帰ってきた姉御が目にしたもの
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 姉御 背後からの刺客
シンシア・ルフィン パワー系プリースト 姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら
ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ トゲ 魔法少女 倍返し
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
これまでの戦いの経緯をララ達から離れている所で
傍観していたマリアだが気配を感じて目線を来た道の方へ移すと
砂埃を上げながら自分達の方へせまってくる人物の姿が見えた。
「ウォーレンーッ、一人戻って来たわよーっ」
もはや動いているがナメクジの様な遅さになっている敵の
数メートル前で胡坐をかきながら片腕にへるぴを抱き
果物の皮を歯で剥き始めているウォーレンにマリアは声を上げた。
「ハァハァ・・・ど、どうなってるんや、これっ」
「あっ、お帰りなさい、あのメイジの2人は大丈夫よ
今はウォーレンが遊び相手になってる・・・かな」
クイックムーブの俊足でマリアの目前で止まったリティアの目に
心配だったアリッサとリリィはララと何か話してて元気そうで、
自分ところのマスターが敵を前にして果物を齧ってる姿が映った。
”なんでマスターがっ”
「おー、リティア、戻ってきたか、他のやつらはどーした?」
リティアにとってウォーレンが敵の相手をしていたのは意外だった。
盗賊のマスターであるが故、報酬なしで他人の為に動く事は滅多にない。
ララがアリッサ達の傍にいるって事は彼女はギルドの後輩の為に
戦闘を行った可能性があるけど、ウォーレンの場合”恩を売る”というか
ララとの交渉を有利にしたいが為に相手してるんじゃ・・・。
”いやあかん、考えすぎや、単に戦闘狂やし憂さ晴らしの可能性も”
「おい、聞いてるのか、他の奴らも復活出来たんだろ?」
「あっ!リティアちゃん、おかえりー!」
この状況を把握しようと思考を巡らせながらララ達の方へ
向かうリティアにウォーレンとアリッサの声が聞こえた。
「はっはい、あの子らは遅れて来るゆーてました
あの、マスター、どうしてそこにおるんです?」
妙な違和感を払拭できず、アリッサに手を振ってウォーレンに
つい問い掛けてしまったリティア
「どうせ私に恩を着せて、
魔導具の貸しを安くしようって魂胆なんでしょ」
話しを聞いていたララが険悪な顔つきで早速噛み付いてくる。
「な、違うってっ、アドバイザーとして雇ったのおまえだろ
だから鈍足の効果を実演してるんじゃねーか!」
「・・・そうだったわね、確かに戦況を考えれば
鈍足効果が一番良い選択肢だわ」
「鈍足?なんですのん、それ?」
リティアはそうかも知れないと思っていた事を
キッパリと言い切ったララの態度に驚いたが、
ウォーレンは雇われていると判断した上での行動だった。
「あー、用は移動速度低下デバフを与える事だ
メイジが残った状況ならマラソンして待つのがベストだからな」
「なるほどのー、それで、敵の動きがトロいんや」
「つっても、そこの魔女っ子2人は地雷系スキルだと
思って習得してないから、どのみち詰みだったと思うが」
アリッサとリリィの地味スルーと地雷系スキルという言葉に
鈍足をバカにされた様で心よく思わなかったのか
内心イラっとしたウォーレンは2人を見ながら素っ気なく言う。
「もーっ、そんな意地悪く言わないでよー
効果は分ったからちゃんと習得するってば!ね、リリィ」
アリッサの隣で頷くリリィだが盗賊のマスターの実際の行動を
目の当たりにしてから神出鬼没で人間離れし過ぎて不気味という
イメージがついたらしくアリッサの様に思った事を言えないでいる。
「おーいっ、他の子達も戻ってきたわよー」
リティア達がそんなやりとりをしているとマリアの声が響き
リシュ達も女神から帰ってきた事が告げられた。
※キリの良いところで作品タイトルを変更します。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。