2ー人化の術?何それ?
少し休みました。ちゃんと投稿は続けます。
ーーー
6/1ルブラの口調を変更しました。
Level:2 Human-illusion magic?
…ぅん…はっ!
朝だー!外に出て初めての朝だー!
『キュオオォッ…』
『シュウウッ…』
どうしたんだ?疲れたのかな?よく眠れなかった?
『キュウゥゥゥッ…』
違った。お腹が減ってるだけだそう。
うーん…じゃあ外に行って探すか。超効率悪いだろうけど…あ、ユグに聞くか?
ーー呼びましたか?ーー
速いな!まだ呼んでもいないのに!
まあ良いや、この辺で狩場ってある?ダンジョンでも良いけど。
ーーうーん…一応ありますが、美味しいものはないと思いますよ?だって、世界樹の魔力の余りからできたものですし…ーー
確かにな。例えるならば…植物の根っこ、とか茎とかか?そうだったら嫌だなあ…
うーん、どうしよう?ずっとベジタリアンって嫌だし…
『キュオォ?』
『シュウウウッ…』
ーーあぁ。この島の飛行進路にアポトルファ王国の王都があります。そこの近くにはダンジョンが沢山ありますし、美味しい食べ物も沢山あるはずです。そこに行きますか?島はゆっくりと移動するので滞在する時間は十分ありますし、何かあったらあなたの翼でここに来れるでしょう?ーー
そうか…そうだな。わかった、その王都に行ってみようかな。後どれぐらいで着くんだ?
ーーええと…数日ですかね。それより、その姿で行くつもりですか?ーー
ん?姿?
…。
…。
…。
あぁああああああ!このままだと冒険者や勇者たちに殺されるうううう!
どうしよう?!人になれないかな?
ルクスに行かせてもレアな鳥として捕まるし!
ルブラは…泥棒になっちゃう!
『泥棒?』
『なにそれ?』
ーー忘れてたんですか…。そうですね、バカだって忘れていました。ーー
ちょっと、じゃないすごいショック…
ーーあ、本音が漏れちゃいました!あ、話がズレましたね、えーと…ーー
俺の姿のことだろ?何かしてくれるのか?
ーーあ、そうですね…人化の術を取得すれば良いのでは?ーー
人化の術?名前からして、人になる術か?
そんな魔法があるんだな。
ーーええ。あ、魔力を少しだけ使いますが。あと、竜である証拠…そうですね、尻尾とかですか、は残ってしまいます。なので他の人に説明するとなれば、竜人になってしまいますが。ーー
へえ。そんな種族があるんだ。まあ良いや、行けるようになるまで人化の術の練習ーーじゃない。その前に、どうやったら取得できるんだ?
テッテレレー♪
ーーよくぞ聞いてくれました!これは私、『世界樹の精霊』の出番です!ーー
今の効果音って聞いたことがあるような…
あ。ユグが言うとしたら…もしかして…チート?
ーーむう。なんかバカにされた気が…そんなこと言うなら、教えませんよ?ーー
やっぱりチートか…
あ、ごめんなさい。教えてください。
ーー私が世界樹に接続し、人化の術のデータを持って来て、竜に合うように創り直せば良いんです!ーー
…想像以上にやばかった。てか固有能力って創っちゃって良いの?
世界樹に接続して能力盗むとか…捕まりそう。
ーーあなたは最後の敵であり世界の敵ですよ?誰が捕まえるんですかーー
…勇者?
ーーもうすでに倒してますよね?ーー
…冒険者?
ーー勝ち目はありませんね。冒険者が。ーー
…ない?
ーーまあ、一応ありますが。他の勇者が団結して神の加護を得た場合か、神があなたを倒しに来るか、ですね。それ以外はありませんーー
てか、世界樹の精霊さん、世界を滅ぼす側について良いの?
世界を普通守るんじゃないの?
ーーこの世界、つまんないんですよねー。いや、正直なんか災害でも起きればいいなー、的な?ーー
うわー、めちゃくちゃ悪役のセリフだよ。この人が黒幕でいいんじゃ?
てか世界樹はそれでオッケーなの?
ーー大丈夫なんじゃないですか?…話がズレましたね。さて、人化の術を新しく作るのにちょっとかかるので、まあ魔物狩りでもしててください。ああ、魔神には気をつけてくださいね?ーー
魔神?なんだそれ?
魔物の神かなんかか?聞いたことないけど…
ーーそうですね…いえ、言わない方が面白そうなので♪まあ会った時のお楽しみですね。あ、一応人間用の身元保証用カードも作っておきます。何かあった時にこれがあれば便利でしょうからーー
身元保証用カード?なんだそれ?まあ作ってくれるなら貰うけど。
じゃ、探索して来るわー。
ーー行ってらっしゃい♪ーー
・・・
『ねえねえ主、今からどこ行くのー?』
『それより、ここは?』
…ど う し て こ う な っ た。
いつのまにか、ルブラとルクスが喋れるようになってる。
しかも声が、めちゃくちゃ子供っぽい。やばい。可愛すぎる。
あ、でもさっきから喋れていた、かも?
『ねえ、聞いてるー?』
聞いてる。ああ、えと、ここは…、世界樹の深層部か?
根っこがあちらこちらにあるし、魔力が篭ってる光る箱が浮いてるからな。あの魔力はユグ…世界樹の魔力と似ているからな。
あ、根っこだから、普通の植物の構造と同じで栄養、つまり魔力を樹全体に配給しているんだな。
お。ここが最後の部屋か?
『あー。隠し部屋だー。』
『マスター、中に行きましょう。気になるので。』
おい!ちょっと待てーー!
走ってくな!
ガチャ
『『おお!!』』
隠してある扉をくぐってすぐ。
快晴の空が広がってる、何もない草原に出て来た。
ここ…本当に世界樹の中か?それにしては魔力が安定しすぎてるな…
さっきの場所はちょっと魔力のバランスが不安定だったからな。
『!こっちこっちー!』
『マスター、こっちに見せたいものがあります!』
見せたいもの?気になるから行ってみよう。
・・・