クリティカルが弱点な男
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
女神送りにされた現場へ向かっている最中、ジェフリー達って砂丘の
戒律別になった時、どーしたんだろうと考えていたら、
リリィは俺と同じだったけどジェフリーは秩序組と居た様な。
”だとしたら、あの鎌のやつと出会ってるよな”
あれをどうやって切り抜けたのか謎だけど、よく考えたらジェフリー
そのものが謎の人だったわ。人間?なのか微妙だけど、もしかしたら
ヒゲ生える前の若いドワーフなのかも、若造という言い方も妙だが、
ドワーフだとしたらジェフリーの体格が酒樽みたいなのも納得がいく。
※ドワーフ この世界で共生してる種族のうちの1つで南西部を生活の
拠点にしている。ノームと呼ばれる種族と繋がりが深く、アデルが居た頃は
色んな種族間で争いが絶えなかったが、現在では交流が盛んで人間以外の
種族が街にいても気にする人はいない。鉱山など力仕事を主流としている為か
筋肉質で身長は個人差があるが総じて足が短く、体の幅が横にデカい。
信仰心も強いので聖職者になる者もいるが酒に強く、酔うと気性が荒くなる。
土方のおっさんを太らせた風貌でヒゲの長さで年功序列が決まるという。
”そういえば、ジーンがロードを腰掛けするの不思議がってたな”
盾職から何のスキルを継承するのだろう、前職さえ不明な人だからなー。
と考えていると俺達が女神送りにされた場所が近づいてきて、
凄まじい咆哮と士気を高める為に多数の人が一緒に叫ぶな声が聞こえてきた。
「何いまのっ、あれが問題のクマ?」
「凄い咆哮でしたね、でも先に戦ってる人達がいるので
人数で押せれば倒せそうなのかな」
「あっ、そういえば、この声で恐怖になったって言ってましたね」
リリィは突然聞こえてきた声に驚いていたが、
ジェフリーはそうでもなく、むしろ先に人がいる事に安心して楽観的で、
シンシア姐さんは恐怖になると言っていたのを思い出して
四次元ポッケの懐からから耳飾りを出して、今のと取り替えている。
「かなり近いな、ここで準備してそのまま特攻しよう」
自宅で装備を整えてきたジーンは片手斧を構え、俺は矢筒から毒矢を出して
弓に矢をつがえた。シンシアは盾役のジェフリーにバフを張り
リリィも杖を構えていたが、ティアナは何故か赤いオーラで包まれていて
初めてみる光景に好奇心でどんな意味があるのか尋ねてみた。
「ティアナさん、赤いオーラが出てるけど、なんですかそれっ?」
「あ、アタックオーラ、バッファー系のプリーストのスキルですよね」
「そう、これを取得したかったのよ
物理攻撃力を上げるスキル、修道士は手数多いけど攻撃は軽いからね」
そんなスキルがプリーストにあったのか、バッファー系って事はプリも
習得するスキルによって枝別れみたいな事になるのか、シンシア姐さん
とは違うって事なのか理解に苦しんだので聞いてみると
「私はピュアヒーラーと呼ばれる一度に回復できる量やデバフ治癒を
重視したプリですね、バフ系スキルはあまり取ってません」
なるほど、だから砂丘でプロレジやスーパーアーマーの
スキルレベルが低いとマスター達に話していたのか
「バフ有難う御座います。僕が先行して敵の出方を見ますね」
そう言ってアサルトグリズリーの方へ向かって行くジェフリーの後に
ついて行くと、どうやら多数の人達はあいつの恐怖からの攻撃で女神送りに
されたらしく誰もいなかった。”一瞬で全滅してるんかいっ!”
まさか声がしてた全員が女神送りにされているとは思ってなかったので
ツッコまずにはいられなかったが、ジェフリーはその様子を見て”挑発”
スキルを使用してアサルトグリズリーの背面を俺達に向ける様に誘導していく。
”おおっ!上手くなってる、あの置物マシュマロがっ”
これまでジェフリーの盾としての動きを何回か見た事があるだけに
流れる様に誘導していった事が信じられなかった。
「よし今だっ、背を向けている」
「チャンスね、一気に叩き込みましょう。って、あんた、弓?」
「いや、毒矢でデバフ状態にしてやろうかと」
「まあいいけど、それ撃ったらリリィの前に罠張って、近接に参加しなさいよ」
そう言われて頷いて答えたけど、ティアナと数度パーティーを
組んだ事あるが、なんだかんだでリリィの方を気遣ってるよなー。
こちらに背を向けているクマに毒矢をブチ込むという俺の願望を達成すべく、
持ってる毒矢数本を全て撃ったらアサルトグリズリーの恐怖を起こす咆哮が
始まって、その距離は遠隔に居た俺達には届かなかったが、ジーンがヘイトを
取ったらしくアサルトグリズリーは向きをジーンの方へ変えて攻撃態勢に入った。
”そうはさせるかっ、ジェフリーの元へ向けさせてやるわっ”
まあジェフリーがヘイトを逃がすだろうと、これまでの経験から
大方の予想はしていたのでアイツの足元にデコイを出してやったら
アサルトグリズリーはデコイの方へ敵意を向け直した。
「え?あいつ動けてるっ、何でっ!?」
てっきり恐怖の咆哮で動けないと思っていたジェフリーが
普通に盾を構えながら剣でちょこちょこ攻撃しながら動いてる。
”そういえば、ジェフリーが女神送りになったのって
蜂の時のクリティカルと山羊頭のクリティカルだったよな”
もしかして、この男。実は凄く堅くて耐性も高いけど絶望的に
足が遅くてクリティカルを交わせないんじゃと思った俺だった。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しています。