船旅の前
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
ティアナの提案してくれた事は俺達にとってメリットが大いに
ありそうな事だけど、問題は使用人として仕えるという事だ。
そうなると街中で調査してる時間とか出来ないんじゃ。
「リッちゃん、行きましょうっ!
お嬢様に仕える事なんて滅多に経験できるものじゃないですよ」
「ちょ、シンシア、何でそんなノリ気やねん」
先輩は考えあぐねている様だったが、シンシア姐さんは目を輝かせるほど
お嬢様のメイドというのが気に入ったっぽい、相手があのティアナだけど。
「使用人になってもーたら街中で調査とか出来へんやんか
目的はマスターのお目にかなう男を探す事やで」
「それなら心配ないわよ、交代制でも構わないし
第一、使用人っていったって雑用メインだから」
「雑用ねぇ・・・”絶対このツノ娘の事やから何かあるで”」
先輩はティアナに疑いの眼差しを向けているが、
実際問題、現地での滞在を考えたらティアナの案に乗るのが一番いい。
ギルドのお金を使わなくて済むし、ティアナがいれば案内役になる。
「しゃーない、多数決でいこう
リバーガーデンで別宅借りて使用人になる事に賛成なひとー」
「私はむしろ歓迎です!」「ティアナさんの故郷かー、行ってみたいかな」
「私もいいよー、使用人って何?」「俺も賛成だ、現地に詳しい人がいるし」
「僕は皆さんに付いていきます」「まあ、金銭的な事を考えたら賛成です」
どうやら大方の者がリバーガーデン行きに賛成の様で皆の意見を
聞いた先輩は、意を決した様に席を立ってティアナに握手を求めた。
「うちも賛成や、きっちり借りは返したるで」
「そう、なら良かったわ。お互いいい関係になりそうね」
握手をしながら笑っている2人の笑顔が凄く怖いのは俺だけなのか
禍々しい黒いオーラを放っている様に見えるのだが・・・。
「目的地まで船で行くのですよね、どのくらい掛かるのですか?」
「確か3日後の午後に出航するわね、船旅は4日くらいかしら」
「よっ、4日ぁ!!」
船の上で4日も過ごす地獄の事を考えてしまって大声を出してしまった。
常に揺れてるなんて、いやむしろ俺の方も揺れれば相対運動なのでは
「どうしたん?4日でも早い方やと思うけど」
「い、いえ・・・つい4日も船の上に居るのかと思ったら声が」
「あー、そういえばリシュくん、実家が漁師やってんな」
そんな事、先輩に話したっけ?と一瞬考えてしまったが、
そういえばチュートリアル受けてる時に雑談で話したかも知れない。
「え?親が漁師やってるの?」
「ええ、オヤジが船乗りで子供の頃から手伝いはしてましたね
ただ船酔い体質なんで、あまり船に乗ってなかったですけど」
「漁師の息子が船酔い体質って・・・」
ティアナが半ば呆れた表情で話しかけてきたけど、
体質を否定されてどーしろと、改善できる方法があるなら知りたいわっ
「へー、私の友達にも親が漁師の子居るけど、知り合いだったりしてね」
”うん、その子はね。俺の妹なの、とはアリッサに言えなかった”
「ともかく3日後に出航するから、皆それまでに準備して
出向時間の少し前に搭乗手続きする待合場に集合かしらね」
「へー、そんな場所あるんや」
「あんた、こっから出た事ないの?待合場で搭乗窓口に行く前に
申請用紙に記入するの、あと戒律を示す石も忘れずに持ってくるのよ
あれがない者がどんな奴らか分るでしょ、密航は重罪だからね」
ティアナに嫌味の様に言われて愛想笑いしてる先輩だけど、
確か蒼の時にもララが戒律がない者は重犯罪者って言っていたっけ。
スキルを剥奪されて戒律がないのに密航出来るものなのかな。
とりあえず忘れない様にしないと、乗船できなかったら何を言われるか
「午後からだからね、12時前には集まっていなさいよ」
すでに主の様な振る舞いのティアナさんに俺達は圧倒され、
3日後に落ち合う為に準備等があるので、その日はお開きになった。
しかし船旅が4日か、たまに大きな客船が来るのが見える事があるけど
あのぐらいのデカさなら波のうねりが酷くない限り安定してるから
酔うのもマシなんだけどなーと思いつつ家路へ向かった。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。