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チートされど平凡(の予定)  作者: 秋鐘 要
3/5

お忍びで

「行くかどうかお返事を頂戴ね」


お婆様はニコッと笑ってから部屋を出ていった。


あーどうしよう……行きたくないなぁ。

ルルはどんよりとした気持ちになりながらも悶々と考えるのだった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


[ルル]


どうしようかと考えていると頭のなかで響く声に反応する。

ハスキーで聞いていると心地いい声。


(どうしたの?)


声の主である陽に返事をする。

私は本に意識を少し向けながら次の言葉を待った。


[今から外いくぞ。その定例会とやらに行く前に行きたいとこがある]


定例会行くんだ……あっさりと結論を出した陽に呆れる。

ルルはハラリと落ちてきた髪を耳にかけて一息ついた。


[早く用意しろ]


マイペースな陽に対して呆れつつも急いで用意する。

こういうことも陽がいるからできること。いつまでも屋敷に籠っていては息が詰まるのでちょこちょこお忍びで下町に向かう。


サレスハリート公爵家別邸がある町ハリバル町は少しだけ大きい町である。


王都から二日くらいでつく町でのんびりとしている町の雰囲気が好きなのである。


その町にお忍びでいくのは私の楽しみの一つであり変化の魔法でこっそり町をまわるのが好き。


今日の変化の魔法は腰まであった長い髪を短い茶色い髪に栗色の目。服はよくある下町流行りの服。

すると少女から少年に変わっていた。

このぐらい変わらないとサレスハリート公爵家の使用人達にはすぐにばれてしまう。

陽曰くあの使用人たちはキレまくるらしい。


短くなった髪を触るとふわふわする。

黒いマントを羽織り準備万端。

念のため小型ナイフも装備してある。

鏡を見るとどこからどう見てもルルアランには見えない。今から私、いや僕はアレン少年である。


近くにあった人形に身代わり魔法をかけてバレないようにして転移の魔法を使った。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




転移した場所はハリバル町の門前近く。

不自然じゃないように門の方へ歩いていく。

門前には騎士らしき門番がいた。


その騎士に冒険者ギルドのギルドカードを見せる。


あ、冒険者ギルドとは世界各地にある何でも屋みたいな団体。討伐や薬草とりなどなんでもやる。

私のような令嬢がやるような仕事ではないんだけど意外とこれが楽しい。私にはきっと華やかなところよりこういう荒仕事が向いてるのかもしれない。

あと、ランクがあって下からF・E・D・C・B・A・S・SSランクとなっている。ちなみに私はBランク。

討伐とかいろいろ頑張った。ギルドの話をしたら陽が珍しく興奮していた。

まぁギルドの話は置いといて。


普通に町のなかを通されたのでまずは陽の希望で鍛冶屋に向かう。

先日ここに来たときに行き付けの鍛冶屋にあるものを頼んでいたのである。


陽からうきうきしてる感覚が伝わってくる。

まぁ“私が”使うわけではないので別にどうでもいいのだ。

私は魔法が主力で陽は剣とかの武道系。

私と陽は意識を交換できる。

戦いのとき“ルルである私”が剣を持ってもはっきり言って危ない。私には剣の才能は皆無なのだ。というか武道系事態苦手だ。けど陽は違う。剣なんてお手の物。まぁ魔法は私が勝ってるけどね!


今の難点は私と陽が同時に戦えないこと。

どうにかして改善させたいなぁ。

別に陽がいなくなっても寂しくなんてないけどね…


陽的にはやっぱり自分の体が欲しいのを私は何となく知ってる。産まれたときから一緒だから言わなくてもわかる。


はぁ、とため息をつきながら歩くといつの間にか鍛冶屋-スクリム-についていた。







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