表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とってもちっぽけな願いを叶える為に異世界に行くのはいけない事ですか?〜豚汁を求めて三千万里〜  作者: 藍白かいと
第一章 過去を振り返るのはいけないことですか?
8/29

第8話 死闘の末に

ノゾムは、飛翔している邪竜に向かって剣を向けた。


「神の力を秘めし神剣よ、悪を裁き滅ぼす絶対の力を…いま解き放て‼︎」

すると、神剣はノゾムの声に反応し、輝きを一層高めてオーラのようなものをまとった。


それと同時に、邪竜はノゾムに向かって口から禍々しい黒い炎を放った。


あれが当たればおそらく僕は跡形もなく消えてしまうだろう。

だが、今の自分になら…

剣を握っている手の震えが止まらない。


けど、今の自分だから分かる。この震えが怯えなどでは無く武者震いなのだということを!


「ノゾム!今ですの‼︎」


全てを消し飛ばす黒き炎に、絶対の一撃を構える。


「うおおぉぉぉーーーーーー‼︎」


ノゾムは、邪竜に向かって神剣を思いっきり振り下ろした。


ボウンッ‼︎


神剣は、邪竜の放った黒い炎を押し返し、未だに光を放ち続けている。


ノゾムは空高く飛び上がり、無防備な状態の邪竜に対して再び斬りかかる。


「こ れ で…終わりだぁぁーーー‼︎‼︎」


ウゴォァァーーー‼︎


無彩色の絶望が、ゆっくりと白く染まっていく。


「落ちろぉぉーーーーーー‼︎‼︎」



神剣は邪竜を真っ二つに斬り裂き、裁きの光で跡形もなく消し飛ばした。


神剣がノゾムの手からゆっくりと消えていった。

「はぁ、はぁ…やったぞ!邪竜を倒した‼︎」


圧倒的なその力は、元あった山の形をも作り変えた。


「よくやりましたの」


すると、ノゾムのポケットが一気に重くなった。


周りを見渡し、大事な事を思い出す。


「はっ!このお金ですぐに、みんなを回復させなければ!」

ノゾムは自動販売機を召喚し、大急ぎで回復薬のようなものを買う。

それをみんなに飲ませ、しばらくすると二人が目を覚まし始めた。


「うっ!まだ頭がちょっといてーなー」


「私もまだ、体がちょっと重い感じがあるわ」


「カイ!ユリ‼︎良かった、目を覚ましたか‼︎」

ノゾムはほっとして、地面に崩れるように座り込んだ。

ノユラはソッと三人に近づいていく。


「みなさんごめんなさい。あそこまで強いとは思ってはいませんだしたの」

ノユラは深々と頭を下げた。


「まったくよ‼︎あんなのが出てくるなんて聞いてないわよ‼︎」

ユリはちょっぴり怒って言った。


「まぁまぁ、いいじゃん別に倒せたんだからさ〜。俺もノゾムが神剣使って倒すとこ見たかったな〜」

カイのへらへらと笑う顔がとても懐かしくかんじる。


「よくないわよ‼︎あんたが気絶したせいで大変だったんだから‼︎」

ユリはカイの腕を軽く叩いた。


「なんだよー痛いだろ〜」


「まぁ、確かにカイが気絶してユリは凄い怒ってたからな」


「ちょっ‼︎何言ってんのよ‼︎そんな訳ないでしょ!ノゾムのバカ‼︎」

ノユラは顔を真っ赤にしながらノゾムをポコポコ叩いた。


「はっはっは、痛いよユリ。悪かったって〜」


「へぇ〜、ユリは俺が倒れて怒ってくれたのか〜」

カイは、にやにやしながらユリをからかった。


「うるさいバカ‼︎それ以上言うと凍りづけにしてカキ氷にするわよ‼︎」


「はいはい、食べられたくないので静かにしてま〜す」


「とりあえず、みんな無事で良かった‼︎ほら、ノユラもこっちにおいでよ‼︎」

ノゾムはノユラに手招きをしながら言った。


「許してくれますの?」


「ふんっ!いいからこっち来なさいよ‼︎」


「ユリはツンデレだな〜」


「ふんっ!そこまで言うならしょうがないですわね‼︎ ふふふっ」

ノユラは少し笑みをこぼしながら、みんなの元に駆け寄って行った。


「ノユラもツンデレかよ〜。相変わらず、二人はキャラがかブッ‼︎」

ノゾムは、ユリとノユラのアッパーを食らい、体が宙をまった。


「ノゾムも懲りないな〜」


ーーハッハッハッハー‼︎

ーーうふふふっ‼︎



ゆっくりと平穏な時間が続く。

カルナ山の山頂ではしばらく四人の笑い声が絶えなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ