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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第二章 ー古代の暴君ー
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勝利の報酬

登場人物


リシュ・レーン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 姉御 背後からの刺客

シンシア・ルフィン パワー系プリースト 姐さん

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら

ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ

ジーン・トアロ 盾ありウォリアー

マリア・ヴェルナーデ ドリル

ジェフリー マシュマロボディ

ルーファス 大剣メイジ

ティアナ 意識高い系のプリースト

リリィ  トゲ 魔法少女 倍返し

ガルシア ヒゲ面

ウォーレン・ジーク シーフのマスター

パム・レーン 刀マニアの妹君

なるべくジーンやシンシアに合わせる様な速度で

走っていると砂埃で見えにくかったがマリアという

王都からの使者の人が俺たちに手を振っていた。


”先輩が先に向かったけど、もしかしたら2人とも

 女神送りになってるんじゃ、近接の4人がいきなり

 消滅したら俺ならパニくるな”


そんな事を考えながらマリアの元へ到着すると

奥の方で先輩達がジェスチャーを交えながら立ち話をしていた。


「あのー、これは一体どういう状況なんですか?」


「あらお帰りなさい、うーん、そうね

 ウォーレンが相手になって遊んでる感じかな」


「遊び相手?あの敵が?信じられない・・・」


なんでマスター達があっちの方で雑談してるのか

全く分らなかったが、ジーンは遊び相手という言葉に驚いていて

巨大蜘蛛の時に助けてくれた人だという事を忘れているようだ。


「ほらっはやく向かいなさい

 あの2人の女の子達は大丈夫だから」


マリアに促されて先輩達の方へ向かってゆくと、

およそ戦闘中とは思えないほど


”緊張感がなくて和気藹々”としていた。


「皆、おかえりー」「お帰りなさい」「おっかえりー!」


「よーし、これで揃ったし仕切り直しだな

 シンシア、バフ炊いたら俺からヘイト取っておけ」


「は、はい、わかりましたっ」


何で敵を前にしてこんなにも余裕なのか不思議に思って

先輩に聞いてみると、マスターが移動速度低下のデバフを与え

その効果中らしく敵はほぼ置き物状態だと言う。


「凄いんですね、鈍足効果って

 シーフのスキルであるんですか?」


「うーん、罠でヘビィトラップというのがあるけど

 あの敵が掛かってるのはそれじゃないやろなー」


どうやら先輩にも詳細は分らないようで

マスターとの会話からメイジの魔法だと判断していた。

シーフの罠ではあそこまで動きを遅くするのは不可能だそうだ。


”それにしても動きを遅くすると、これほど余裕になるとは

 逆に敵が使ってきたら恐ろしいデバフだ”


「ほらお前ら、もうそろそろ解けるぞ、戦闘に備えろ」


気を引き締める様に響いたマスターの言葉で

バフを掛け終えたシンシアはヘイトを受け取り敵の前へ移動した。


「ん?何か燃えてる様な」


視界に妙な違和感を感じて隣に並んだ先輩を見ると

マシェットに手を翳して刃の部分に炎を纏わせていた。


「な、なんですか!それっ!武器が燃えてるっ」」


初めて見る光景に驚きというより好奇心でワクワクしてしまった。

先輩のこれまでのスキル継承履歴を知りたいくらいだけど、

それにはアカシックレコードと呼ばれる情報を見るしか方法がなく

本人と王都の管理者と呼ばれる者しか見る事を許されていない。


※アカシックレコード 経験してきたあらゆる情報が刻まれている魂の痕跡


属性付与エンチャントってやつや

 アルケミストのスキルやで」


「へー、あいつ、エンチャントを継承してたのか」


「隠し玉の多い子ね、畳み掛けるつもりかしら」


マスターとララが呟いてるのを尻目に

アルケミスト(錬金術師)って何処かで聞いたな・・・

と思っていると、傍にいるジーンが驚愕していて思い出した。


”確か前職アルケミストって言ってたわ”


自分に合うジョブが分らないと蒼の洞窟内で話しててツッコんだ記憶が

蘇りすぐに今のウォリアーへ転職したんだっけか、って事は

ジーンも何かスキルを継承しているのだろうか


「さっ、2人とも畳み掛けるで

 アイツの体力もそうないはずや」


先輩を先頭にしてこちらに背を向けている敵へ前衛で攻撃していると

遠隔魔法職の炎の矢も炸裂して、さっきと同じように相手は屈んで

地面へ鎌を突き刺して麻痺のスキルを使おうとしていた。

おそらくHPがある程度減ると発動される麻痺から窒息へのコンボだろう。


”今度はそうはさせるかっ”


先輩よりも敵の側面近くにいた俺は渾身の力を込めて

サイドブレイクを発動させると敵が気絶して硬直し、

その隙にシンシアが沈黙を唱え、ジーンが構えて突進する姿が見えた。


「どぅりゃぁー!」


雄たけびの様な掛け声と共にジーンの片手斧が敵の背へ

叩き込まれると、光りを散らして消滅してゆく敵の姿と宝箱が重なっている。


※ブロウブレイク ウォリアーのスキルで全身全霊を込めた強力な一撃を放つ。

         スキルレベルに応じて威力が上昇する。


「やったやんっ!しかも箱出たで!」


先輩の嬉しそうな声よりもジーンの攻撃スキルに気を取られてしまった。

ウォリアーの攻撃力ってやっぱ凄いんだなーと、箱という言葉さえも

何の事だか分らずにいると消滅した敵の位置に宝箱が現れていた。


「おお、宝箱だっ」


「うっわ!久しぶりに見たー、また開けたい開けたいっ!」


アリッサの歓喜の声に久しぶりに出たなーと思いつつ、

あの時の毒で懲りてないんだ、と改めてメンタルの強さを確信した僕


「おー、箱出たか、いやちょっと待ておまえら

 まさかメイジに開けさせているのか?」


トレハンをメインに活動しているマスターは宝箱の出現に

それほど驚いた様子もなく、むしろアリッサの言葉で俺と先輩の方へ

向かって問い掛ける様に詰め寄って来た。


「い、いやー、あの、リシュくんより

 トラップリリースの方が解錠率高いんで・・・たまに(てへっ」


「アホかっ、トラップリリースは罠の識別をしないんだぞ

 盗賊がいるのにメイジにやらせてどーする!」


「ぇーっ」(アリッサ


激おこマスターの怒号にビクッとしてしまった俺と先輩

アリッサは引き気味で小声になっている。


「ま、まぁ、ウォーレン

 まだ危険な罠は出てこないレベル帯だし別にいいんじゃ」


「そーいう問題じゃねーっ、シーフがいるのにメイジが

 箱開けてんじゃねーぞ、盗賊としてのプライドの問題だ」


マリアがフォローを入れてくれたが、すぐさま応戦するマスター

なんだろう・・・メイジが宝箱を開ける事に

凄いトラウマがあるのじゃないか、ララはジト目で傍観してるし


「すみません、うちの判断が間違ってました

 アリッサにはちゃんと言い聞かせますんで勘弁して下さい」


”さすが混沌の者、ここは謝っておいて

パーティーメンバーのみになった場合、内々でまかせるつもりか”


「ふんッ、よくプライドなんて言葉が出るわね

 装備がボロボロになった時、私に頼んでたクセに」


「ぬぅぅぅーーーーん、そんな昔の事を言う、悪い子はどこがなあーっ」


先輩と2人、頭を下げて謝っているとララが横槍を

入れてきて、何か嫌な記憶を思い出したのか、

奇声を上げながらララの方へ行きナマハゲの様に脅しをかけるマスター


「ささっ、あの2人はほっといて宝箱を開けましょう(ニッコリ」


この人達が過去にPT組んでた時、スルースキルを持った

マリアだけがマトモだったのかも知れない。

そんな思いでジャレている2人を見ながら先輩と宝箱へ向かうのだった。


※タイトルを変更しました。

盗賊稼業も楽じゃない!(旧タイトル:石化を夢見る涙目の王)


お読み頂き有難うございます。

拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。


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