3ー世界樹に隠された謎、ユグの独白そして欠片(?)
Level:3 The side and another
ルブラとルクスに連れられ、出てきたところから少し出てきたところにある遺跡(?)らしきところに着いた。
結構古そうだけど、魔導具でも使ってあるのか壊れそうな所は一つもない。さすが。まだ入口しか見てないけど。
でも、入り口がこの竜の姿(約6メートル、世界樹の島に行ってから少しだけ大きくなった)でも入れるぐらい大きい。一応、【身体変化】を使って小さくなるけど。壊したくないし。
『ねえマスター!何ぼーっとしてるの?』
『早く。もっと奥なんですよ?』
ああ、すまんすまん。今行く、っと…
『【身体変化】』
シュゥゥゥゥッ!
おお、ちゃんと小さくなれたな。ちなみに今は大型犬サイズ。でも探検ならこれで十分だろう。
よし、ルブラとルクスが待ってるみたいだから早く行かないとな。
ーーー………。ーーー
ん?何か聞こえたような…?でも、ユグじゃないし…?
『マスター!早く〜!』
『時間が勿体無い。早く。』
ああ、悪いってば。でも何か、誰かが喋ってるような声が聞こえたような気がして…
きっと何でもないだろうけどな。じゃ、行こうか。
『うん♪』
『……声?』
どうした?ルブラ。行くぞ?
『う、わかってる。マスターも遅れないように。』
ルブラってもしかして…ツンデ
『マスター?』
あ、はい。ごめんなさい。
何も言っていません、じゃない、思っていません。
ルブラのことなんか全く考えていませんでした。
『『…。』』
うう…しょうがない、俺は先に行く!
追いついてみろー!ルクス、ルブラ!
『あ、ちょっとマスター!遺跡で走っちゃダメですー!』
『…はぁ。早く追いつこう?』
『うん。じゃあ、私とルブラで追いかけっこね♪どっちが先に追いつけるかで!』
『ふふ、じゃあお先に』
『あー!ずるいよー、待ってー!!!』
ーーー………。ーーー
・・・
ーーよーしよし、魔力ですよー?ーー
ぴょんぴょん!
ふふ、私たちのマスターは、何もかもが面白い…見ていて、誰も想像しないようなことをする。
【眷属召喚】で、こんなにレアな魔物たちを手に入れて、さらにはこの卵…【変異の卵】まで手に入れる。世界樹でずっとこの世界に顕現した時から見ていたけれど…やはり、このドラゴンは。
パキッ
ーーああ、もう直ぐ生まれるのね。あなたはラッキーよ…彼の元に生まれて。どうか、彼を迫り来る運命から守ってあげて?彼は貴方に相応しい主だからーー
ルブラ…【影の暗殺者】は楯。
ルクス…【雷天鳥】は槍。
では、貴方…【神竜狼】は、何になるのかしら?
ぴょん?
未来が断片的にでも望むままに見える、世界樹でさえ読めない未来。
時の流れが全て記載されている、時の掟にさえ記載されていない時間。
星々の記憶がどんな小さいものでも記録されている、星々の道標にさえ記録されていない運命。
では…運命を司り、記録し…創り出す、運命の宝玉は?
どれを使っても、知ることはできない。だって…マスターだから。それ以外の説明はできない。私にさえ、分からない…何て面白いのでしょう。
どんな運命が起きるのか、当てることぐらいはできる私だからこそ貴方に言える…でも、誰にも分からないのだから、確定ではないけどね。
ああ、やっとこの世界も面白くなってきたわ…どれだけ待ったことか。
ーー彼に、『ありがとう』、と言うべきなのかしら…?ーー
パキッ…パキパキ
ーーああ、ごめんなさいね。もう少し、生まれる前に魔力をあげておこうかしら?ーー
ぴょん!ぴょんぴょん!
ーーふふ、貴方も楽しみね…ーー
・・・
ルブラとルクスに連れられて最深部に着いた。
魔力を使っているらしい光源を頼りに歩いて行くと、いきなり少しだけ自然がある広場に出る。
さっきまでは石とか苔しかなかったからな。
『ほら!みて!』
ん?何もないように見える、けど…?
『違う。あれ。あの青白く光る、【欠片】のようなもの。』
ああ、やっと見えた。なんなんだろうか?あれは…
濁った紫色に輝く鎖に巻かれている…っ?!あ、俺を封印していた鎖と同じとはいかなくても、似ている…?でも、なんでそんな鎖がこんなところに…
『あれは、多分だけど、ただの光る【欠片】じゃない。あれは、きっと、大昔に失われた、【運命の宝玉】の【欠片】。』
『あの鎖を破壊してみて?マスター。きっと、何かを得られるはず』
ふむ。興味が湧いた…じゃあ、やってみよう。
『【終焉の吐息】!』
バリーン!
漆黒の霧のようなものが鎖を覆いかぶさった後、鎖がカタカタと震えた後、粉々になって壊れた。
これでいいのかな?お、光ってる。
『!!これは…』
『?ルブラ、知ってるの?』
『いや…どこかで見たことがあるような気がして…』
うん?青白かったはずだけど、あれ、白…違う、白銀の輝きを放ってる…?
なんでだ?何か間違えたことをやったか?
『!!!!!ま、マスター!今すぐ離れて!このままじゃ、巻き込まれる!』
『ええっ?!どう言う意味、じゃない、じゃあどうすれば!』
ちょっと待て?!どう言う意味だ?これヤバイってことか?!
『そう、だから早く!じゃないとあれにっ…』
『ああっ!マスター、ちょっとぉっ…』
っ?!!!【欠片】から何か、衝撃波みたいなのが放たれて、ルクスとルブラがどこかに【転移】された?!
あいつらが心配だけど…今はこれをどうにかしないとな。てか、これは何なんだ?
本当に、ここには何があるんだよ…?
ーークハハ。まさか目覚めてすぐに会うのがお前だとは…ーー
『?!!!グルルウウゥッ!』
ーーふむ。まだ記憶が戻っていない…違うな。お前は、一体?ーー
そんなの俺が知りたいってば!
それより、お前は一体誰なんだ?!
ーーはあ、我にそんな口で物を言うとは…まあ、いいだろう。ああ、我か?教えてやろう…ーー
…。
…。
…。
ーーお前の前の主、【魔神】アスタロト、さーー
・・・
ユグドラシル、クロノ・フロー、ステラメモリア、フェイト・キューブの詳細は、もうちょっと後で載せます。
あと、たまごはもうすぐ孵る予定です。
サブタイトルの、ネーミングセンスがぁ…