1ー新しい世界での目覚めは必ずしも素晴らしいわけではない
『さあ、行ってらっしゃい。世界の理を変えるために、そしてあなたの願いを叶えるために』
Level:1 Re-birth
目が覚める、と同時に体を動かそうとする。
あれ?動かない。うぐぐ…っはあ。無理だ。
『グルルッ』
ふん?グルル?人間じゃないのか?
ってどうして俺はここにいるんだ?
チャリッ…
『グルッ!!』
鎖…で体が縛られてる、のか?
よし…
『王者の咆哮!!』
パキン!
お、意外とこの鎖、弱いのかな?一瞬で壊せたし。
ーーー解放されました。ステータス回覧及び、少数の技が使用可能となりますーーー
ん?解放されました?どういう…あ。俺、封印されてたってことか?それじゃ、やばいんじゃ…。
ま、いいや。ステータスを見よ。それ以外は後で考える。自分が何できるのかわからずに何かやるのもバカらしいし。
『ステータス・オープン』
ーーー
NO NAME
種族:終焉竜 Lv:999+ ランク:SSS
称号:【最後の敵】【終焉を呼びしモノ】【最終進化】【神】【迷宮主】
状態:弱体化
体力:1,290,000/1,290,000
魔力:974,000/974,000
戦闘値:791,000/791,000
固有能力:【王者の咆哮】【竜の息吹】【眷属召喚】
能力:【吸収】【滅雷】【終焉の吐息】
耐性:精神攻撃無効、聖属性無効、全属性耐性
ーーー
……。これってやばいんじゃ(2回目)?だって、耐性の数が半端ない。しかも、体力、魔力、戦闘値が桁が違うような…システムエラーとかじゃない?エラーじゃないの?
体力はHP、魔力は…MP。戦闘値はATKか。状態が弱体化、ってどういう意味だろうか?
しかも、レベル999+って何?カンストってことかな…だとしたら、余計やばい。これ以上半端なくしないでくれ。俺の中の常識が崩れる。しかも、これで弱体化?信じられない。
『グルワッ……。』
ため息しか出ない。竜の口って意外と便利。
寂しくなってきたし、眷属召喚?をやってみようかな。
うん、そうしよう。いいやつが出てくればいいけど…。
その前に、固有能力、【眷属召喚】の能力の確認。
ーーー
眷属召喚
魔力消費:N/A(ランクによって変動。B以上は、最低でも30,000確定)
説明:眷属を自らの魔力を使い召喚する。召喚された眷属は、必ずしも従うとは限らず、認めたものにしか従わない。自らの魔力を使うため、その質によって強さが変わる。Aランクの魔力を使ったCランクの眷属魔物と、Bランクの魔力を使ったCランクの眷属魔物では、Aランクの方が圧倒的に強い。
様々な種類があり、種類によってメリット・デメリットがある。
眷属を従えた後は、自由にその眷属を召喚できるようになる。
ーーー
結構ハードルたかそうだなあ。やっぱり一筋縄じゃないよな。でも、仲間にできたら心強いだろう。
よし、あれ……うん…?今俺がいる迷宮ーー深淵の谷ーーに、勇者たちが近づいてきているみたいだ。早く召喚して従えさせた方がいいかもしれない。
しかも、俺が【最後の敵】ってことは、勇者たちとは仲間にはなれないだろう。きっと俺を倒しにきたんだろうし。
でも、ここに生まれて直ぐ、倒される運命なんかまっぴらだ。その前に、眷属を召喚し、認めさせて、ここから出る。
そして、ゆっくりとした人生…じゃない、竜生を送る。
よし、決めた。
眷属を召喚し、ここをぶっ壊して出て行く。そして平和な竜生を送る!!!
『グルアァァァッッツッッ!!!』