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盗賊稼業も楽じゃない!  作者: 北極えび
第一章 ー蒼の洞窟ー
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野宿って気分が高まるよね

登場人物


リシュ・レミルトン 駆け出し盗賊

リティア・ウィンフィールド 先輩

シンシア・ルフィン パワー系プリースト

アリッサ・ハーメイ 放し飼いサモナー

ララ・ヘルミナ お子様メイジ 雨がっぱ

ジーン・トアロ 脳筋ウォリアー

 これまで魔法を使う人と全く接点のない生き方をしていたので、何かよく

分からないけど、召喚したワンちゃんがどっか行ったってどーいう事?犬を呼び

出したらそのまま家出でもしたんか、フットワーク軽いってもんじゃねーぞ。


「よ、四日前ですってぇぇーーーーっっ」


 てへぺろ状態のアリッサと噴出された飲み物が宙を舞う中、ララが叫ぶように

声を上げているので相当マズい事なのでは・・・アリッサの指導役だよな。


「まぁええやん。そこら辺におるんやろ、その子」


 さすが先輩。放任主義というか細かい事はどうでもいい。


”自分の子供だとネグレクトだぜ!”


「うん、ご飯とお水は無くなってるからどこかで遊んでると思うー」


 おのれが呼び出した召喚獣を放し飼いの様に語る召喚士に、こやつは魔法を

使うとトンデモない事態になるかも知れないと、虫の知らせ的な勘が働き

かけて来る。いや胸騒ぎだ、深く関っちゃいけないタイプ。そんな予感がする。


「ま、まぁいいわ。戻ってきたらちゃんと帰還させるのよ、アリッサ」


「えー やだ。あの子かわいいもん」


 半ば諦めかけたかの様に頭を抑えながら言うお子様指導係り。戻ってきたら

って4日間も不明な時点で制御不能になってるっぽいんだけど大丈夫なの?

強引に帰還とやらをさせた方が安心出来るとうか、人的被害が少ないんじゃ。


「召喚後は帰還も行わないとあなたの魔力を常に奪われるのよ」


「でも全然平気だよ。お腹空いてる感じがするけど、成長期なのかなぁって」


 2人が話し合ってる中。ツッコむタイミングを狙いつつも、もしかしたら

アリッサの近くに居るのではと、確認の為に周りを見渡してみたが、


”何もいねぇ。気配さえ感じさせないとは・・・やりおるわ”


 召喚獣がそこら辺で「野良化」してるかも知れないので、第三までの移動に

PTメンバー達もさらに気を配り、アリッサが召喚したのはヘルハウンド

という魔獣で初級サモナーの良い使い魔になるという事をララが説明していた。


”名前がちょっと凶悪そうだけどな”


 心の中で呟いた俺は先輩に先導をやってみと言われた事もあり、地図を頭に

入れて、数メートル先を神経尖らせて警戒しながら進み。前方に井戸が見えて

来たのでジーン達に第三女神が近い事を告げ、野宿予定の場所まで進んだ。


「そういえば火の元はどうしましょう。ララちゃんに番は

 させれないので、当り棒で当番を決めます?」


「そうやなー。その方が公平やしの、シンシアに任せるわ」


 先輩とシンシアで何か話しているのが聞こえたが、今日は野宿することに

決めていたので荷物を降ろしたあとに火の当番などを決めなければならない。

 何やらシンシアが懐から当りつきの棒を取り出す姿が見え、俺たちの方へ

2人でやって来るとアリッサとララもそれに気付いて皆集合する形になった。


「俺とリシュで燃炭石を探すから、井戸で水を汲んできてくれないか」


 棒を引きながらジーンが話し出すが、現地調達するつもりだ。此処から採れる

と聞いた事があるけど道具とかどうするつもりなのか、さすがに持ってきてない

ので悩んでいたら、ジーンがバックからピッケルとスコップを手にしている。


※燃炭石 魔力をこめると燃える炭石。長時間の焚き火が可能で洞窟内部の

岩に多く付着しているので削って集める事で火種として最適。


「了解しました。燃炭石の方宜しくお願いしますね

 もし危険が迫って来たら、迷わずに此処へ戻って下さい」


 シンシアが言っているのはモンスターの事だと思う。夜が近くなると活発に

活動を始めるヤツは獰猛な種類が多いと聞くし。ジーンの提案で燃炭石を採り

に向かった俺達は、地表にみえる黒い塊を集める為に作業に取り掛かったが


「リシュ。変なことを聞くけど、君は最初からシーフになろうと思って

 いたのかい?確か初めてのギルドだと顔合わせの時に話していたよな」


 燃炭石を集めながら語りかけてくるジーンに、そういえば自己紹介した後の

雑談でそんな事を話していた。初めてギルドに加入して参加するのでミスったら

すみませんと、あの時は軽い感じでそう言ってしまったが、どうしたんだ?


”あー、しっくり来るジョブが分からないから巡ってるって話してたっけ”


「まぁ、うちは父親が漁師で子供の頃から船乗りでは有名な財宝話しや

 網に引っ掛かった骨董品とか見せられて、トレハンの出来るシーフを

 知った時にはこれしかないと思ったかな」


「そうか。そういえば昔、有名な海賊達がいたって話しを聞いたな

 幼少期からそういった事に触れているとロマンを追いかけたくなるか」


 なんだろう。息の詰まる様なというか、ツッコミ辛い。あまりこういった

シリアス的な雰囲気が嫌いというワケでもないが、自分からは触れさせない。

クッ、井戸できゃっきゃうふふしてる女子達が眩しいぜっ

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