表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第三章 -イケメン探索指令ー
124/345

船酔い盗賊

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ お子様メイジ

ジーン・トアロ 盾ありウォリアー

マリア・ヴェルナーデ ドリル

ジェフリー マシュマロボディ

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 意識高い系のプリースト

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


第三章 -イケメン探索指令ー


その日、俺は船に乗っていた。

マリア達と別れて1週間ほど経つが、揺れる波を見ながら

ボーッとしているとオヤジの声が聞こえてくる。


「おい、リシュ、網を巻け」


なんでオヤジの船に乗って漁をしているかと言うと、

いつも手伝っていたバイトの数名が里帰りだそうだ。

で、募集をかけたけど来ないので俺が短期バイトとして手伝う事に。

小さい頃、何でオヤジに漁師になったのか聞いた事があるけど、

この辺りでは伝説級の漁師サンチェスに憧れてなったという。


”一体・・・どんな伝説の持ち主なんだっ”


例えば、怪物と云われるクラーケンや大海蛇シーサーペント

サメの数倍の大きさでクジラさえ襲うといわれるメガロドン

歌声を聞くとヤバイと言われるセイレーンや岩の上にいて

ヒトカラしてる魔女ローレライをソロで倒しまくったとか。


”ないない、そんな人なら漁師になってない、なってない”


そんな事を考えながら手動ウインチを巻いていると

季節漁なのか銀色の魚が網一杯に掛かっていて、例えるなら

両手に小さな銀色の釘を一杯すくったような、大量、大量。


「おー、いい漁だな、初ガツオだ」


よく分らないが、とりあえず目的の魚らしい。


「お前がこっちを手伝ってくれたらなあ

 パムも最近は家を空ける日が多いし」


「う、うーん、気持ちは分るけど俺の体質知ってるでしょ」


そう”船酔い体質”なのだ。こればっかりはどうにもならない。

船上での活動時間が決まっているみたいなモノで一旦波が来ると

数十分起きに吐き気が襲ってきてリバースの鬼と化す。


「よくそんな体質なのにシーフに成れたな」


”いや、盗賊に体質は関係ないだろ”と心の中でオヤジにツッコむ僕。

常に横揺れしてるシーフなんていたら見てみたいわっ

縦揺れだとヘッドバンキングになるけど、それも盗賊としてどうなの。


「ま、まあ、いい先輩がいるし・・・」


親を安心させる為に優しい嘘って必要になる事もあるよね。

でも先輩が面倒見がいいのは本当の事だ、ノリ重視だけど。


「そうか、楽しくやってるならそれでいいんだが

 パムなんて口も聞いてくれなくなったからなー」


”それってただの反抗期じゃ”とはツッコんじゃいけない気がした。


「そ、そう?少し前に砂丘の奥で見かけた時に

 パーティーの人らと楽しそうだったけど」


蘇ってくる”何でも貴重なタンパク源”にしそうな女ボディービルダー

よくあんなのと組めるな、常にエネルギーを補給してそうだ。


「砂丘って噂になってたヤツか

 お前達、そんな所にまで探索に行く様になったのか」


「・・・オヤジ、ヤバい」


「おお、こりゃいかん、おーいっ

 新しいバケツをもって来てくれ」


話していると急にまた吐き気の波が襲ってきて、

他の船員がオヤジの言葉に新しいバケツを用意して手渡してくれたが

表情がもう死にかけている俺には海の男が輝く女神に見える。


「息子さん、かなり参ってますね」


「まあ、こればっかりは酒と同じでどうにもならないな

 よーし、今日はこれぐらいで港へ戻るぞ」


これがキャラック船の様な航海を前提にした船だったら

揺れに対する安定感もあるのだろうけど漁船だしなー

顔色が酷い俺の事を案じてくれたオヤジ達は漁もほどほどに

港へと進路を変えて向かうのだった。



漁港へ着いて休憩場みたいなたまり場で休んでいると

何やら海の男達が話してる声が聞こえてきた。


「見たかよ、あのラーメン屋のウェイトレスっすげーよな!」


どうやら街中にあるラーメン屋の事を言ってる様だけど

そんなウェイトレスっていたっけか、俺もたまに行くけど

そんな人いなかった様な・・・新しいバイトなのかも。


「ありゃー、この辺じゃ見かけた事ないから

 どっかの街から流れて来たねーちゃんじゃねーかな」


「でもよー、稼ぎたいのなら夜の店で勤めるんじゃないのか」


「んー、確かにそうだな、昼間にあんな格好してるし」


話しを聞くに、話題になっている人物は女性で格好が特徴的っぽい。

”すげーよな!”って言ってるから見てみたいけど、

未鑑定品を見てもらうのにお金がいるんだよなー。

まあ街へ行った時に店を覗くだけでも姿は見れるか、

船酔いで疲れがMAXな俺は荷降ろしを手伝った後に家路へと向かった。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ