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7月 研究室に行った帰りに背脂を貰った話

7月。この頃から僕は気が狂ったようにどうぶつの森のDIYレシピを集め始めていた。


『達成感』


ただそれだけを求めていたのだ。


手軽に何かを成し遂げ、達成感を得たい僕がいた。


といっても、どうぶつの森のレシピ集めにも限界が来る。季節限定のレシピは集めようがない。そんな中、僕が導き出した答えは「ソリティア」だった。お手元のパソコンに入っているマイクロソフトソリティアをお開きください。5種類のトランプゲームが遊べます。


僕はそのソリティアのデイリーミッションをひたすら解き続けていた。

通常ユーザーはひと月前までのデイリーミッションをプレイすることができる。つまり、6月分のデイリーミッションを解けるわけだ。ちなみにプレミアム会員になれば無制限で昔のデイリーミッションを遊べる。もし興味がある人はプレミアム会員になると良いだろう。


狂ったようにソリティアを解く日々が始まった。研究会の日には研究会前からずっとソリティアをしていた。


その間も、共同研究者と互いに研究会資料を作るのだった。



そうは言っても、流石に家の中だけで研究を進めるのには限界を感じていた。そういうこともあり7月の第2週あたりからは僕らも研究室に定期的に通おう、ということで話がまとまった。


内心は「大学最寄りのラーメン屋行きて~」というのが大半だが。



大学に行った僕らは、実験装置を組み立てるのに必要な部品を注文する前に研究室内で使えそうな部品を探したり、何もしなかったりした。共同研究者は時折、教授と何やら難しい話をしているが僕には分からず仕舞いだった。



7月2週目の研究会資料は、僕が「実験装置の土台になりそうなモノ研究室で拾った!」という内容を10倍くらいに希釈して発表した。

翌週、共同研究者が「先週の土台に自分なりに三次元CADで設計してみた!」とパワフルな図面を発表し僕は「もうあいつ1人で良いんじゃないか?」と思うのだった。


更に7月4週目、僕の番になったので僕は研究室で見つけた部品について発表することにした。

実験装置を作るにあたって、土台に関しては既に見つけていた。しかし、それ以外に必要なものはたくさんあり、それら全てを購入する前に研究室で使えるものがあるならば使ってしまおうという話になっていたからだ。


研究室を捜索し、僕らは何点か使えそうな部品を見つけた。

そのうち一つは、それこそ僕らが最初にやろうとしていた研究テーマの実験装置のパーツの一つだった。

因果とでも言えよう。今は行われていない研究の実験装置の部品が、僕らの研究の実験装置の部品へと変わったのだ。


研究会資料のネタを無事発見できた日の帰り、僕は大学の傍の商店街の肉屋に行く。


「背脂ありますか?」

店の店主に恐る恐る尋ねると、店主はこう返事をした。

「いくら欲しいの?」


「200gくらい」


そう返すと、店主はおもむろに奥の冷蔵庫の方へ行き、それから小さな袋を持って帰ってきた。


「はい。次からはお代を頂くからね。」


そう言って店主は、僕の手に袋に入った背脂を渡してきたのだった。

家に帰って袋の重さを測ると、250g程入っていた。


僕はその背脂を2時間ほど茹で、トロトロの背脂を作った。そして、市販の麵を利用して雑背脂チャッチャラーメンを作ったりするのだった。

背脂を煮込むならば圧力なべを使うのありだなと思う。最初に下茹でをし、後に圧力なべにぶち込んで加熱すれば時短、ガス代の節約にもなるだろう。


ところで、背脂だけでとんかつ作ったら…全部脂身の最強胃もたれとんかつができるんじゃない?

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