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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第一章 ー蒼の洞窟ー
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ここでステルス使わずにいつ使うねん

登場人物


リシュ・レミルトン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン パワー系プリースト

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ

ジーン・トアロ 盾なしウォリアー

 焚き火の燃料を集め終えて女神像に戻る時、ジーンの真剣なひたむきさ

からか、俺はあまり人に言った事のない本心を言おうと思った。なんというか

人との付き合いを円滑にする為には思った事を言わない方がいい場合もある。

 親しき仲にも礼儀ありという言葉の通り、家族といえど越えてはいけない

ラインがある。特に妹との事でそれを嫌というほど実感したからだ。


「ジーン、俺思うんだけど、その体格をいかした職なら

 向いてるんじゃないか、先輩が話していたけど盾役だっけ」


 本心を言うといってもやはり相手の目は見れず、燃炭石を整理しながら

ジーンには盾役が向いているのではと話した。俺よりガタイが良いので両手斧

より盾が似合うんじゃないかと、イメージして先輩との事を思い出したんだが


「パーティーの要となるロードは屈強な精神と強靭な肉体が

 必要と聞いたし。ジーンなら盾の方が似合うと思うよ」


錬金術とかに行くよりは、だいぶ舵を切ってるハズ。そもそも何でウォリアー

の方が後だったんだ。錬金って魔法並みに頭を使いそうな職なんだけど。


「ロード、皆を守る要か」


なにやら少し考え込んでるジーンだが、きっぱりと言ってもらったのも

あって少し微笑んでいた。俺が逆の立場ならシーフには行かないな。

生まれてからの環境もあるし、興味を持った分野がちょっと特殊だと思う。


「って、俺、武器の選択間違えてるよな?」


”背負っていた自分の両手斧を見ながら自分にツッコむ盾なしウォリアー”


「うん、まぁ・・・」


 ここでツッコミ入れるとあとに戻れない気がした、微風のように相槌だけの僕

女神像に帰り着くと背後からの刺客こと先輩が中層の詰め所近くに温泉がある

という情報を皆に話し、シンシア、アリッサ、ララの3人が先に温泉へ入る事に

なった。何で地図に載ってない場所を知っているんだ、知る人ぞ知る穴場的な?


「よくそんな情報を知ってましたね。先輩は行かなくて良かったんですか」


 道具袋をガサガサと音を立てて何かを探してる先輩に、何でかワカランが

後ろ姿から不穏なオーラの様なモノが立ちのぼっている気がした。目の錯覚か


「いやー、3人行ったら見張りも3人やろ。それよりも、今がチャンスやで

 リシュくん。シーフとして此処ぞという千載一遇の状況を逃すんかいな」


 シーフのスキル。スピアトラップの仕掛けを取り出しながら満面の笑みで 

途方もない事を言う先輩。やはりさっきのは錯覚ではなかった様だ。


※スピアトラップ シーフのスキルで地面に隠した鉄槍が飛び出し

踏んだ者にダメージを与える。スキルレベルが上がるにつれ威力も上昇する。


「チャンスって・・・まさか」


 先輩が3人と同行しなかった事で何かしら違和感を感じていたが、この人

なら犯罪行為ギリギリの所を攻めかねない。むしろ楽しんでいる感すらある。


「ここでステルス使わずにいつ使うねんっ」


「い、いや、それって犯罪じゃないっすか!」


「なんや臆病やのぉ。女子の裸見れるのなら本気で覗こうや!」


 捕まったら完全に幽閉されて外界と接触できなくなりそうな事をいう先輩。

改めて戒律が「混沌」な事に納得がいった。刹那主義というか欲望に忠実って

ステキだぜっ!!あとの事なぞ知ったこっちゃねー!お祭りなんだよこれはっ


「イヤです!そんな事したらあの3人にも失礼じゃないですかっ」


 まあ、頭で考えてる事を実行するのは別だよね。確実に犯罪行為だし

温泉覗いたのがバレて捕まるとか、両親と妹に顔向けできねーわ。さすがに


「あの、もしかしてステルスというのは洞窟前で使ったスキルなんじゃ」


 完全に空気になってる盾なしウォリアーも裸、覗き犯罪というワードから

ステルスというのが洞窟前で使ったものではないかと思い始めている。


「あーっ、もうしょうがない。うちがお手本みせたるわ!」


 そう言って不穏なオーラを放つモノは温泉へと続く暗い道へ消えていった。

だ、大丈夫だろうか、同じ女性だし。最悪誤魔化す為に、うちも入ろうと

思っててんとか言いそう。見つかったらの話しだけどステルスのダメな使い方

してるよなー。さすがに街中で犯罪はしてないことを祈ろう。


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