと」


「まあ、これでワシが船に乗ればララも諦めがつくじゃろ」


気絶させたらアデルが意識を乗っ取れるからどうにかしてララの意識を

飛ばせとアリッサに伝えたが、もしかしてこの娘にアドバイスは危険かも

知れないと後頭部を摩りながら思いに耽るアデルであった。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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