混沌の女たち
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 盛り髪修道士
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
”いや、あんたさっきまで隣におったがな”
ツッコんじゃいけない空気の中、颯爽と登場したティアナのあの髪型。
なんていうか教会や修道院の様な広い場所を照らす為に天井から
吊り下げられてる蝋燭の山みたいなヤツ、”歩くシャンデリアだ”
もしかしてリリィがバインド系の魔法を使ったのも”演出”の為じゃ。
「まあ、見てなさい。この私の必殺技をっ」
足止めしてセリフを言う為に使ったんじゃないかと思い始めた俺と
もはや呆然としているジーン達。どこからその自信が来るのか
理解不能だが、ティアナにはクマさんを倒す秘策があるらしい。
「お、おい、大丈夫かあの女。さっきと様子が違い過ぎるんだが」
どうやらジーンは体調が悪くなっていなくなったと思ったら
別人の様な仕上がりになって戻って来た事に困惑してる。
”うん、まあ困惑するよね、戻ってきたら髪型あれだもん”
「あなたが”オス”だった事を後悔することねっ
逆スイカ割りデンジャラスキッーークッ」
背を向けてバインドで束縛されているアサルトグリズリーに
ティアナはダッシュして行き、渾身の力を込めてクマさんの
股間めがけて蹴り上げた。※おそらく急所の金的である。
”なっ、なんて恐ろしいことをっ”
その光景を見ていた俺とジーンは思わず股間を抑えてしまい、
リリィは恥ずかしさから顔をそむけて、アサルトグリズリーさんも
聞くに堪えない呻きと共に消滅してしまった。
「ふっ、勝ったわね、ツイてたから効くんじゃないかと思った私の勝利っ」
「あいつ・・・オスだったのか」
”よく戦闘中にそんな所まで観察していたな、と逆に感心するわっ”
「い、いや、いくらなんでも今のは・・・おいっ」
「ちょっと待てっ、ジーン」
ティアナの攻撃に納得のいかなそうなジーンが突っかかろうとしたが、
俺には”思い当たる”事があって、ジーンの肩を掴んで引き止めた。
「何だ、リシュ、お前だって男だろ、今のはキッツいぞ」
「そうじゃない、いいか、よーく聞いてくれ
砂丘で戒律別になった事を覚えているだろ?」
「ああ、確かシンシアとララ、あそこにいる
ジェフリーが一緒だったな。それがどうかしたのか」
流砂に飲まれ戒律別になった俺達は互いの行動を知らなかったが、
結果的に魔法陣の転移先が山羊頭の所で同じだった。
「あの時、俺とリリィが一番先に転移先に着いて
その後に先輩とアリッサ、そしてあのティアナが来たんだ」
「わ、分らん、それと何か関係があるのか、今の問題はあの女が」
「考えるんだっ、ジーン!」
俺達の後に先輩達が来た事の意味が分からずにいるジーンに
俺は怒鳴る様に言った。これは深刻な事なのだ。
「いいか、先輩達と居たって事はアイツの戒律は”混沌”なんだ」
俺の言葉に”ハッ”とした顔をするジーン
「もし、この場に先輩とアリッサが居たとしたら
先輩は間違いなく、あの熊のタマタマを蹴れる、そういう人だ。
アリッサなら面白がって魔法で攻撃するかも知れない」
「うっ・・・つ、つまり・・・」
「俺達が何を言ってもムダって事さ
お前だって先輩とアリッサの性格は分かったろ?」
俺の言葉にジーンは考え込んでいた。おそらくこれまでの
先輩とアリッサの行動を思い起こしていたのだろう。
※リティア リシュの先輩でシーフでありながら様々なスキルを
持つ女性だが、ノリ重視というか軽い性格をしていて人の話を聞きそうにない。
※アリッサ メイジだけど呼び出した召喚獣を放し飼いにする性格
面白がって何をするのか予想不能な問題児でこれまた人の話を聞きそうにない。
「た、確かに戒律が混沌なら何を言っても聞く耳を持たないか」
「やっと分かってくれたか、混沌の女たちの事を」
肩を落としているジーンに優しく手をかけ、
アサルトグリズリーを倒して優越感に浸っているティアナを見る僕。
混沌の女3人がパーティーにいたらHPよりメンタルが削れる事だろう。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。