ぼくはピエロ。
「なにを見ているの?」
したを、みていたら、おねえさんがいった。
「……あり?」
ぼくが、ふりかえって、いうとおねえさんはわらう。
「どうして疑問形なの?」
ぎもんけいてなんだろう。
てをおねえさんに、だしたらおねえさんとてをつないだ。
「そろそろお昼よ。
お部屋に戻りましょう」
うれしくてぼくは、うんていった。
おにいちゃんは、おしごとしている。
ぼくは、おにいちゃんと、おにいちゃんのおしごとのおうちにいる。
まえは、おにいちゃんと、ぼくだけのおうちにいる。
ごはんは、あんまりたべなかったけど、おにいちゃんは、ぼくにいっぱいくれた。
いまは、カーラさまとたべる。
おにいちゃんと、あんまりたべなくて、すこしさみしい。
でも、カーラさまとたべるの、うれしい。
たべたことのないおいしいもの、たくさん、カーラさまとたべる。
まえは、おにいちゃんと、すこしだけたべた。
でも、おにいちゃんは、ぼくにいっぱいくれた。
まえのおうちにいつかえるのっておにいちゃんにきいた。
もうかえらないっておにいちゃんがいって、ぼくはなんでってきいておにいちゃんはかえりたいのかってきいた。
おにいちゃんと、あんまりたべなくて、まえのおうちじゃないからおにいちゃんとあんまりたべないとおもう。
だから、まえのおうちにかえって、おにいちゃんとたべて、カーラさまもいっしょにいけばいいとおもう。
「あんなところに奥様をつれて行けないよ」ておにいちゃんがいって、それから、ときどきごはんをいっしょにたべる。
まえのおうちは、おにいちゃんとぼくだけのおうちで、もしおにいちゃんがかえってこなかったらどうしようておもうから、ぼくはすこしさみしくてないた。
いまは、おねえさんがいて、カーラさまがいて、ごはんがいっぱいで、おにいちゃんはおしごといそがしい。
おうちがおしろみたいで、たんけんできるけど、おねえさんにおこられる。
おにわも、ばったがいて、つかまえたらだめっておねえさんがいうから、こんどはくわがたにして、カーラさまにあげる。
そしたら、しらないおねえさんがいて、からだがいたいかもよっていって、ぼくは、そうかもっておもうから、くわがたをにがした。
「いい子ね」っていわれて、はずかしかったけど、カーラさまが、「貴女の弟よ」ていって、ぼくはおにいちゃんのおとうとだから、びっくりした。
あとで、おにいちゃんに、くわがたがすきなおねえさんが、ぼくのおねえちゃんなのかきいた。
「そんなわけがないだろ」っておにいちゃんが、びっくりしていって、かおがあかかった。
いまは、おにいちゃんはおしごといそがしいけど、おにいちゃんがかえってこないかもっておもわないから、ぼくはさみしくない。
くわがたがすきなおねえさんもいるから、こんどはかぶとむしをつかまえようとおもう。
カーラさまも、かぶとむしはきっとすきだ。
いまは、おにいちゃんがかえってこないかもっておもわないから、ぼくはさみしくない。