ある日おっきな蜘蛛の館で
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 姉御 背後からの刺客
シンシア・ルフィン パワー系プリースト 姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら
ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ トゲ 魔法少女 倍返し
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
ウォーレンが自分から敵を遠ざけていくのを見届けたララは
呼び出した杖を帰還させアリッサ達の方へと向かって歩き出した。
「ララちゃん平気?」
さっきまで走り回って息切れしているララに声をかけるアリッサ
隣にいるリリィも心配そうな眼差しで見つめている。
「ちょっと疲れているだけよ
それよりあなた達は?麻痺は大丈夫?」
しんどいのか地面に座り込んで2人にデバフの事を問い掛けるララ
「うん、大丈夫だよ、ララちゃんのおかげっ」
「わたしも、ありがとう先輩」
ウォーレンから時間稼ぎにマラソンをしてると聞かされた2人は
ララが自分達の為に敵と交戦してくれた事の礼を言った。
「そう、それなら良かったわ
あのバカが来たのは想定外だったけど」
ウォーレンに対して憤慨しているララを見たアリッサとリリィは
普段はあまり見せない一面を見て、仲が悪いのかなと勘ぐった。
「ララちゃん、あのシーフのマスターの人
おっきな蜘蛛の時に来た人だよね」
「おっきな蜘蛛?もしかしてそれ、紫オーラで館にいたやつじゃ
アリッサちゃん達、あの敵と戦ったんだ」
複眼の殺戮者アレニェ 巨大な蜘蛛で館の中に現れたネームドモンスター
紫のオーラを纏い、出会うな危険指定されていた敵であった。
「へ?何でリリィちゃん知ってるの?」
「あははは、実はあの蜘蛛いた時にミッションしてて
倒せなくて邪魔だからって、その時のリーダーが討伐依頼をしたんだ」
「・・・なるほど、あの時にウォーレンが言っていた
太った奴っていうのがその時のマヌケなリーダーってワケね」
2人の会話を聞いていたララが唐突に話し出したが
何かを思い出したのか更に不機嫌になり、言葉尻にトゲが見え隠れしている。
「ラ、ララちゃん、ちょっと怖いよー
リリィちゃん達だって悪気あって依頼したんじゃないんだよ、きっと」
フォローになりそうでならない際どい所を突っ込んでくるアリッサに
リリィは慌てて弁明するが、ララは”ツネられた”事を根に持っていて
ジェフリーが依頼さえしなければあの時馬鹿にされる事もなかっただろう。
「ハァ・・・それもそうね、たしかにあの戦いでは
ウォーレンが来なかったら全員女神に送られてたわね」
アレニェと対峙した時の事を思い浮かべ、
自身の魔力の無さを痛感したララではあの時どうしようもなかった。
だけど今、目の前でニヤけながら相手の攻撃を交わしてる男に腹も立つ。
「先輩・・・ああいうのもマラソンっていうんですか?」
敵と距離を取り続けて逃げると聞いていたリリィは
相手の鎌攻撃を交わしたと思った瞬間に敵の真横にいるウォーレンを見て、
まるでコンパスが描く円の様に動いてる事が不思議でララに質問した。
「う、うーん、違うわね、あれは遊んでるだけ
こらッ、ウォーレン!ちゃんと走りなさい!」
敵との交戦を楽しんでいる事にイラっとしたララは
怒鳴るように声を上げ、きちんとマラソンする様に指示を出した。
”はぁ?何なんだあいつは何で怒ってるんだ”
怒り顔のララを見て呆れた表情で後方に飛んで敵から離れ
腕の中のにいるへるぴを見ると居心地が良いのか顔を埋めたまま寝ていた。
「ご主人様はご機嫌ナナメだとよ、大変だな、おまえも」
未だ子供になったララが召喚したと思っているウォーレンは
子犬の様な召喚獣の頭を指で撫でて、敵が向かって近づいて来ると
一瞬にして敵の遥か真後ろの位置に移動した。
※縮地 侍のスキルで瞬間移動を行う
スキルレベルが上がるにつれ距離も伸びる
※キリの良いところで作品タイトルを変更します。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。