森のクマさん
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
ジーンの家は俺とは間逆の場所にあるので、
歩いて30分以上はかかる。俺の家は海側だがジーンは伐採を
やってるだけあって山側になるからだ。オヤジの手伝いをしてる間は
ミッションやら回す予定のなかったのでシャツにハーフパンツという
軽装だったが、短刀だけは腰の後ろに入れておいた。
ジーンの伐採場が見えてくると何か慌しい雰囲気があって
従業員達があちこち走り回っているのが見えた。
”何だ、なんかあったのかな”
近くに来てみると手に斧を持って山の方へ行く人やら
街へ急いで向かって行く人でてんやわんやしていたので
通りかかったおじさんに聞いてみると
「どうしたんですか?何か凄い騒ぎになってる様ですけど」
「クマが出たんだってよ、凶悪なヤツでもっと向こうの
山に居たんだがエサを求めてここまで来たらしい」
「クマッ!?」
熊ってあれだよな、人間より大きくて鮭とハチミツが
大好きな大型獣。まあ山の中にいても不思議じゃないというか、
”むしろ、森林生まれ渓流育ち 悪そうな奴は大体友達。だろうし”
「俺、ジーンに話しがあって来たんですが、
凶悪ってそんなヤバいクマなんですか、そいつ」
「ああ、ここいらじゃ
アサルトグリズリーって名のネームドだ」
”うわぁ、ネームドって紫オーラになるヤツじゃん
前に紫蜘蛛と戦ったけどあんなんがまだ近くにいるとは”
※ネームドモンスターは犠牲者が多くなると紫のオーラを纏う様になり、
さらに増えると赤紫のオーラになって賞金首になるので
バウンティハンター達のターゲットになるという。
あと稀にレアアイテムを落とす事があるらしく、トレハン目的で
紫オーラ狩りのパーティー募集があると先輩が言っていた。
「ジーンなら山の中に入って行ったよ
追いかけたら間に合うんじゃないか」
「ありがとう、追ってみますっ」
作業員風のおじさんからそう聞いた俺は山の中へと入っていった。
事が終わってから来ても良かったが、そのネームドを見てみたい
気持ちとジーンなら立ち向かっていくだろうと思ったからだ。
地面にある足跡を追いながら獣道を進んでゆくと、
大声で叫んでいる人達の声が聞こえてきて、凶悪熊が近い事が分った。
”うっわっ、デケぇぇぇー”
獣道を抜けて渓流沿いの広場に出ると、凶悪と呼ばれている
アサルトグリズリーが見えたが、立ち上がっている姿は4メートル
近くあって額に古傷らしきモノがあり、周りに人が大勢いたが
熊が攻撃する度に吹き飛ばされて女神送りにされている。
「あんなん熊じゃないだろっ、何を食べたらあーなるんだ」
「その声、リシュか、なぜここに?」
思わず声に出してしまったが、それで近くにいたジーンが俺に気づいた。
「や、やあ、何か大変な事になってる様で
あれがアサルトグリズリーってネームドか」
「ああ、本来は2つほど山を越えた所に居るヤツなんだが
エサになる鮭を求めて、ここまで来たようだ」
”ならもういっそ、食い尽くさせて他へ行ってもらった方がいいんじゃ”
とはツッコめなかった。
「ともかく手を貸してくれ、こいつが居たんじゃ
木を倒す前に俺達がやられちまう」
「おっけー、話しがあったけど後でするよ」
と、ジーンに承諾してダガーに手をかけたとこで気づいた。
”装備品、家に置いてるじゃん、俺”
「グアァァァァァッ」
そう思った瞬間にアサルトグリズリーの咆哮が聞こえ
俺とジーンは耳を劈かれて体が凍ったように硬直して動けなくなった。
「な、何だこれ・・・」
身体がワナワナと震えているが動こうとしても手足の自由が利かない。
「きょ、恐怖だ、こいつの咆哮には」
そう言いかけたジーンと俺にアサルトグリズリーさんの爪が見え
攻撃を食らってその場で女神送りになってしまった。
”強すぎだろ、このクマっ”
霊体モードになってツッコみを入れていると隣にいたジーンが
手招きをしているので復活場所が近くにあるのかと、
あとを付けていったら街中にある礼拝堂まで案内されたので
堂内にある女神像に祈って復活すると、奥の方で掃除をしていた
シンシアが突然現れた俺達を見て驚いていたのだった。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しています。