ヘイト操作とは
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
先輩が手にしてるブツを見ながら薄ら笑いをしてるマスターを見ていると
マリアと何か話していて急に表情が曇り、仕方なく何かを承諾した様な感じに見えた。
「何があったんですかね、あの二人」
「そのエーテルダイン巡って、何か商談をしていた様だが」
エーテルダイン?先輩が手にしてるモノの事をアデルさんから聞いたが、
マリアとの商談よりも、アリッサのオヤジさんの作ろうとしてるモノの方が謎だ。
”そんなエネルギーの結晶で一体何をするつもりなのか”
「あっ、もー時間切れみたい、せめて1日くらい動いてくれたらなー」
どうやら巨大化した”達人”の稼動時間の限界が来た様で
淡い光を放ちながら元の人形に戻ってゆく。
「しかしまあ、何だかんだで丸く収まって結果的には良かったの
アリッサちゃんの欲しいのも手に入れれたし」
まあ確かに先輩の言う通りなのだけど、何か心に引っ掛かっている、何かが。
”そうだ、俺はマスターにヘイトの使い方で来てもらったんだ”
結果的にアリッサの二代目ゴーレム”達人”が倒してしまったけど、もし達人が
いなかったら俺たちは山羊頭に勝てたのだろうか?アイツの多数の魔法攻撃を
考えたらヘイトをコントロールしたとしても勝てるビジョンが全く見えない。
「どうしたん?また考え事け?」
また真剣な顔になってるのを先輩に気づかれてしまったので
マスターにヘイト操作を頼んでいた事と達人がいなかったら
俺たちはアイツを倒せてたのか、それを考えていたと伝えると
「なんや、真面目やのお
そんなに気になるのならマスターに聞いてみればええやん」
「達人いなかったら、俺たちで勝てたか?ってですか?」
先輩にそう答えると無理やり手を取られて、
マリアとの話しで何となく疲れてそうな表情のマスターの前に来た。
「どうした、まだ此処に探しモノでもあるのか?」
さっきまで瓦礫を漁っていたので、おそらくまだ何か
あると思っているマスターに先輩が俺の疑問を投げつけて意見を求めてくれた。
「なるほどな、まあ結論から言えばムリだったろうよ」
「どうして・・・ですか?」
「いいかリシュ、ヘイト操作の基本はな
遠隔魔法職とヒーラーにヘイトが”飛んだ”時に使うもんなんだ」
マスターに”ムリ”と言われたが説明がないと全く分らない。
俺はコントロール出来たならジーンとシンシアに分ける事は出来たと思っている。
「つまりヘイトが飛んでから使うもんであって、
相手の挙動を見て使うもんじゃないって事だ、受け渡しが間に合わん」
”そう言われて何となく腑に落ちた
確かにジーンに魔法攻撃が行く前にヘイトを取っても
シンシアに渡すのにタイムラグがあり、敵の魔法詠唱の方が速い”
「そうか下手すりゃ、自分に魔法攻撃が飛んでくるのか」
「しかもさっきのバフォメットはクエイク使ってたろ
お前、あれを発動させる前にヘイトが取れても渡す前に
食らうだけだぞ無詠唱クラスの敵もいるからな」
「・・・何か小難しい事を話しておるようだの」
マスターに山羊頭の土属性魔法の事を指摘されて納得がいって
うな垂れているとアデルさんはララの履いていたサンダルが
もの珍しいのか片方を手に取りながら呟いた。
「そりゃ、数百年前にはなかったスキルの話しだからな」
「ま、まあ、とりあえず此処から出ない?もう探しモノとかないワケでしょ」
「さんせーいっ!街へ帰ろうっ」
そうか考えたらアデルさんが居た頃より色々なスキルが産まれたのかと
思っていると、マリアが出ようと言い出して当のアリッサも帰りたい様だ。
「マリアさん、リターンって使えるんですか?」
”これまで帰還役として貢献してきたシンシア姐さんが
今回、何故かマリアに聞いてるって何でだろう?と思っていると”
「あはは、ごめん、私はプリじゃないんだ
ヘルミナと同じでビショップだから帰還をお願いしてもいいかな?」
「ビショップ!あー、なるほど、だからキュア系が使えるのですね
分りました。みなさーん、帰還しますよー」
※ビショップ メイジとプリーストのスキルが扱える上位職だが
攻撃と補助系が多くメイジ、プリーストの固有スキルは扱えない。
「何か思う所があったのかな・・・」
あまり考えてもしょうがないのでシンシア姐さんの傍へ行くと
両手を広げて光のサークルを召喚し、
全員に中に入るように言って帰還の魔法を行使したのだった。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。