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とってもちっぽけな願いを叶える為に異世界に行くのはいけない事ですか?〜豚汁を求めて三千万里〜  作者: 藍白かいと
第一章 過去を振り返るのはいけないことですか?
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第23話 特殊勝利

相変わらず地面に突っ伏しているカケル達三人。


「わたくし達もそろそろ何かしら手を打たないとみなさんに置いていかれてしまいますよ」


「そんなこと言ってもこのメンバーじゃどうしようもないでしょ。あんたがちょちょいと空でも飛んで倒して来なさいよ」


「このメンバーじゃって…いつもとほとんど変わらないじゃないですか。クロさんこそあんな頭の悪そうなやつあなたの能力でさっさと倒しちゃってくださ……そうか‼︎」

カケルが何か閃いたらしい。


「クロさんクロさん!ちょっと耳を貸して貰えませんか?」

そう言いながら、カケルが地面に頭をこすりながらジリジリとクロの方に近づいていく。


「ちょ、あんたそんなことやってると禿げるわよ。そんなんでこっち来ないで」

そう言って、クロもカケルからジリジリと離れていく。


「ちょっと!作戦を伝えに来たんですから離れていかないでくださいよ!」

こちらも負けじと離れていくクロを追いかける。


その奇妙な様を杖持ちじゃない方は静かに眺めていた。


やっとのことでクロに追いつくことができたカケル。


「分かったわよ。ハァハァ…で何⁈」


「ですから。ハァハァ…あのですね〜」


二人とも疲れ切って息が荒い。


「彼はおそらく例の『そうだ!そうだ〜!』しか言って来ないと思うので、あえてどうでもいいクイズを出して乗っかって来たところをクロさんのスキルで彼を乗っ取る。か〜ら〜の〜トムの強烈なパンチ‼︎どうですか!この抜け目の無い完璧な作戦‼︎」


「それ本当に成功するんでしょうね〜?」

疑い深くカケルを見る。


「もちろんですとも!さぁさぁ、やっちゃってください」


「はいはい。分かったわよ」

渋々カケルの作戦をやることにした。


「ジャジャン!問題です。この世界の通貨はポカニョンですが実は他にもいくつかの種類がある。○か×か」


「………」


……返事が無いただのしかばねのようだ。


「ちょっとー!返事が返って来ないじゃ無いのカケル〜!」


「あっれれ〜、おっかしいなー。まさか返事すらしてくれないとは」


クロがカケルを睨みつける。


「いや。もしかしたらもう片方の相方の言葉にしか返してくれないのかも。ここはわたくしが声真似をするしか…」


「もうやめときなさいよ…聞いてて悲しくなるわ」


「いえ、わたくしはやります!これしかもう作戦が浮かびません!」

カケルは覚悟を決めて杖持ちの声を真似てみた。


『じっ、実はこの世界には他にも通貨があるんですよ?知識が足りてませんね〜』


どうだ!かかりますか‼︎自分ではなかなか似てたと思いますよ。


「そうだ!そうだ〜!」


来ましたーー!まさか本当にかかるとは。

クロも信じられない様子でこちらを見ている。


「何をしているんですか!早くやってくださいよ!」


「そうだったわ。えっと、えっと…ダウトーーー‼︎」

慌ててスキルを発動する。


「やりましたか?」


彼の体が急に意味の分からない動きを始めた。

どうやら、無事成功したようだ。


「ふぅ〜これで一安心ですね。さぁ、トム!一発デッカイのかまして来てください!」


トムはこちらにグッと親指を立てて奴に向かって拳を振り下ろした。

奴は10メートルというとんでもない距離を飛んでいった。



カケルとクロは立ち上がり体を少しほぐした。


「さぁ!みんなを追いかけましょう!」



月がゆっくりと隠れはじめている。

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