一攫千金を狙う採掘者
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
マスターから顔のいいヤツを探して来いと依頼された俺達は、
とりあえず今後どうするかを話し合おうとレンストランへと向かった。
対象となる人物を探し出す期限は1ヶ月ほどで定期的に連絡する事。
俺とリティア先輩以外の他ジョブのマスター達に話しは付けとくそうだ。
”まあ、貸しあるから1ヶ月ほど預かるぞっていう事だろう”
「しっかし、どうするかのー
この街の近辺じゃ探せないし、探すとしても面倒そうや」
「幅が広いんですよね、あの店に来る客・・・。
そうなると万人に受けそうな男性っていうか」
店内で円卓の様になってる場所で先輩とシンシア姐さんは問題点に
なりそうな事を話し合っていて、アリッサとリリィ、ジェフリーは注文を
しにカウンターの方へ、俺とジーンンは”ほぼ空気”だった。
”あんまり行かないしなー、ウェンディーのお店
女性客が多いのは知ってるけど”
ジーンもおそらく俺と同じだろう、っていうか
男が男を探すのって、何というか”微妙な気持ち”なんだが・・・。
相手が決まっていればいいのだけど漠然とし過ぎてて、どうするか。
「飲み物とか注文してきたよ、これからどうしようか?」
「で、どうするー?いつこの街出るー?」
皆の分の注文を終えたリリィは少し困り気味な表情だったが、
対象的にアリッサはマスターがこの街に縁のないヤツがいいと聞いて
それまで文句を言っていたのが一転、街から出れる事に興味津々なご様子だ。
「そやなー、どうしたもんかの」
「アリッサちゃん、とりあえず街を出る前に
ある程度の事は決めておかないと、手当たり次第というワケには」
「うーん、じゃあ、大きい街ってどこらへんにあるの?」
リリィとアリッサの言葉に先輩も困った様で濁していたが、
シンシア姐さんは何か案があるのだろうか落ち着いている。
「えーと、大きいといえばこの街の他に3つありますよ
ヴァレンシアの下で連邦になっていて、ランカスターと呼ばれていますね」
「???、3つなの?名前が2つだけど・・・」
シンシア姐さんが説明してくれたが、俺もアリッサも困惑。
ヴァレンシアが王都なのは分るけどランカスターって何だ?連邦?
「つまりあれや、王都ヴァレンシアの主権の下に結合して形成する国家が
3つあって、エストリア、オリオール、レーヴェンベルクやったかいの」
”いきなり名前が増えたけどエストリアはこの国だ、他に2つあるのか”
なんていうか子供の頃に地図を見た事があるけど、全く意味が分らずに
親に聞いてもエストリアから出ないと言って話してくれなかったっけ。
町の名はバークレイルといい、貿易港になってるから人が多いと聞いた。
「んー、この国以外に2つあるってことー?」
「ヴァレンシア入れたら3つやな、まあ、あそこには行けんけど」
「なんで?他の所に行けるのなら大丈夫じゃないのー?」
うん、俺も同じ疑問を抱きましたアリッサ先輩。他の国へ行ける?のか
ワカランけど先輩がヴァレンシアは無理という理由の方がもっと分らない。
「ヴァレンシアへ入るのには条件があるのですよ
簡単に言うと上位職へ転職可能な能力値がないとダメって事です」
”な、なんだってーっ、そんな格差社会みたいな構造だったんか
上位職のみの上流階級しかダメって・・・なんてこったいっ”
「あー、それ、ララちゃんが言ってたの思い出したー
メイジだとINTが最優先で上がるから
上位職になるのだったら何たらかんたら長くて面倒だったなー」
「まあ、そういう事でヴァレンシアはないっちゅーわけや
と、なるとオリオール、レーヴェンベルクやな」
先輩達が居て良かったー、世界というかこの国すらどうなってるのか
興味なかったからシーフに向いてなかったら漁師は体質的にムリとして、
船の知識から採金船を設計する方法を考えて
金脈を探し当てて一攫千金を狙う採掘者になろうかと思ってたぜ。
※土砂の中に金粒を含む鉱床,いわゆる砂金鉱床の採掘に使用される船。
「どしたん?リシュくん、考え事け?」
「あ、いや、俺よくシーフに成れたなーと
この国の事すらほとんど興味なくて知らなかったんで」
「シーフはあれや、基本DEXの値がギルドが定めている数値あれば
オッケーやで、他のギルドもそうやし、というか普通に生活してれば
成れるやろ、むしろ成れなかったらどうするつもりやってん?」
※DEX 手先の器用さ、罠の識別、解除。攻撃時のハードヒット率に
影響する能力値。シーフになる為には基本値が10あれば良い。
って事は、俺はシーフギルドの定めている基本の値があったって事か
子供頃から漁で使う網の修理を手伝ってたおかげかも、有難うオヤジっ
「どうっていうか、グローリーホールって知ってます?
あれをどうにか人生賭けて探してみようかと」
「それって、昔に海賊達が財宝放り込んだっていう場所やろ
金脈が関係あるらしいけど、本当にあるかワカらへんヤツやんかっ」
「へー、そんな話しもあるんだ。海賊かー、ロマンあるね」
やはりこういった事に詳しいな先輩と改めて思いました(まる
リリィがロマンと言ったのは海賊の事を知らなかったからだと思うけど
漁師達の間ではグローリーホールは存在すると言われている。
「まあ、スキルそのものにも習得に必要な値があるからの
気をつけーや、Lv上がってもDEX値がないと習得出来んモンもあるで」
「そ、そうだったのですね、気をつけます」
意外というかシビアなんだなー。
レベルが上がってもスキル習得出来ない場合もあるのか、
もしかして先輩が出戻ってるのってそれに関係してるんじゃ。
「あんた達、こんな所で雁首揃えて何してるの?
シーフのマスターに呼ばれてたんでしょ」
「ティアナさんっ、もうミッション終わったんですか?」
先輩達と話していて気づかなかったが、声がして後ろを見ると
あの盛り髪修道士がジュースを手にして立っていた。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。