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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第二章 ー古代の暴君ー
123/345

黄昏時に終えて

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ お子様メイジ

ジーン・トアロ 盾ありウォリアー

マリア・ヴェルナーデ ドリル

ジェフリー マシュマロボディ

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 意識高い系のプリースト

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

街の入り口へと戻って来ると、辺りは薄暗かったが

聞こえてくるざわめきからまだ夕方くらいだという事が分った。


「おおっ!凄く発展しておるなっ

 それにこの芳ばしい香りっ、一体何なのだ?」


”まあ長い間、棺桶より狭い場所に居て、

 そこから出て来て、自分の知らない街になってたら俺でもそう思うわ”


と思ってアデルさんを見ると真紅の瞳をキラキラさせている。

ララとのギャップがあり過ぎて逆に新鮮、悪魔だよな、いちおー。


「ララちゃ、じゃなかった。アデルちゃん長い間あの中だったもんね

 これは”焼きとうもろこし”の匂いかな、美味しいよー」


さすがアリッサ、順応性が高い。ララとは姉妹の様な関係だっただけに

ララの姿で子供の様な反応を見るのは初めてで姉になった気分なのかも。


”何か嫌な予感が・・・いや気のせい気のせい

 ララが意識を取り戻したら元に戻る・・・はず”


「”焼きとうもろこし”か是非食してみたいぞっ」


「よーし、買いにいこーっ」


一抹の不安が過ぎったが、いくらアリッサでも慕っている

ララの身体の事だからそんな無茶な事は考えないと信じたい。


「おい、俺はもう戻るぞ、ギルドの状況を把握しないといけないんでな」


やりとりを見ていたマスターが切り出してきた。

シーフの頭なのだからギルド内の事を把握するのは当然っちゃ当然か


「はい、今日は有難う御座いましたっ」「ありがとー、マスター」


「おう、またな。マリア、例の件忘れるなよ」


同行してくれた事に礼を言って別れたけど、”例の件”って何だ?

元老院のジジィが報酬を出すわけねぇーとか言ってたけどその事なのかも知れない。


「マリアさんも戻られるのですか?」


「私?うーん、今日は宿屋に泊まろうかなー

 砂丘の報告書まとめないといけないし」


「本当ですかっ、じゃぁうち宿屋やってるので来ませんかっ

 良い部屋用意できますよ!」


先輩達もアリッサを追っていったので残っていたのは

俺とシンシア姐さんだが、マリアの事が気になっているのか

自分ところの宿屋を勧める姐さん。


「それじゃー、お願いしようかな

 あの子達、露店前に居るのね、丁度夕飯だしお店で食べましょうか」


マリアの見ている方向を見ると屋台前で”焼きとうもろこし”の

食べ方が分らないアデルさんにアリッサが手とり足とり教えている。


「俺たちも行きましょうっ」


何だかんだで色々経験出来たし、明日は明日の風が吹く。

とりあえずはシーフのスキルをある程度覚えてから考えようと

先輩やアリッサ達のいる所へ歩き始めた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ちょっと小洒落たレストランで食事をしていると、

お酒に酔ったマリアはマスターの事を色々教えてくれた。

俺は宝箱の”開錠”がシーフのみの特権であり、上位職だらけの

パーティーで唯一下位職の盗賊が活躍でき、これまで開錠率100%に

達したシーフがいないから極める為に盗賊になったと思っていた。


だけど俺の憶測よりマスターが現在の立ち位置となった

経緯は思いがけないモノだった。


孤児院で育ったウォーレンは素行の悪い幼少時代を過ごしていたが、

あるシーフに出会いその人からあらゆる事を教わった、本当の親の様に。

単独でトレハンをしてもっと稼ぎたいと思ったウォーレンはあらゆるジョブを

渡り歩き、マリア達とパーティーを組みながら上位職の全てを極めた。

しかしウォーレンがジョブを転々としている最中に、その親変わりだった

シーフは病で亡くなってしまい、ウォーレンはその人の意思を継ぐ為に

王都ヴァレンシアからのロイヤルガード(王直下の守護者)の任命を蹴って

現在のシーフギルドのマスターになったという。


意外だった・・・あのマスターが、しかし戒律が”秩序”と聞いて、

飲み物を噴出していた先輩達の姿は、何故か分った気がした。


第二章 -古代の暴君ー 終


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しています。

第二章が終わり、次の章へと続きます。


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