女神送りの代償
登場人物
リシュ・レーン 駆け出し盗賊
リティア・ウィンフィールド 姉御 背後からの刺客
シンシア・ルフィン パワー系プリースト 姐さん
アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー かぴばら
ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ
ジーン・トアロ 盾ありウォリアー
マリア・ヴェルナーデ ドリル
ジェフリー マシュマロボディ
ルーファス 大剣メイジ
ティアナ 意識高い系のプリースト
リリィ トゲ 魔法少女 倍返し
ガルシア ヒゲ面
ウォーレン・ジーク シーフのマスター
パム・レーン 刀マニアの妹君
女神送りになった俺達は急いで入り口へと向かっていた。
走りながら窒息魔法の範囲外だったのか、霊体になっていなかった
アリッサとリリィの事が気になったが、
あの状況ではさすがにマスター達が動いたのだろうか
そんな事を考えながら前を見ると、
もう先輩の姿が見えなくなっていて、かなり後ろにジーンと
シンシアが先行する俺を追いかける様に走っていた。
”女神送りになっても各ステータスを引き継いでいるのか”
後ろの2人が素早さの値で行動速度や回避率に影響を与える
AGIの値が盗賊より低いのでは?と思っていたけど、
まさか霊体でこういった状況になるとは・・・。
”ともかく、一刻も早く復活して戻らないと”
様々な不安が心を過ぎったが、
今は急いで女神像に向かって復活しないと
あの後どうなってるのか、さっぱりだ。
先行している先輩の後を追う様に入り口を目指して疾走した。
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サーキュラーデスの鎌攻撃を背に遁走するララは
逃げながらも呪文を詠唱するタイミングを狙っていたが、
自分の思っていたよりも身体能力の値が下がっており、
距離を取って身構えてもまた相手から離れて逃げる一方だった。
「リリィちゃん大丈夫?」
「ええ、あと少しで動けるようになるかな
それにしても先輩、あれじゃ攻撃も出来ないよ」
ララと敵の戦闘を観察していたアリッサとリリィは
距離を取ってもすぐに間を詰めてくる敵の動きにララが
魔法を詠唱できずに逃げる事しか出来ないのを心配していた。
「大丈夫だ、ありゃーあいつの戦略だ
他の奴らが戻ってくるまで逃げて時間を稼ぐってな」
”あっ、シーフのえらいひと、いつの間に”
へるぴを片腕で抱っこしたままのウォーレンが気配を悟られる事なく
傍にいたので驚いたリリィとアリッサだが、
ララの事を案じている2人にマラソンの事を説明するウォーレン
「うーん、言ってる事は分るけど何か釈然としないなー」
どうやらアリッサは自分達だけが女神送りにならなかった事が
嫌というかリティア達と一緒になりたかった様で不機嫌になっている。
「まー、気持ちは分るけどよ
女神に送られると装備耐久が下がるからな
生き残ってる奴がどうにか時間稼ぐのがベストなんだよ」
「あー、そっかっ、それで前にここから出たっけ」
ウォーレンの言葉に装備耐久で一回ここを脱出した事を
思い出したアリッサは納得したように相槌を打ったが、リリィは
突然ゴツいのが隣に居た事に畏怖を感じてアリッサの後ろに隠れている。
「にしても遅いな、リティアなら戻って来れると思ったんだが
ヘルミナのスタミナの方がヤバそうだ」
ウォーレンがそう呟くと走り回っているララの身体から
赤色の煙状のヘイトが現れウォーレンの身体へ吸い込まれてゆく。
「ちょっとっ何してるのよ!」
「アホか、その身体じゃもう限界だろーがっ」
自分のヘイトがウォーレンに吸われた事を悟ったララは抗議の声を
上げたが、ウォーレンの言うようにスタミナ切れ直前で息が荒かった。
「どういうつもり?手助けしてって言ってないわよ」
「あー、せんとうあどばいざーなんだろ、マラソンはまかせろ」
「・・・なるほど、戦う気はないのね」
マラソンのみする為にヘイトを吸ったことを理解したララは呆れ顔で
ウォーレンの方へゆく敵を心の中で応援していた。
お読み頂き有難うございます。
拙い文章ですがマイペースに更新しているので宜しくです。