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1話 『はじまり』
四月、桜が咲き始める頃。僕「紫乃 陸」は、東印高校の二年生として通学をしていた。
「私立東印高校」は、今年で開校62年目である。偏差値64の進学校で、『将来何にでも職業に就けるように』という学長の理念の下、文理クラス分けが無い。部活動にも力を入れており、去年は水泳部が全国大会の準優勝をはじめとして、数々の優秀な成績をのこしている。しかも3年前に新校舎ができたのでとても人気が高くなっている。
新しい制服を纏った新1年生を追い越し、追い越され学校に着くと、小学校来の知り合いの「河村 優」がいた。互いに挨拶をし、春休みの日常についてしゃべりながら、新クラスのはりだしを見に行った。