そんな危険な罠じゃ
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 先輩 姉御
シンシア・ルフィン プリ盾姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー
ララ・ヘルミナ お子様メイジ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ ツン系魔法少女
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
疑問に思っていた事を話し終わった後、CTが戻ってきたので
再度識別を行うべく、屈んでツールを使って探りを入れると
さっきの暗闇とは違った”睡眠ガス”という罠だと識別できた。
「んっ、さっきと違う
先輩も睡眠ガスって識別でした?」
宝箱の近くでマスターと世間話しをしている先輩に
いちおー確認の為に聞いてみた。2重であれば憂いなし的な
また違ったとしてたらCT待ちになるけど
「おー、一緒やで、おそらく睡眠ガスやな」
「そんな危険な罠じゃないし、リシュ、お前が開けてみろ」
先輩と同じという事は”ほぼ睡眠ガス”だとは思うけど
解除率がこの中で一番低い俺に開けさすとは・・・。
「わ、わかりました。けど解除率が低いので
失敗しても文句言わないで下さいよ」
「新米の内は失敗してナンボだ、気にするな」
意外に寛容な面もあるんだと思いつつピッキングツールで
解除しようと鍵穴を捻ると箱からガスが溢れ出し、
意識が飛ぶような眠気に襲われてそのまま地面へ崩れ落ちてしまった。
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アリッサとシンシアに髪型をいぢられているララは
2人があれこれ試しては解いている間、
古文書を見ながらこの場所の事を調べていた
戒律の時と同じく転移してあの場所へ向かうのかも知れない。
「よーし、これでオッケーっ、ララちゃん出来たよー」
アリッサがララに施したのは三つ編みツインお団子ヘアー
おそらくシンシアと相談して整えたのだろう。
手鏡で確認してるララも満更でもなさそうで2人にお礼を言った。
「あれ?何かあっちの方で煙みたいの出てませんか?」
ララの髪を弄っている奥の方でリティア達が宝箱を
解除しようとしていた事を”ながら見”していたシンシアは
そこから煙状のガスが辺りに充満している事を2人に告げる。
「もしかして解除に失敗したんじゃないのか、あれ」
近くにいたジーンやマリアも箱の周辺の様子がおかしい事に
気づいてララ達の方へ駆け寄って来た。
「大変っ!みんな倒れてます」
霧が晴れていく様に宝箱の周囲の視界が鮮明になると
箱を解除しようとしていた3人が倒れているのがシンシアに見えた。
「様子を見に行こう、危険な罠だったら一大事だ」
ジーンはアリッサ達に声をかけて倒れている3人の方へ駆け寄って行く。
「・・・これ、リッちゃん達、眠ってませんか?」
リティアやリシュが寝息を立てている事に気づいたシンシアが
眠っているのでは?と憶測を立ててマリア達に現状を説明する。
「どうやら睡眠ガスの罠の解除に失敗した様ね
ウォーレンがいながら・・・」
2人と違ってイビキをかいているウォーレンを呆れた顔で
見ながら言葉もない感じのマリア
「しょうがないわね、シンシア、キュアマインドは使える?」
「はい、習得していますっ」
※キュアマインド 精神系状態異常を回復するが範囲には出来ず単体のみ
魅了・恐怖・混乱・幻惑・睡眠・沈黙など
マリアの指示に頷くシンシアだが、
そのスキルをマリアが知っているという事はプリーストなのかな
という疑問も同時に頭を過ぎった。
「了解、じゃぁ、あの男の子にヘルミナはウォーレンを」
「待ちなさいっ2人とも、ここはこれで十分」
そういうとララは左手から白銀に輝く杖を召喚し
まるで意地悪な小悪魔が浮かべる様な笑みをマリア達に送り
寝ているウォーレン達の方へ駆け出して行く。
「ちょ、ちょっとヘルミナ、何をするつもりなの、まさか・・・」
「こらっ盗賊ども!起床の時間だオラァ!」
手にしたイストリアロッドで寝ている盗賊3人をボコボコにしばくララ
なかでもウォーレンはガシガシッぶっ叩かれている。
「なんか性格が変わってきてないか」
「あの盗賊のえらい人と一緒になってから荒んできてるよね」
「そ、そう?あなた達くらいの頃はヘルミナの方がやんちゃで
ウォーレンを振り回してたんだけどね」
キレた”輩”かと思うほど楽しげに杖を振り回すララの姿を見ながら
ジーンとアリッサはあの場にいなくて良かったと思いつつ、
マリアのいう同じくらいの歳というか”その当時に”戻ってるのではと、
ララを怒らせるのは避けようと心の中で誓うアリッサ達であった。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。