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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第二章 ー古代の暴君ー
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達人と宝箱

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御

シンシア・ルフィン プリ盾姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ お子様メイジ

ジーン・トアロ 盾ありウォリアー

マリア・ヴェルナーデ ドリル

ジェフリー マシュマロボディ

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 意識高い系のプリースト

リリィ  ツン系魔法少女

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

街で開かれるイベントには年に一回、格闘技を行う大会があって

開催される時期は大いに人々で賑わうのだが、

今、目の前で繰り広げられている戦いは異種格闘技戦というか


”4本腕のデストロイヤー vs 受け流しの達人マタドール(闘牛士)”


もはやプロレスの様な気もするが、気のせいだろう。

アリッサのオヤジさんが作った達人はフェイシング風のマスクを

着けているだけあってパリィと呼ばれる技が凄く、おそらく敵の

左右攻撃にデバフの気絶と毒がある事を知っているような動きだ。


「敵の攻撃を見切ってるし、接近戦はいい感じだが

 問題はアイツの魔法だな、デーモン系は魔力が高いからな」


マスターが戦いを案じているが、主のアリッサが達人を巨大化させた時に

驚いていつの間にかマスターの服の中に潜り込み、

胸の辺りから顔を出しているへるぴ、こやつ、危機管理能力が高いな。

この場で一番安全なのがマスターの服の中なのは間違いない。


「さっきの揺れるの来たら危ないねー

 あれ近づいている敵を吹き飛ばすのに便利そうだもん」


「まあね、しかも移動速度を低下を低下させる効果もあるから

 あれだけ動ける相手には有効でしょう」


アリッサとマリアが話しているのは、

さっきララが説明していた土属性魔法アースクエイクの事だ。

山羊頭に密接している時に使われると最大3回ダメージを

食らいながら吹き飛ぶという、考えたら恐ろしい魔法だ。


「しかし決定打にかけるわね

 あのゴーレムもどきが攻撃スキルを使えないのなら

 ジリ貧で原動力を消費してしまいそう」


「まー、確かにな、チリ積もダメージを稼ぐだけじゃキツいか」


達人は確かに敵の攻撃を交わしたり、受け流す度に蹴りや突きを入れているのだが、

ララとマスターには攻撃そのものが軽い為に不意打ちドロップキックの様な

ダメージを稼げてない事が気掛かりの様で、そのうち魔力で動いている以上

原動力となる力が切れたら動きが止まってしまうだろうと予想していた。


「ア、アリッサ、あれさ、蜘蛛の時みたいに充電式なの?」


それで初代ゴーレムさんは暴走したので

聞いてみるのが怖かったが、あれだけ精密な動きをしているし、

その辺も改良されているのでは?とアリッサに聞いてみると、


「あれねー、内臓されてるって、だから動ける時間が決まってるみたい」


”ちょっと安心したが、まさか”3分間”とかじゃないだろーな”


そんな事を話していると、あの山羊頭の挙動が代わり

上腕の部分で魔法を使ってきた手が重なったあと、

手の平に黒い魔力の塊りが現れて魔法を行使する体勢になった。


「ヤバイっ、クエイク来るぞ、皆ここから離れろっ」


マスターの叫びと共に皆、女神像側へ向かってダッシュすると

爆音がして地面が揺れる感覚に襲われて、俺はよろけて倒れてしまった。


「あつつつつ、先輩、無事ですかっ」


ギリでクエイクの範囲に入らなかったのか

倒れた際の痛みをこらえて先輩の方を見ると、

信じられないといった表情で山羊頭と達人を見ている。


「あれ・・・見てみーな」


先輩に言われて戦っていた方向を見ると、達人が恐るべき跳躍力で

飛び上がっていて、数メートル上から回転しながら加速させた

スピードと力であの山羊頭の脳天にカカト落としを決めた。


「おおっ!あれは決まったんじゃないかっ」


隣にいたジーンもその様子を見ていて完全に脳天に決まった

カカト落としに達人の勝利を予感している。


”グガァァァッ”


達人が地に降りると同時に山羊頭は断末魔の様な叫び声を上げ

地面に倒れ込むと、下半身部分から粒子となって消滅していく。


「すげーーーーっ、アイツに勝った!」


女神像の傍で休んでいた俺達とは別のパーティーの人達も

戦いを見ていて歓声を上げて喜んでいる。


「凄いのー、まさか倒せるとは」


「さすが達人っ、これで初代ゴーレムくんも報われるよー」


”あ、覚えてたんだ、人んちの子にしようとした元仲間のこと”


とは、さすがにツッコめず達人の方を見ると

親指を立てて決めポーズをしているし、少なくとも初代より知能が高い。


「あれ、何でしょう?緑色の宝箱に見えるのですが」


シンシア姐さんが指を差した方を見ると、

確かに見た事のない緑色をした宝箱が出現していた。


「なるほどなー、暴君ってそういう事か」


その宝箱を見てマスターはこの場所に居たという化け物の事が分った様だ。


「どういう事?あーいう色の宝箱見た事ないけど意味があるの?」


「あぁ、宝箱には種類が結構あってな

 ごく一般的なヤツは茶色や赤色だが緑はヤバイ、確実に開錠を失敗する」


「つまり?どういう事や???」


ララと先輩も見た事のない色の宝箱の様でマスターの説明に

更に疑問が増してしまっている。確実に開錠が失敗する事と

昔に此処にいた化け物に関係性があるのか


「分らないわね、どうせ女神も近いし

 失敗するなら開けてもいいじゃないの」


「バカっやめろ!そいつは・・・」


マスターが止めようとするより早く、どうせ失敗しても

女神像が近くて問題ないと判断したララが宝箱を開けると

紫色のドライアイスを敷き詰めていたのかと思うほどの

冷たい紫の煙が溢れ出し、傍にいたララの身体を包み込んでいく。


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。

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